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看護師の老健と特養の違い。仕事内容・夜勤・きつさを比べる
更新 2026年10月23日読むのに約8分
この記事には広告(PR)を含みます。転職サービスは、順位を付けず、同じ書式で並べています。
老健と特養は、どちらも介護保険の施設ですが、法律が書いている目的も、夜勤の決まりも違います。条文と省令・告示の数字を並べて、看護師の仕事内容、夜勤、きつさが出やすい点を整理します。
老健と特養、名前は聞くけど、違いを説明するのは意外とむずかしいよね。
まずは法律の言葉から、ほぐしていこう。
条文に書かれた目的が、そもそも違う
介護保険法8条は、施設の種類ごとに定義を置いています(2026年10月時点の現行条文)。特養の正式な名前は「介護老人福祉施設」で、27項に定めがあります。老人福祉法20条の5の特別養護老人ホーム(入所定員30人以上)で、入所する要介護者に対し、施設サービス計画にもとづいて、入浴・排せつ・食事などの介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話を行うことを目的とする施設、とされています。
老健は「介護老人保健施設」で、28項です。要介護者のうち、主として心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営めるようにするための支援が必要な人(治療の必要の程度が厚生労働省令で定めるものに限る)に対し、施設サービス計画にもとづいて、看護、医学的管理の下における介護、機能訓練、その他必要な医療、日常生活上の世話を行うことを目的とする施設で、都道府県知事の許可を受けたもの、と書かれています。
言葉を並べると、特養は「日常生活上の世話、健康管理、療養上の世話」と、生活を支える言葉が中心です。老健は「居宅における生活を営めるようにするための支援」「看護、医学的管理の下における介護、機能訓練、必要な医療」と、居宅に向けた支援と医療的な関わりの言葉が入っています。この対比は、条文から読み取れるものです。
入所できる期間の上限は、介護保険法の条文にも、人員と運営の省令にも書かれていません。ただ、老健は目的に「居宅における生活を営むことができるようにするための支援」が入っているので、自宅や別の施設へ移る人が出て、入所と退所の手続きが続く職場になりやすいと言えます。特養は生活の場なので、同じ入所者さんと長く暮らしを共にする働き方になりやすいでしょう。実際の入れ替わりの速さは、施設に「月に何人くらい入退所があるか」と聞くと分かります。
入所の条件も、働く側にとっては、入所者さんの顔ぶれを想像する材料になります。特養は、厚生労働省の通知(2023年4月)で、2015年4月1日以降の入所が原則として要介護3以上に限られています。要介護1・2の人は、居宅での日常生活が困難なことについてやむを得ない事由がある場合に、特例入所となり、その運用には市町村の適切な関与が求められています。つまり特養は、介護の必要度が比較的高い人が中心になる、という見通しが立ちます。一方、老健の入所対象は、条文では、心身の機能の維持回復を図る必要がある要介護者で、治療の必要の程度が省令で定めるもの、とされています。
施設の数は、令和6年介護サービス施設・事業所調査で、2024年10月1日現在、特養が8,621施設、老健が4,214施設です。数だけを見ると特養のほうが多いのですが、1施設あたりの定員や看護職員の人数まで比べた数字ではないので、「求人が多いのはどちらか」までは言えません。
| 比べる点 | 特養(介護老人福祉施設) | 老健(介護老人保健施設) |
|---|---|---|
| 条文の目的 | 日常生活上の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話 | 居宅での生活に向けた支援。看護、医学的管理の下の介護、機能訓練、必要な医療 |
| 入所の対象 | 原則として要介護3以上(2015年4月以降)。要介護1・2は、やむを得ない事由がある場合の特例入所 | 主として心身の機能の維持回復を図る必要がある要介護者(治療の必要の程度は省令で定める) |
| 医師 | 健康管理と療養上の指導に必要な数 | 常勤換算で、入所者を100で除した数以上 |
| 看護・介護職員 | 介護職員と看護職員の総数が、入所者3人(端数ごと)に1人以上。看護職員は入所者30人以下で1以上、30人超50人以下で2以上、50人超130人以下で3以上 | 看護職員または介護職員が、入所者3人(端数ごと)に1人以上。看護は総数の7分の2程度が標準 |
| リハビリ職 | 機能訓練指導員が1以上(施設の他の職務と兼ねられる) | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、常勤換算で入所者を100で除した数以上 |
| 夜勤の職員(告示) | 夜勤をする介護職員または看護職員が、入所者25人以下で1以上、26〜60人で2以上、61〜80人で3以上、81〜100人で4以上 | 夜勤をする看護職員または介護職員が2以上(入所者40人以下で、いつでも緊急時の連絡体制があれば1以上) |
人員は常勤換算の「下限」です。夜勤は従来型の特養と一般的な老健の基準で、併設のショートステイの利用者も数に入ります。老健は、見守り機器などの要件を満たすと1.6以上でよく、病院などから転換した一部の老健には、夜勤の看護職員の数を定めた別の基準があります。実際の人数は施設ごとに違います。入所の取扱いは、厚生労働省の通知(2023年4月)にもとづく概要です。
数字は最低ライン。実際は施設で聞いてみよう。
看護師の仕事で、違いが出やすいところ
条文の言葉が違うからといって、「特養の看護は軽い」「老健の看護は重い」と決められるわけではありません。ただ、目的の違いは、看護師が日々の中で意識する場面の違いにつながりやすいと考えられます。次のような点を、見学で確かめてください。
- 老健:機能の維持回復と、居宅での生活への支援が目的に入っている。理学療法士などのリハビリ職の配置が、省令に書かれている。リハビリ職や医師と、どう連携して動くのかを、見学で聞きたい
- 特養:生活の場としての性格が条文に出ており、健康管理、療養上の世話が目的に入っている。入所者さんの健康管理で、介護職員とどう分担するのかを、見学で聞きたい
- どちらも:看護職員の数は下限で決まっているため、実際にどんな夜間・休日の体制になっているかは、施設の運営で違う
夜勤の決まりは、厚生労働省の告示(夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準)にあります。表のとおり、特養も老健も、夜勤の人数は「介護職員または看護職員」を合わせて数えます。つまり基準のうえでは、夜間に看護職員を置くことまでは求められていません(病院などから転換した一部の老健を除きます)。夜間に看護師がいない施設では、看護師が自宅で電話を受けて判断したり、駆けつけたりする形(オンコール)になりやすく、老健で看護師が夜勤に入る施設では、夜勤の回数が働き方を左右します。どちらの形かは施設で違うので、「夜勤に入るのか、オンコールなのか」を最初に聞いてください。基準より多く夜勤の職員を置いた施設を評価する夜勤職員配置加算という仕組みもあり、算定しているかを聞くと、夜間の手厚さの目安になります。
医師の配置も、数字の見え方に注意が要ります。老健は入所者100人あたり常勤換算1以上、特養は「必要な数」と書かれています。数字が違うからといって、日々の医師の関わり方が単純に決まるわけではありません。夜間や休日に、看護師が最初に判断して連絡する場面が多いのかどうかは、施設の約束事(オンコールや連絡体制)で変わります。
- 生活の場としての世話・健康管理
- 原則要介護3以上(2015年4月〜)
- 看護職員の下限は入所者数で段階的に増える
- 居宅での生活に向けた支援
- 医師・リハビリ職の配置が省令に定められている
- 看護職員は看護・介護職員の総数の中で「7分の2程度」が標準
上下ではなく、目的が違うんだね。
表が続いたから、ここで一息つこうか。
「きつい」と言われる理由を、分けて確かめる
「老健はきつい」「特養はきつい」という声は、どちらにもあります。どちらがきついかを一律には決められませんが、人員の下限と入所者さんの姿から、重くなりやすい所は見えてきます。
- 老健で重くなりやすい所:入所と退所が続き、そのたびに入所時の状態の確認、薬の整理、家族や在宅の担当者への連絡が発生する。看護職員の割合は総数の7分の2程度が標準で、医療的な管理と記録の量が多くなりやすい
- 特養で重くなりやすい所:看護職員の下限は入所者50人以下で2人と少なく、日中の健康管理を少人数で担う。原則要介護3以上の人が暮らすため、食事の飲み込みや床ずれなど、重い介護の場面での判断が多い
- どちらにも共通する所:夜間の看護職員が基準で求められていないため、夜の急な変化の判断が、オンコールの看護師1人に集まりやすい。施設で亡くなる方を見送る場面もある
反対に、老健はリハビリ職や医師が省令で置かれているので、相談相手がいる安心感があります。特養は同じ入所者さんと長くつきあえるので、暮らしの変化に気づく手応えがあります。きつさとやりがいは、裏表になっています。
入所者の状態の違いも、きつさに関わります。介護の必要度、認知症の程度、医療的な処置の頻度などで、同じ人数でも負担は変わります。施設の入所者の様子は、パンフレットだけでは分からないので、見学の際に、1日の様子を見せてもらえるか聞いてみてください。
施設をまとめて見たいときは、介護施設で働く看護師の仕事に、他の種類の施設も並べています。日中だけの通所を比べたいときはデイサービスの看護師、自宅で行う訪問看護との違いは訪問看護の転職を読んでください。志望動機の書き方は介護施設の志望動機にあります。
条文と数字を並べると、頭が重くなるよね。読み終えたところで、いったん肩の力を抜こう。
よくある質問
老健と特養では、看護師の夜勤はどう違いますか?
告示の夜勤の基準は、どちらも介護職員と看護職員を合わせた人数で決まっていて、夜間に看護職員を置くことまでは求められていません(病院などから転換した一部の老健を除きます)。看護師が夜勤に入る施設と、夜はオンコールで対応する施設があるので、どちらの形かと、月の回数を見学で聞くのが確実です。
特養は、要介護何から入れますか?
厚生労働省の通知(2023年4月)では、2015年4月以降の入所は原則として要介護3以上です。要介護1・2でも、やむを得ない事由がある場合は特例入所が認められます。看護師として働くうえでは、入所者の介護度の幅が、仕事の中身に関わります。
老健の看護職員は、7分の2と決まっていますか?
省令には、看護職員は看護職員と介護職員の総数の7分の2程度、介護職員は7分の5程度を、それぞれ標準とすると書かれています。必須の割合ではなく標準で、実際の人数は施設ごとに違います。
出典・参考(公的な情報)
- 介護保険法 第8条・第70条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 老人福祉法 第20条の5・第29条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第2条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準 第2条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号)(厚生労働省)
- 「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」の一部改正について(通知)(厚生労働省)
- 令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。