年収・給与水準
看護師の主任・師長の年収は?給与の目安と、役職が上がるときの変わり方
更新 2026年10月23日読むのに約6分
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役職に就くと給与がどう変わるかは、調査ごとに数字の意味が違うため、並べて読む工夫が要ります。この記事では、早見表と、主任・師長になる前後で確かめることをまとめます。
役職のお給料って、気になるけど、なかなか聞けないよね。
公的な調査の数字から、読めるところだけ見ていこう。
早見表:人事院と日本看護協会の数字を並べて読む
役職別の給与は、調査によって、聞き方も対象も違います。この記事では、2つの調査を使います。人事院の「令和7年職種別民間給与実態調査」は、企業規模100人以上の民間事業所の、令和7年4月分の「きまって支給する給与」(基本給、夜勤手当、通勤手当、時間外手当など、月ごとに支給されるすべての給与)です。看護師長は「部下に看護師又は准看護師が5人以上」、総看護師長は「部下に看護師長が5人以上」の職位と定義されています。
もう一つの、日本看護協会の「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」の個人調査は、会員から無作為に抽出した人への調査で、年収は2024年1〜12月の額(源泉徴収票の支払金額)です。調査全体の回答は5,575人(回収率37.2%)で、年収の数字はそのうち、正規雇用フルタイムの病院勤務者の分です。全国の看護師の代表値ではありません。
| 職位 | 人事院:月額(令和7年4月) | 日本看護協会:年収(2024年) |
|---|---|---|
| スタッフ(看護師) | 37.97万円 | 526.3万円 |
| 主任・副看護師長相当 | (該当の区分なし) | 632.5万円 |
| 看護師長(相当) | 45.60万円 | 677.3万円 |
| 副看護部長相当 | (該当の区分なし) | 762.7万円 |
| 総看護師長/看護部長・副院長相当 | 55.18万円 | 818.1万円 |
人事院は月額で、夜勤手当・時間外手当を含む。日本看護協会は会員調査の病院勤務者の平均年収。職位の定義も調査で違い、同じ行でも同じ人たちではありません。
左と右は別の調査だから、行をまたいで引き算はしないでね。
人事院の月額は、総看護師長551,806円(平均55.1歳)、看護師長455,988円(49.0歳)、看護師379,708円(39.0歳)です。ここで大事なのは、平均年齢が違う点です。職位の差には、年齢や経験の差も混ざっています。令和8年4月分では、総看護師長566,250円、看護師長477,177円、看護師404,673円でしたが、調査の範囲(企業規模)が令和7年と違うため、前の年との差は読みません。
日本看護協会の年収は、スタッフ(非管理職)が5,263,336円、主任・副看護師長相当が6,325,238円、看護師長相当が6,772,566円、副看護部長相当が7,626,719円、看護部長・副院長相当が8,180,594円でした。回答者の構成が病院・年齢・地域で違うため、個人に当てはめる数字ではありません。
主任・師長になると、年収はどれだけ違うのか
日本看護協会の調査の平均で、スタッフとの差を計算すると、主任・副看護師長相当が約106万円、看護師長相当が約151万円、副看護部長相当が約236万円、看護部長・副院長相当が約292万円の高さです(筆者計算)。ただし、これは役職が就いたあとの人たちの平均で、同じ人が昇進して増えた額ではありません。「師長になると、年収が〇万円上がる」とは読めません。
年齢の影響も入っています。同じ調査の、病院勤務者の年齢階級別の平均年収は、35〜39歳で564.9万円、45〜49歳で605.5万円、55〜59歳で677.4万円と、役職のあるなしにかかわらず、上がっていきます。役職の差を見るときは、年齢の差を一緒に頭に置きます。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)でも、役職の影響が確かめられます。看護師・男女計の「きまって支給する現金給与額」は36万5,900円、賞与は85万6,400円ですが、役職者を除くと35万3,300円と80万6,100円です(月給で1万2,600円、賞与で5万300円の差)。この調査の「看護師」には看護師長が含まれるため、役職者の給与が平均を押し上げています。なお、役職者を除く表は、雇用期間の定めがある労働者も除いているので、役職者の割合を示す数字ではありません。
上がる・上がらないより、先に、何が変わるのかを知りたいよね。
管理職手当と時間外手当。年収が思ったほど増えない場面
管理職になると、手当の中身が変わります。日本看護協会の病院調査(2024年度)では、看護師長相当職の管理職手当が「ある」病院は75.0%で、手当がある病院の平均は49,588円でした。算定方法は、「定額(等級によらず一律)」が62.3%、「定額(等級によって異なる)」が27.0%、「基本給などの定率」が7.0%です。副看護部長相当職は、手当が「ある」のが55.8%で、平均64,608円でした。
一方で、時間外手当の扱いは分かれます。看護師長への時間外手当が「支給対象である」病院は、46.1%でした。人事院の令和7年4月分では、時間外手当(超過勤務・休日・宿日直・裁量の各手当)の平均が、看護師41,903円、看護師長38,825円、総看護師長20,008円と、職位が上がるほど少なくなっています。夜勤手当は、この時間外手当には含まれません。
つまり、役職に就いて管理職手当が付いても、時間外手当や夜勤の手当が変わる分があれば、年収の増え方は小さくなる場合があります。逆に、手当がしっかり付く職場もあります。どちらなのかは、平均では分かりません。打診を受けたときに、昇格前後の内訳を、数字で並べて確かめるのが確実です。
- 昇格前:基本給+夜勤手当+時間外手当+その他の手当
- 昇格後:基本給(等級が上がる場合)+管理職手当+夜勤手当+時間外手当(支給対象か)+その他の手当
- 年に直した賞与の変わり方(算定のもとの額と月数)
昇進の打診を、受けるか断るか迷うときの考え方は、昇進を断りたいときの考え方で扱います。ここでは、給与の面から、迷う材料を整えるところまでにとどめます。
打診を受けたときに確かめる順番と、役職以外の上がり方
昇格後の管理職手当の額と、時間外手当が支給対象になるかどうかを、賃金規程の該当の箇所で確認させていただけますか。
打診を受けたときに、給与の扱いを聞く例
役職以外にも、年収が上がる道があります。同じ日本看護協会の個人調査では、専門看護師・認定看護師の資格を活かした役割の平均年収が6,584,608円、特定行為研修を修了しその研修を活かした役割が6,248,134円でした。管理職として組織を動かす道と、専門性を活かす道は、別の道筋です。手当や資格、転職を含めた比べ方は、収入を上げる働き方の比べ方にまとめました。
また、日勤のみに切り替えたときの給与の見方は、日勤のみの給料の見方で扱います。役職の道を選ぶか、働き方で整えるかは、いまの体調と暮らしに合わせて決めます。
師長の手当は、残業代とセットで見るんだね。
迷いが出たら、また戻っておいで。
よくある質問
看護師長の年収は、いくらくらいですか?
日本看護協会の2024年度の会員調査では、病院勤務の看護師長相当職の平均年収は約677万円でした。会員の回答者の平均で、病院・年齢・地域で違うため、個人に当てはめる数字ではありません。
主任になると、年収はどのくらい上がりますか?
日本看護協会の会員調査で、主任・副看護師長相当の平均年収はスタッフより約106万円高く出ていますが、昇進した人が増えた額ではなく、年齢や勤続の差も含みます。自分の場合は、昇格後の内訳を書面で確かめてください。
管理職になると、残業代はつきませんか?
看護師長への時間外手当が支給対象の病院は46.1%という調査があります(日本看護協会、2024年度)。病院で分かれるため、賃金規程や条件の書面で確かめてください。
出典・参考(公的な情報)
- 民間給与の実態(令和7年職種別民間給与実態調査の結果)(人事院)
- 令和8年人事院勧告 各種調査等の結果詳細(民間給与関係)(人事院)
- 2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書(公益社団法人 日本看護協会)
- 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況(厚生労働省)
- 令和7年賃金構造基本統計調査(職種)第1表:看護師の月給・賞与(e-Stat(厚生労働省))
- 令和7年賃金構造基本統計調査(職種)第3表:役職者を除く看護師(e-Stat(厚生労働省))
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。