海外
看護師の海外就職。必要な資格・英語と、国ごとの登録の道筋
更新 2026年10月23日読むのに約6分
海外で働きたいと思ったとき、最初にぶつかるのは、日本の免許がそのまま使えるのかという疑問です。この記事では、国際的な免許がないという前提から、国ごとに確かめる順番と、日本の免許を示すときの書類を整理します。
海外で働くための免許が、世界共通じゃないって、知ってた?
知らなくても大丈夫。何から確かめるかを、順番に並べていこう。
世界共通の看護師免許は、ない
日本看護協会の案内には、世界共通で使える国際看護師免許はない、と書かれています。海外で働くには、その国の資格が必要で、その国の規制機関による試験や審査を受けます。日本の看護師免許を持っていれば海外で働けるかどうかは、国によって違います。働きたい国の看護の規制機関に、直接問い合わせるよう案内されています。
反対向きの話も、同じ考え方です。外国の免許を持つ人が日本で働くときは、海外の免許の有無にかかわらず、日本の看護師国家試験を受けて免許を取る必要があります。免許は、国ごとに閉じた仕組みです。
また、日本看護協会は、特定の留学斡旋会社・病院・学校は紹介していないと明記しています。この記事も、特定の会社は紹介せず、各国の規制機関の公式ページで確かめた内容だけを並べます。
国によって違うって聞くと、どこから手をつけていいか迷っちゃうね。
働くまでの関門は、4つに分けて考える
国が違っても、順番の考え方は似ています。確かめた2か国(オーストラリアとアメリカ)の公式の案内から、関門を4つに分けてみます。
- 資格の認定:その国の規制機関が、日本での教育や免許を評価して、登録や免許を出します。オーストラリアは Ahpra への登録、アメリカは州の看護規制機関の免許です
- 英語:オーストラリアは、承認された英語テストの最低点が決まっています。アメリカは、免許を出す州の看護規制機関(NRB)が要件を決めます
- 試験:アメリカは NCLEX-RN という試験を受けます。オーストラリアは、登録の申請の前に、Ahpra が資格を評価します
- 在留・就労の許可:渡航先の政府機関の手続きです。アメリカは、移民局(USCIS)の案内に、看護師のためのヘルスケア・ワーカーの証明があります
4つは、国ごとに、順番も中身も変わります。アメリカでは、確かめた限り、免許の手続きと、ビザ・移民の手続きは別のルートです。ほかの国でも、片方が通れば、もう片方も自動的に通るとは考えません。
- 国を決める働きたい国
- 規制機関に聞く公式ページ・問い合わせ
- 足りない条件を埋める資格・英語・試験
- 書類と日程を確かめる在留・就労の許可も
確かめる先は、いつも「その国の公式」だよ。
日本の免許を示す書類。英文の免許証明書
日本の看護師免許を海外で証明するには、厚生労働省の医政局医事課試験免許室が、英文の免許証明書を発行しています。対象は、看護師・助産師・保健師です。発行までに1か月ほどかかると案内されています。准看護師は、各都道府県に問い合わせます。申請には、免許証原本のコピーなどの書類の提出が求められます。
提出先・手順の詳細・費用は、日本看護協会のページには載っていません。問い合わせ先は、厚生労働省の代表(03-5253-1111)と案内されています。英文の証明書を、渡航先の規制機関がどの形で求めるかは、国ごとに違います。先に、渡航先の規制機関のページで、必要な書類の名前を確かめてから、申請します。
時間の見積もりは、国ごとに別々に立てます。たとえばオーストラリアは、Ahpra が就業予定日の少なくとも8週間前の申請を案内しています。英文の免許証明書は、発行まで1か月ほどかかると案内されています。ただし、オーストラリアの申請でこの証明書が要るのか、別の書類を求められるのかは、確かめられていません。英語テストの受験や結果を待つ時間も、別に要ります。足し算は、規制機関に書類の名前を確かめてからにします。
主な国の規制機関と、最初の手続き
| 国 | 規制機関 | 最初の手続き(公式ページの案内) |
|---|---|---|
| オーストラリア | NMBA・Ahpra | NMBA のオンライン自己チェックと資格の評価のあと、Ahpra に登録を申請 |
| アメリカ | 各州の NRB | 州の NRB に申請して受験資格を得て、NCLEX を受ける |
| 英国 | NMC | 能力試験(コンピューター試験 CBT と、英国内で受ける実技試験 OSCE) |
| カナダ | NNAS と各州の規制機関 | 海外で教育を受けた看護師の資格審査サービス NNAS が最初の一歩 |
| ニュージーランド | Nursing Council of New Zealand | オンラインの理論試験と、クライストチャーチでの実技試験 OSCE |
| シンガポール | Singapore Nursing Board | 入院設備のある医療機関の採用内定が前提。申請は雇用主の人事が行う |
2026年10月23日に各機関の公式ページで確かめた概要です。条件は改定されるため、申請の前に公式ページで確かめてください。
国によって、最初の扉の場所がちがうんだね。
シンガポールは、本人が先に登録を申し込む形ではなく、採用の内定を出した医療機関の人事が登録を申請する形で、過去5年以内に母国で臨床経験があることなどが条件に挙がっています。英国の実技試験は英国内の指定の会場でだけ受けられ、ニュージーランドの実技試験もクライストチャーチの1か所です。渡航の回数と時期が、国ごとに変わります。
オーストラリアでは、海外で資格を取った看護師・助産師は、看護助産委員会(NMBA)のオンラインの自己チェックを行い、資格の評価を受けたうえで、Ahpra の登録申請のポータルから申請します。英語は、承認されたテストの最低点が決まっています。詳しくは、オーストラリアで働く看護師の登録と英語の基準にまとめました。
アメリカでは、免許を取りたい州の看護規制機関に申請して受験資格を得て、NCLEX を受ける流れです。就労のための手続きは、これとは別に、移民局の要件があります。詳しくは、アメリカで看護師になるための試験と手続きにまとめました。表にない国も、その国の看護の規制機関の公式ページで、同じ4つの関門を確かめます。
雇われて働く(各国の資格)
その国の規制機関で、審査や試験を受けて登録・免許を得ます。英語や書類の条件は国ごとに違います。
協力隊として派遣される
JICAの看護師の職種は、日本の看護師の国家資格が必要で、実務経験は派遣時点で3年以上が目安です。仕組みは海外ボランティアの参加方法に。
規制機関への問い合わせは、質問を決めてから
働きたい国が決まったら、その国の看護の規制機関の公式ページを読み、足りないところを問い合わせます。何を聞くかを先に決めておくと、返事を待つ時間が無駄になりません。確かめる項目は、おおよそ次のとおりです。
- 日本で受けた看護教育と、日本の免許は、評価の対象になるか
- 登録や免許の申請に必要な書類の名前と、提出の期限
- 英語の証明が必要か。必要なら、受け入れられるテストと最低点
- 試験や審査が必要か。必要なら、受験の資格と、手続きの順番
- 在留・就労の許可を、誰がどの窓口で手続きするのか
- 条件が最近改定されていないか。改定があるなら、いつの受験・申請から変わるのか
問い合わせた日付、相手の部署、返事の内容は、メモに残しておきます。留学や就職の斡旋の説明と、規制機関の公式の説明が食い違ったときは、公式の説明のほうを確かめ直す材料にします。日本の窓口に聞くことと、渡航先に聞くことも、混ぜないようにします。日本の免許の証明は厚生労働省、現地の登録や試験は現地の規制機関、という分け方になります。
難しい話が続いたけど、全体の地図はもうそろっているよ。
気になる国が決まったら、その国の公式ページを開くところから、始めようね。
よくある質問
日本の看護師免許で、海外でも働けますか?
国によって違います。世界共通で使える国際看護師免許はなく、その国の資格が必要です。働きたい国の看護の規制機関に、直接問い合わせてください。
英文の免許証明書は、どこで発行してもらえますか?
看護師・助産師・保健師は、厚生労働省の医政局医事課試験免許室が発行します。発行までに1か月ほどかかると案内されています。准看護師は、各都道府県に問い合わせます。
どの国から調べればよいですか?
英語の試験の点数、渡航できる回数、雇用主が手続きをする国かどうかで、向く国が変わります。この記事の早見表で6か国の最初の手続きを比べ、気になる国の規制機関の公式ページを1つ開くところから始めます。
出典・参考(公的な情報)
- 看護に関するよくあるご質問(国際情報)(公益社団法人 日本看護協会)
- 英文看護師等免許証の発行手続きについて(公益社団法人 日本看護協会)
- Accepted English language tests(Ahpra)
- Information for international practitioners(Ahpra)
- Register(NCLEX の登録)(NCSBN(NCLEX))
- Health Care Worker Certification(米国市民権・移民局(USCIS))
- Test of Competence:OSCE(英国内の実施機関3か所)(Nursing and Midwifery Council(英国))
- National Nursing Assessment Service(NNAS)(NNAS(カナダ))
- Competence assessment process(internationally qualified nurses)(Nursing Council of New Zealand)
- Foreign Trained Nurses / Midwives(Singapore Nursing Board)
- 看護師(JICA海外協力隊の職種)(JICA海外協力隊)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。