看護学生の実習
看護学生の実習がつらいときの乗り切り方。場面・睡眠・相談先の整理
更新 2026年10月23日読むのに約6分
実習がつらい時期は、何が重いのかが見えにくくなり、眠れているかどうかも分かりにくくなります。この記事では、場面と睡眠を分けて見る手順と、学校の中と外の相談先を整理します。
実習の夜は、眠いのに眠れないこともあるよね。おつかれさま。
つらさを、場面・時間・人の三つに分ける
実習の一日は、朝の準備、受け持ち患者さんとの関わり、カンファレンス、記録、帰宅後の学習と、重さの違うものが続きます。「実習がつらい」とひとことで言うと、これらが一つの塊に見えてしまい、誰に何を話せばよいのかが決まりません。三つの目盛りで分けると、話す相手と内容が決まりやすくなります。
- 場面:いつ、どの場面が重いか(朝の情報収集、患者さんとの関わり、記録、カンファレンスなど)
- 時間:記録や学習に何時間かかり、何時に眠れているか
- 人:誰とのやりとりが重いか(実習指導者、担当教員、グループの仲間、患者さん)
たとえば、記録が終わらないという悩みでも、時間の問題なのか、書き方の指導を受けても伝わらない場面の問題なのかで、相談先が変わります。時間の問題なら、記録の範囲や優先順位を担当教員に聞くことが近道です。場面や人の問題なら、その場面で何があったかを、事実のまま伝えるところから始まります。
この段階では、原因を決めつけなくて大丈夫です。三つの目盛りに、日付つきで一言ずつ書いておくだけで、あとで誰かに話すときの材料になります。
今日のつらかったところ、日付と一緒に、ひとことだけ書いておこうか。
記録が終わらない夜は、眠る時刻から逆算する
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年2月)は、成人について、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することを勧めています。同じガイドは、適正な睡眠時間には個人差があり、日中の眠気や、睡眠による休養感に応じて、自分に必要な時間を探る必要があるとも書いています。あくまで成人の一般的な目安として受け取ります。
実習中は、記録に時間がかかって、睡眠が削られやすい時期です。眠る時刻を先に決めて、そこから逆算して記録の終わりを決める、という考え方があります。終わらなかった部分は、翌日に担当教員か実習指導者へ事情を伝えて、どこまで書けばよいかを聞きます。夜遅くまで続けるより、事情を伝える形のほうが、続けやすいかもしれません。
反省会は朝にまわそう。書き出して、ノートを閉じてみようね。
眠れない状態が続くときの目安も、ガイドに書かれています。ガイドを実践しても、十分な時間眠れない、休養感が得られない、日中の眠気が強いといった症状が続き、日中の生活に影響しているときは、速やかに医師に相談する、というものです。厚生労働省のe-ヘルスネットは、眠れないまま長く寝床にいると、不安や緊張で目が冴えてしまうので、眠くなるまで別の場所で過ごすよう説明しています。
指導者が怖い・カンファレンスが重い。場面ごとの頼り方
実習でつらくなりやすい場面には、それぞれ頼る先があります。実習指導者に声をかけにくいときは、報告の前に「何を・いつまでに」伝えるかを一行で書いてから話しかけます。それでも難しいときは、担当教員に、どの場面で声をかけにくかったかを伝えて、間に入ってもらえるかを聞きます。カンファレンスで発言できないときは、事前に担当教員と、話す内容を一つだけ決めておく方法があります。グループの仲間との分担がつらいときは、記録や準備の分担を、担当教員がいる場で決め直してもらいます。
受け持ち患者さんとの関わりで迷ったときは、一人で抱えず、その日のうちに指導者か担当教員に事実を伝えます。患者さんの安全に関わることは、学生だけで判断しない、というのが実習の基本です。記録の書き方そのものを速くするコツは、実習記録を速く書く方法にまとめています。
- 書き出す場面・時間・人を、日付つきで
- 眠る時刻を決める記録の終わりは、そこから逆算
- 一つに絞る今週話すことを、一つだけ
- 話す学校の窓口、または電話の窓口
全部を一度にやらなくていいよ。一つずつで十分だからね。
記録に時間がかかって、眠れる時間が減っています。どこまで書けばよいか、優先順位を教えてください。
担当教員への伝え方の例(時間の目盛り)
学校の中と外の相談先は、看護学生が辞めたいと思ったときに一覧にしています。気持ちが追いつめられた夜のために、24時間の電話窓口として、厚生労働省の「まもろうよ こころ」に載っている#いのちSOS(0120-061-338)を、スマートフォンに入れておきます。
実習先での性的な言動でつらいときは、男女雇用機会均等法13条が参考になります。2026年10月1日に施行された規定で、求職活動その他の職業の選択に資する活動の中で、事業主が雇用する労働者の性的な言動によって、その活動が妨げられないよう、事業主は相談に応じ、適切に対応するための体制の整備などの措置を講じなければならないとされています。厚生労働省のリーフレットは、この対象に、看護実習などの実習を受ける人が含まれると説明しています。この規定が扱うのは性的な言動で、指導の厳しさなど、ほかの悩みは別の話です。どの言動が当たるかの判断は、この記事では書きません。学校の窓口や公的な相談先に事実を伝えて、一緒に確かめてもらいます。
声に出して話したくなる夜のために、窓口をそばに置いておこうね。
続ける・休む・やめるを考えるのは、眠れた日に
実習の途中で、続けるかどうかを決めようとすると、眠れていない日の気持ちに引っ張られやすくなります。続ける・休む・やめるの考え方は、上の記事に整理しているので、ここでは決める時期だけを書きます。決めるのは、少なくとも一晩、眠れたあと、実習の区切り(1クールの終わりなど)を待ってからにします。
実習を休むことや、単位の扱いは、学校ごとの規程で決まります。学生便覧で、欠席の届け方と、補習の実習があるかを確かめるのが先です。
つらい実習の経験は、あとで就職先を選ぶときの手がかりにもなります。「どんな指導の場なら話しやすかったか」「記録の量はどのくらいなら続けられたか」を書き留めておくと、看護学生の就職活動で志望動機を組み立てるときの材料になります。いまは材料を集めるだけで、使う時期は急がなくていい時期です。
今週できる、小さな備え
ここまでの内容を、今週の動きにすると、次のようになります。全部やる必要はなく、できそうな一つを選ぶだけで十分です。
つらさが重くて、これを読む余裕もないときは、読むのをやめて休んでください。続きは、休めたあとで間に合います。気持ちが追いつめられているときの相談先は、つらいときの窓口にもまとめています。
今夜は、記録より睡眠を先にしてもいいんだよ。おやすみ。
よくある質問
実習がつらくて、夜眠れません。どうすればよいですか?
睡眠ガイド2023は、十分眠れない、休養感がない、日中の眠気が強いといった症状が続いて日中の生活に影響があるときは、速やかに医師に相談するよう書いています。眠る時刻を先に決め、記録の範囲は担当教員に確かめる方法もあります。
実習指導者が怖くて、話しかけられません。どうすればよいですか?
直接話せないときは、担当教員や学校の窓口に、場面・時間・人のメモを見せて相談します。どの言動が問題かの判断は、この記事ではできません。性的な言動が関わる場合は、実習先の事業主に相談体制の整備などを求める規定(男女雇用機会均等法13条)があります。
実習を休むと、単位や評価に響きますか?
学校ごとの規程で決まり、一般的には言えません。学生便覧など、学校の案内で確かめてください。決める前に、担当教員に事情を伝えておくと、選べる道が分かります。
出典・参考(公的な情報)
- 健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
- 不眠症(e-ヘルスネット)(厚生労働省)
- 電話相談窓口|困った時の相談方法・窓口|まもろうよ こころ(厚生労働省)
- 男女雇用機会均等法 第13条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- リーフレット(詳細版):求職者等に対するセクシュアルハラスメント(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。