不調のサインと受診
看護師のカウンセリングの受け方。相談先の選び方と、最初の1回の流れ
更新 2026年10月23日読むのに約6分
話を聞いてもらいたいのに、どこへ連絡すればよいか分からないことがあります。ここでは、相談先を選ぶところから、最初の1回までの流れを、手順として整理します。
布団に入っても、考えごとが止まらない夜って、あるよね。
話す先を選ぶところから、ゆっくり考えてみよう。
相談先は、4つの入口から選べる
「カウンセリングを受ける」と考えると、どこかの専門の部屋へ行かなければならない気がして、足が止まることがあります。けれど、話を聞いてもらえる入口は、一つではありません。厚生労働省の資料で確認できる範囲で、大きく4つに分けて見ていきます。
担当する人の資格で、法律に定めがあるのは公認心理師です。公認心理師法2条は、登録を受けて、心理に関する支援を要する人の心理状態の観察・分析や、相談・助言などを行う人と定めています。登録を受けていない人は、この名称を使えません(44条)。主治医がいる人を担当するときは、その指示を受けることになっています(42条2項)。申し込む前に、担当者の資格と、費用・1回の時間を聞いておくと選びやすくなります。
- 職場の中:産業医や、勤め先の相談窓口
- 公的な電話・SNS:こころの耳、よりそいホットライン、#いのちSOS、こころの健康相談統一ダイヤル
- 地域の窓口:お住まいの都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センター、保健所
- 医療機関:精神科、心療内科、精神科クリニック、かかりつけの内科
職場の中では、労働安全衛生法13条により、常時50人以上の労働者がいる事業場は産業医を選びます。50人未満の事業場にも、医師などに労働者の健康管理を行わせるよう努める定め(13条の2)や、健康相談に応じられる体制を整えるよう努める定め(13条の3)があります。産業医は、治療をする主治医とは違い、労働者の健康管理に関わる医師です。
産業医に話した内容が、職場へどう伝わるかは、条文だけでは分かりません。話す前に、「どこまでが職場に伝わりますか」と聞いておくと安心です。ストレスチェックの結果から、面接指導につなげる流れもあります(ストレスチェックの仕組み)。
迷う場面ごとに、入口を決める
どの入口が合うかは、いまの状況で変わります。場面ごとに、目安を並べました。
- 今夜、つらくて眠れない:#いのちSOS(0120-061-338)やよりそいホットライン(0120-279-338)は、24時間のフリーダイヤルです
- 平日の夜か土日に、仕事のこととして話したい:こころの耳の電話相談(0120-565-455)やSNS相談
- 職場の中で動かせそうなことがある:産業医、勤め先の相談窓口
- 日常生活に支障が出ている:医療機関、または保健所・精神保健福祉センター
こころの耳は、厚生労働省のメンタルヘルスのポータルサイトで、働く人とそのご家族が対象です。病院で働く看護師も、働く人として当てはまると読めます。電話とSNSは平日の夜と土日の日中に開いていて、祝日・振替休日・年末年始(12月29日〜1月3日)は休みです。曜日ごとの時間と受付の締め切りは、メンタル相談窓口の一覧にまとめています。
電話とSNSのどちらを選ぶかは、話し方の好みで選べます。声に出すと泣いてしまいそうなとき、家族に聞かれたくないときは、文字で送れるSNS相談が向いていることがあります。反対に、文字にまとめるのがつらいほど疲れているときは、電話で聞き役に回ってもらうほうが楽な場合もあります。
電話の前に、言いたいことを3行だけメモしておくと、少し楽になるよ。
最初の1回までの流れ
- 入口を選ぶ場面で決める
- 3行書く状況のメモ
- 時間を確かめる受付時間・費用
- 連絡する電話かSNS
- 一つだけ決める次の一歩
全部を話せなくても、はじめの一言だけで、始められるよ。
最初の1回は、うまく話そうとするほど重くなります。流れを、小さな手順に分けておくと、動きやすくなります。
1番目は、入口を選ぶことです。迷うときは、上の場面別の目安から、いちばん近いものを選びます。あとから別の入口に変えることもできます。2番目は、状況を3行だけ書くことです。いつ頃からか、どんな場面でつらいか、眠れているか、食べられているか。この中から、話したいことを選びます。
3番目は、受付時間と費用を確かめることです。公的な電話・SNS相談は、受付時間が決まっています。医療機関は、予約が要るかどうかも先に調べます。4番目で、連絡します。電話が緊張するなら、SNS相談や、窓口の予約から始めます。5番目は、終わったあとに、次の一歩を一つだけ決めることです。もう一度相談する、職場の窓口に話す、受診の予約を入れる、など小さなもので足ります。
- いつ頃から:ここ2か月くらい、朝がつらい
- 眠り:寝つきが悪く、夜中に目が覚める
- 仕事:行けているが、帰ると何もできない
- いちばん伝えたいこと:休みの日も気持ちが戻らない
短い言葉で、いいんだよ。読み上げるだけでも伝わるからね。
受診を考える目安と、合わなかったとき
どの入口が合うか迷うときの目安として、こころの情報サイト(国立精神・神経医療研究センター)は、気分の落ち込みや、日常生活への大きな支障が続く場合は、自己判断せず、総合病院の精神科、心療内科、精神科クリニックなどに相談するよう案内しています。かかりつけの内科医や、保健所・精神保健福祉センターも利用できる、とあります。
眠りについては、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が、実践しても十分に眠れない、休養感が得られない、日中の眠気が強いといった状態が続き、日常生活に影響しているときは、医師に相談するよう書いています。眠りの整え方は眠れないときの整え方に置きました。
ここで、病名の見当をつけることはしません。診断は医師が行うもので、この記事は、相談先を選ぶ手順の紹介にとどまります。受診の窓口は、こころの耳の「全国医療機関検索」でも探せます。
相談してみて、合わないと感じることもあります。話しにくい、聞いてもらえた気がしない、という感覚は、その人や窓口との相性のこともあります。そのときは、別の入口に移る選び方もあります。一度で決める必要はありません。公認心理師などの相談で、主治医とのやりとりが必要な場面があることも、知っておくと戸惑いが減ります。
相談したうえで、仕事を休むことを考える場合は、休職を考えたときの流れに、順番をまとめています。不調のサインの全体像は、うつ病の割合の記事にあります。つらさが強いときは、このサイトのつらいときの窓口にも、窓口をまとめています。
番号は、いますぐかけなくていいからね。
控えておくだけでも、お守りになるよ。
よくある質問
看護師でも、こころの耳に相談できますか?
こころの耳の電話・SNS相談は、働く方やそのご家族、企業の人事労務担当者が対象です。対象は働く人なので、病院で働く看護師も当てはまると読めます。看護学生は対象外のため、学校の窓口などを探してください。
心療内科に行くか、迷っています。
気分の落ち込みや、日常生活への大きな支障が続くときは、自己判断せずに医療機関へ相談するよう、こころの情報サイトが案内しています。まずはかかりつけの内科や、保健所・精神保健福祉センターに話す道もあります。
職場の産業医に相談した内容は、上司に伝わりますか?
条文だけでは、伝わり方までは分かりません。話す前に、どこまでが職場に伝わるのかを、産業医や担当部署に聞いておくと安心です。
出典・参考(公的な情報)
- 電話相談窓口(まもろうよ こころ)(厚生労働省)
- 働く人の「こころの耳電話相談」(こころの耳(厚生労働省))
- 働く人の「こころの耳SNS相談」(こころの耳(厚生労働省))
- 労働安全衛生法 第13条・第13条の2・第13条の3・第66条の2・第66条の4・第66条の5・第66条の10(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働安全衛生法施行令 第5条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 精神保健福祉センターと保健所(e-ヘルスネット)(厚生労働省)
- うつ病(こころの情報サイト)(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
- 健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
- 公認心理師法 第2条・第42条・第44条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。