年収の分布
看護師の年収の中央値と分布。平均より低いと感じたときの確かめ方
更新 2026年10月23日読むのに約6分
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看護師の所定内給与(月額)の中央値は32万1,500円で、平均の33万3,200円より約1万2千円低くなっています。平均より低いと感じたときに、分布のどこに自分がいるかを確かめる手順を整理します。
ほかの看護師さんのお給料、やっぱり気になるよね。
その平均が、だれの何を測った数字なのか、先に見ておこうか。
平均より中央値のほうが、真ん中の人に近い
平均は、少数の高い給与に引っぱられて上に出やすい数字です。真ん中の人の給与を知りたいときは、全員を低い順に並べたときにちょうど真ん中に来る値、つまり中央値(統計では中位数)を見ます。
令和7年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)は、看護師の所定内給与額の分布を公表しています。対象は10人以上の民営事業所の一般労働者(フルタイム)で、令和7年6月分の月額です。所定内給与額は、時間外・深夜・休日・宿日直・交替の手当を除いた額で、税や保険料を引く前の額です。この分布では、看護師の中位数は32万1,500円、平均は33万3,200円でした。平均のほうが約1万2千円高く、高い側に長い裾がある分布です(筆者計算)。
年収の中央値は、公表されていません。年収は、月額×12に賞与を足して計算するのが一般的ですが、分布が公表されているのは月額だけで、賞与の分布はないためです。平均で計算した年収(約525万円)や、ほかの調査の平均年収は、看護師の年収の平均と調査の見方にまとめています。この記事では、月額の分布から自分の位置を確かめます。
月額の幅ごとに、何割の看護師がいるか
同じ分布の表から、所定内給与額の幅ごとの人数の割合を出すと、次のようになります(筆者計算)。
| 月額の幅 | 人数の割合 | 下からの累計 |
|---|---|---|
| 24万円未満 | 約6.5% | 約6.5% |
| 24万〜28万円未満 | 約19.2% | 約25.7% |
| 28万〜32万円未満 | 約23.5% | 約49.2% |
| 32万〜36万円未満 | 約19.3% | 約68.5% |
| 36万〜40万円未満 | 約14.2% | 約82.7% |
| 40万円以上 | 約17.3% | 100% |
令和7年賃金構造基本統計調査 職種第17表(10人以上の民営事業所・一般労働者・令和7年6月分)から筆者計算。時間外などの手当と賞与を含みません。
28万〜32万円の幅に、いちばん多くの人がいるんだね。
表を下から見ると、月額32万円未満までで約半分、28万円未満までで約4分の1です。統計の区切りで言うと、下から4分の1の位置(第1四分位)は27万8,800円、4分の3の位置(第3四分位)は37万6,700円でした。下から1割の位置は25万700円、上から1割の位置は43万1,900円で、同じ看護師でも月額に約18万円の幅があります。
企業規模(病院の病床数ではなく、法人全体の常用労働者数)で分けた中位数は、1,000人以上が33万4,200円、100〜999人が31万5,300円、10〜99人が30万8,300円です。規模が大きいほど中位数は高めですが、差は月2万6千円ほどで、それぞれの中の幅(下から1割と上から1割の差は約18万〜20万円)のほうがずっと大きくなっています(筆者計算)。勤め先の規模だけで、自分の位置は決まらないということです。
経験年数別(同調査、所定内給与額の平均)では、経験1〜4年が304,700円、5〜9年が314,800円、10〜14年が326,500円、15年以上が358,600円です。経験1〜14年の間は増え方が小さく、15年以上で大きくなります。賞与は、経験0年(1年未満)の平均が114,100円で、15年以上は1,007,700円です。賞与の算定期間の途中で入職した人が多いことが一因とも考えられますが、統計に理由の記載はありません。特定の職場の制度を示す数字ではありません。
分布の表に、自分の月額の行を探してみよう。上から何割かが見えるよ。
自分の位置を、分布の表で確かめる4つの手順
分布の表と比べるときは、自分の数字を、表と同じ物差しにそろえることが先です。手順は4つです。
- 月額をそろえる時間外などを除く
- 表に当てはめる下から何割か
- 近い人と比べる経験・規模・役割
- 差を分ける基本給・手当・賞与
年に1回、同じ手順で見ればいいよ。
- 6月分などの給与明細から、時間外手当・深夜や交替の手当を除いた月額を出す。病院の定額の夜勤手当が統計でどちらに入るかははっきりしないため、夜勤手当を含めた額と除いた額の両方を書いておく
- その月額を、分布の表に当てはめる。たとえば30万円なら、30万円未満の人が約37.5%なので、下から4割弱の位置です(筆者計算)
- 経験年数や勤め先の規模が近い人の数字(経験年数別の平均、規模別の中位数)と見比べる
- 差が出たときは、基本給・手当・賞与のどこの差かを分ける。賞与は分布に入っていないので、別に見る
役割の違いも、そろえて見ます。日本看護協会の2024年度調査(病院勤務の正規雇用フルタイム、会員の回答)では、年収の平均は、スタッフが約526万円、主任・副看護師長相当職が約633万円、看護師長相当職が約677万円でした。病院や年齢の構成が違う回答者の平均で、役割が上がると、この額になるという意味ではありません。
平均より低いと感じたとき、次に見る所
今の職場で確かめること
賃金表・昇給・賞与・手当の決まりを、就業規則や賃金規程で読みます。日本看護協会の2024年度調査(回答した病院の集計)では、賃金表がある病院は75.0%、そのうち公開している病院は54.0%でした。
ほかの条件と比べること
求人を見るときは、月給・夜勤手当・賞与の月数・退職金・昇給の仕組みを分けて見ます。内訳の読み方は高収入求人の見方にまとめています。
年収を月の暮らしの感覚に引き直すと、手取りになります。月額ごとの手取りは看護師の手取りの早見表に、給料が安いと感じたときの確かめ方は給料が安いと感じたときにあります。
低いと感じたときに、先に疑いたい「比べ方のずれ」が3つあります。1つ目は、比べている額の種類です。統計の所定内給与額は、時間外などの手当を除いた額なので、手当を含む総支給や、手取りと比べると、ずれて見えます。2つ目は、年齢と経験です。看護師の平均年齢は42.1歳なので、20代の人が平均と比べると、低く出るのは自然なことです。3つ目は、働き方です。夜勤の回数や、短時間の勤務かどうかで、月額は大きく変わります。分布の表は、フルタイムの一般労働者の数字です。
この3つをそろえても、同じ経験年数・同じ規模の人の中で下の方にいるなら、賃金表や昇給の仕組みを確かめる意味があります。条件を比べる前に、辞めたい気持ちの理由が収入なのか、別のことなのかを分けておくと、見る所が絞れます。
平均は、ものさしの1つ。自分の数字を知っておくだけで、少し落ち着けるね。
よくある質問
看護師の給与の中央値は、いくらですか?
令和7年賃金構造基本統計調査では、10人以上の民営事業所で働くフルタイムの看護師の所定内給与額(時間外などの手当を除いた月額)の中位数が32万1,500円でした。平均の33万3,200円より低い値です。年収の中央値は公表されていません。
月30万円未満の看護師は、どのくらいいますか?
同じ調査の所定内給与額の分布から計算すると、月30万円未満は約37.5%です(筆者計算)。時間外などの手当や賞与を含まない月額で、手当を含む総支給とは違います。
平均年収より低いと、給料が安いということですか?
平均は、年齢・勤続・勤務先の規模・夜勤の回数が違う人をまとめた数字です。低いことが、そのまま給料の水準の不当さを示すわけではありません。基本給・手当・賞与のどこに差があるかを、明細と規程で確かめるのが先です。
出典・参考(公的な情報)
- 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況(厚生労働省)
- 令和7年賃金構造基本統計調査 職種第1表(月額・賞与)(厚生労働省(e-Stat))
- 令和7年賃金構造基本統計調査 職種第17表(所定内給与額の分布)(厚生労働省(e-Stat))
- 令和7年賃金構造基本統計調査 職種第14表(経験年数階級別)(厚生労働省(e-Stat))
- 2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書(公益社団法人 日本看護協会)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。