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年収・給与水準

看護師の給料が安い・上がらないと感じたら。平均の分布と昇給の仕組み

更新 2026年10月23日読むのに約7分

この記事には広告(PR)を含みます。転職サービスは、順位を付けず、同じ書式で並べています。

給料が安い、上がらない。そう感じたときは、平均や分布と定義をそろえて比べ、昇給の仕組みを知ると、次の一歩が決めやすくなります。この記事では、比べ方と昇給・ベースアップの決まり方を整理します。

安いなって思う気持ちには、ちゃんと理由があるはずだよ。

でも、モヤモヤのまま動くのは、少し心配かも。

最初に、「安い」と感じた場面をひとつ決める

「安い」と感じるきっかけは、人によって違います。同僚や友人の話、求人サイトの金額、ネットで見かけた平均の数字、あるいは仕事の量や責任との釣り合いかもしれません。きっかけを一つ決めて書き出すと、何と比べて安いのかが見えてきます。

「安い」の中身を、先に仕分ける

金額なのか、仕事量との釣り合いなのか、分けて考えよう。

日本看護協会の「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」(会員への個人調査。回答した会員の集計で、全国の代表値ではありません)では、賃金額に「満足」と答えた病院勤務者は11.8%、「不満」は64.2%でした。訪問看護ステーション勤務者は、満足23.6%、不満51.2%です。同じ調査で、病院勤務者が「不満」と答えた割合が高かったのは、業務量56.2%、業務内容51.8%、他業種も含めた同年代・同性の平均的給与との比較50.4%でした。

この数字は、調査の質問に対する会員の回答の割合です。「看護師の6割が給料に不満」と一般化することはしません。ただ、不満の中身が、金額だけでなく、業務量や業務内容との釣り合いにも向いていることは、読み取れます。自分の「安い」が、金額の問題なのか、仕事量の問題なのかを分けておくと、あとの確かめ方が変わります。

給与明細を3つに分けて、同じ定義の数字と並べる

明細は、基本給、手当、賞与の3つに分けます。そのうえで、並べる相手の数字の定義をそろえます。調査ごとに、含まれる手当が違うからです。

  • 基本給と固定の手当の合計(時間外・深夜を除く):賃金構造基本統計調査の「所定内給与額」に近い定義。令和7年の看護師は平均33万3,200円
  • 総支給額(残業や夜勤の手当を含む):「きまって支給する現金給与額」に近い定義。同じく平均36万5,900円で、差の3万2,700円は時間外・深夜・休日・宿日直・交替の各手当にあたる超過労働給与額
  • 基本給だけ:日本看護協会の「基本給与額」に近い。新卒(大卒)の平均は221,883円、勤続10年・31〜32歳・非管理職は254,286円(2025年度)

定義が違う数字を並べると、実際は同じ水準でも、安く見えたり高く見えたりします。総支給額を所定内給与額の平均と比べると、残業や夜勤の手当の分だけ高く出て、基本給だけを総支給の平均と比べれば、安く見えます。辞めるかどうかを考える段階で、明細のどこから確かめるかの順番は給料が理由で辞めたいときにまとめています。

給料が安いと感じた日の、確かめメモ
  • 1 何と比べたか:同僚/友人/求人/ネットの数字
  • 2 明細の内訳:基本給・手当・賞与を分けて書く
  • 3 数字の定義:基本給のみか、総支給か、年収か
  • 4 規程の確認先:賃金規程と就業規則の昇給・賞与の欄
  • 5 次の一歩:聞く/調べる/動く、のどれか

書けた項目からでいいよ。

平均と並べる目的は、幅を知ること

令和7年賃金構造基本統計調査(民営事業所10人以上の一般労働者の看護師。賞与を含まない所定内給与額)の分布は、第1十分位が25万700円、第1四分位が27万8,800円、中位数が32万1,500円、第3四分位が37万6,700円、第9十分位が43万1,900円です。最も低い側と高い側の間に、約18万円の幅があります(筆者計算)。平均の33万3,200円は、中位数よりやや高く、高い側に長い裾がある分布です。

これは、平均より低いか高いかで、自分を評価するための数字ではありません。同じ看護師の中に、これだけの幅があると知るための材料です。「下位○%」といった、個人への当てはめは、この数字ではできません。

幅を作る要因も、いくつかあります。企業規模で見ると、所定内給与額の中位数は、1,000人以上が33万4,200円、100〜999人が31万5,300円、10〜99人が30万8,300円です。地域では、都道府県別のきまって支給する現金給与額が、東京都40万7,800円、宮崎県30万7,900円と、約10万円の差があります(筆者計算)。物価や家賃は、この数字に反映されていないため、暮らしの余裕は別に考えます。設置主体や病床規模は職場の種類別の年収で、全体の平均の見方は看護師の平均年収で扱っています。

真ん中の人で32万円台。幅があると分かると、少し落ち着くね。

上がらないと感じたら、昇給と賞与の決まりを読む

経験年数ごとの平均で見ると、令和7年の所定内給与額は、1〜4年が30万4,700円、5〜9年が31万4,800円、10〜14年が32万6,500円と、増え方が緩やかです。ただし、これは違う人たちの平均で、同じ人の昇給の記録ではありません。自分の給料が上がらない理由は、勤め先の昇給の決まりの中にあります。

日本看護協会の病院調査(2024年度。回答した病院の集計)では、年齢や勤続年数に基づく昇給が「ある」病院が75.0%、人事評価に基づく昇給(非管理職)が「ある」病院が43.4%でした。賃金表がある病院は75.0%で、そのうち公開しているのは54.0%です。個人調査では、定期的な昇給が「ある」病院勤務者が64.6%、定期昇給の額に「満足していない」が50.7%でした。

厚生労働省の「令和8年賃金引上げ等の実態に関する調査」では、賃金の改定(定期昇給、ベースアップ、手当の改定などを含む)の1人平均の額は、医療,福祉で8,540円・3.3%、全産業で13,926円・4.4%でした。これは、全職種の企業の平均で、看護師の昇給額ではありません。

診療報酬のベースアップ評価料を算定している病院は73.2%で、その配分は、対象者に一律同額が45.8%、同率が23.4%、職種や経験年数で差をつけるが20.8%と、病院で分かれます(日本看護協会、2024年度)。自分の病院が算定しているか、どう配分しているかは、病院に確かめる項目です。常時10人以上の労働者がいる職場は、賃金の決め方・計算・支払の方法と、昇給に関する事項を、就業規則に書くことになっています(労働基準法89条)。

平均と比べて低かった場合

法人の規模、設置主体、地域、勤続年数の違いを疑う。基本給の定義がそろっているかも見る。

昇給や賞与が決まらないと感じる場合

賃金規程の昇給・賞与の定めと、評価の仕組みを読む。人事の窓口で、決め方を聞ける場合がある。

動く前に、転職の数字と相談できる場所を知っておく

転職で賃金が上がる人もいれば、下がる人もいます。公的な数字と比べ方は看護師の転職と年収にまとめているので、ここでは、上がるとは限らないことだけ押さえておきます。手取りに直して比べるときは手取りと給与明細の見方が使えます。

転職先を比べるときは、月給、夜勤手当の内訳、賞与の月数、昇給の仕組み、退職金、通勤・住宅などの手当、勤務時間と休日を、同じ項目で並べます。平均の数字は、個別の求人の条件ではありません。賃金規程の読み方や、賃金の支払いに疑問があるときは、都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。

確かめる順番を、ひとつずつ進める

毎日のお仕事、ほんとうにおつかれさま。

確かめた分だけ、選べることが増えていくよ。

よくある質問

看護師の給料が安いのは、普通のことですか?

平均と比べて高い・低いは、定義をそろえないと決められません。令和7年の所定内給与額の分布には約18万円の幅があります。まず自分の明細を基本給・手当・賞与に分けて、並べる数字を確かめてください。

給料が上がらないとき、まず何を確認すればよいですか?

賃金規程と就業規則で、昇給の定め(年齢・勤続か、評価か)と、賞与の定めを確かめます。賃金表があるか、公開されているかも、人事の窓口で聞ける項目です。

ベースアップ評価料で、給料は上がりましたか?

日本看護協会の2024年度の調査では、ベースアップ評価料を算定している病院が73.2%で、配分は一律同額が45.8%など病院で分かれていました。自分の病院が算定しているか、どう配分しているかは、病院に確かめる項目です。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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