心とからだのケア
看護師が続けやすい運動の習慣。夜勤のある暮らしで選ぶ早見表
更新 2026年10月23日読むのに約6分
運動は、がんばるほど続かなくなることがあります。夜勤や立ち仕事のある暮らしでも、無理なく続けやすい運動の選び方と、やめどきの目安を整理します。
運動って聞いて、ちょっと身構えなかった? 今日は、ゆるい話だよ。
運動の前に、眠りと食事を先に決める
忙しい毎日で、運動の時間を作るのは簡単ではありません。時間を割く前に、順番を見直します。夜勤のある暮らしでは、まず眠ること、次に食べること、そのあとに運動、が基本の並びです。眠れていない状態で運動を足すと、かえって疲れが残ることがあるからです。
眠りの整え方は、看護師の睡眠改善チェックリストと、夜勤で眠れないとき、整えたい習慣と相談の目安にまとめています。運動は、それらが少しでも整ってから、足していきます。眠れていない週は、運動をいったん休むことも、立派な選択です。
もうひとつ、最初に確認したいのが、からだの状態です。持病がある、膝や腰に痛みがある、妊娠中、通院中などの場合は、運動を始める前に、通院先の医師や、勤め先の健康相談の窓口に相談します。この記事の内容は、診断や医療的な判断ではなく、無理のない範囲での、一般的な考え方です。
勤務パターン別の、運動の選び方早見表
看護師の運動は、勤務の形で、選ぶものが変わります。日勤は夕方以降に時間がありますが、夜勤の前後は、眠りを優先します。次の表は、場面ごとの選び方の例です。自分の生活に合わせて、書き換えて使ってください。
| 場面 | 選びやすい運動の例 | ひと言の注意 |
|---|---|---|
| 日勤の日の帰り道 | 一駅ぶん歩く・階段を使う | 疲れが強い日は、やらない |
| 日勤の休憩中 | ふくらはぎを伸ばす・足首を回す | 患者さんの前では行わない |
| 夜勤に入る前 | 短いストレッチ・軽い散歩 | 仮眠を削らない |
| 夜勤明けの日 | 運動より、まず眠る | 眠れないときは、無理に動かない |
| 連休・休日 | 散歩・軽い筋トレ・ヨガなど | 寝不足の日は、強度を下げる |
運動の強さや時間は、体調に合わせて調整します。痛みや不調があれば、中止して医療機関へ。
表は、自分の生活に合わせて書き換えていいよ。
表の読み方を、先に説明します。「運動」と書いてありますが、特別なことは求めていません。階段を使う、一駅歩く、休憩中にふくらはぎを伸ばす、といった、生活の中に混ぜられるものが中心です。時間は、数分から始めます。「やった」という感覚が作れれば、それで足ります。
夜勤明けの欄に「運動より、まず眠る」と書いたのは、明けの日に運動を足すと、眠りが後ろにずれやすいためです。眠れた日のあとに、散歩などを足すほうが、続きやすくなります。連休には、普段できない運動を足すこともできますが、寝不足の日は、強度を下げます。
立ち仕事で、足がむくむ日が続く場合は、運動の選び方より先に、靴や休憩の取り方を見直したほうがよいことがあります。足の疲れについては、足のむくみ・疲れへの対処に別にまとめました。
働き方によっても、選び方は変わります。日勤だけの人は、決まった時間帯に運動を置きやすい反面、疲れが強い日の逃げ場がなくなります。夜勤のある人は、時間帯が不規則なので、時間ではなく、「勤務の何の直後か」で決めるほうが続きます。子育て中の人は、まとまった時間を取りにくいので、家事の合間に混ぜられるものが向きます。通勤が長い人は、乗り物の中で足首を回すなど、移動時間を使う形が選べます。
一人で行うか、誰かとするかも、続けやすさに関わります。一人なら、気分に合わせて時間を決められます。誰かと一緒なら、約束があるぶん、続きやすくなります。ただし、約束が負担になる場合は、一人に戻しても大丈夫です。屋内か屋外かは、天気や、夜勤明けの日差しの強さとの相性で選びます。
夜勤明けは、まず寝よう。運動は、そのあとでじゅうぶんだよ。
続けるための、合図・場所・記録
運動が続かない理由は、意志の弱さではなく、設計の問題であることが多いものです。続けやすい形は、「いつ・どこで・何を」を、先に決めてしまうことです。決めておくと、その日の気分で迷う回数が減ります。
- いつ:すでにある習慣の直後に付ける(歯みがきのあと、帰宅して靴を脱いだあとなど)
- どこで:道具や準備が要らない場所を選ぶ。玄関、部屋の一角、帰り道
- 何を:1つだけ。数分で終わるものを選ぶ。慣れたら、少しずつ足す
- 記録:カレンダーに○をつけるだけ。休んだ日は、空白のままでいい
続ける設計で大切なのは、「やらなかった日」の扱いです。やらなかった日を埋めようとすると、運動が義務に変わります。空白は、体が必要としている休みと考えます。空白が3日続いたら、次の日に、前に決めた最小の動作だけ、やってみます。
目標は、回数や距離ではなく、「やったかどうか」で決めます。たとえば、「毎日30分走る」より、「靴を履いて外に出る」のほうが、続けやすい目標です。外に出たら、5分歩いて帰ってもいいし、気分が乗れば、もう少し歩いてもいい。始める動作を、目標にします。始められた日は、それだけで成功です。
職場で、休憩中にストレッチをするかどうかは、周りの目が気になる人も多いものです。人目が気になるなら、更衣室や、人の少ない場所を選びます。患者さんの前では行いません。勤務中の動作は、運動というより、足の疲れを逃がす、一息つく時間と考えると、取り入れやすくなります。
二交代の夜勤が入る1週間に当てはめると、次のような置き方になります。日勤の2日間は、帰り道に一駅ぶん歩くか、帰宅後に5分のストレッチ。夜勤の入りの日は、出勤前に10分ほど外を歩いて、仮眠の時間は削りません。明けの日は運動を入れず、帰って眠ります。明けの翌日の休みは、起きてから散歩を20分ほど。2日目の休みは、余裕があれば軽い筋トレやヨガを足します。休み明けの日勤は、また帰り道の一駅に戻ります。
一例です。勤務の組み方や体調で、置き方は人によって違います。
明けの日は、何もしない日として予定に入れておこう。
この例で大事なのは、明けの日を「運動しない日」として、先に予定に書き込んでいる点です。空白にしておくと、何かしなければと気が引けますが、休む日と決めてあれば、迷いません。三交代の人は、準夜の前と深夜の明けで同じ考え方を使い、深夜明けの日は運動を入れずに眠ることを優先します。
やめどき・休みどきの目安
運動は、からだに良いものとして語られがちですが、やめどきを知っておくことも、続けるための知恵です。次のような状態があるときは、運動を中止または減らして、休むことを優先します。
- 運動のあとに、痛みやしびれ、めまいが出る
- 運動を足したあと、眠れない日が増えた
- 運動が「やらなければならないこと」になって、気持ちが重い
- 疲れが翌日以降まで強く残る
痛みやしびれ、めまいなど、からだの不調が出るときは、自己判断で続けず、医療機関で相談してください。眠れない日が増えた場合は、運動の時間帯を見直すか、いったん休みます。気持ちが重いときも、同じです。運動は、元気な日に楽しむためのもので、不調を我慢して行うものではありません。
運動を始めても、続かなかった自分を責める必要はありません。続かなかったときは、設計のどこが合っていなかったかを見直します。合図が遅い、時間が長い、種類が多い、のどれかであることが多いものです。小さくして、もう一度、やり直せます。
気分が落ちている日の運動は、扱いに注意が必要です。動くと気分が少し上向く日もあれば、動くこと自体が重荷になる日もあります。重荷になる日は、運動を休んで、眠る・食べる・休むを先にします。「やらなかった」ではなく、「今日は休むと決めた」と、言い換えます。
今日は、階段を一段ぶんだけでも、じゅうぶんだよ。
よくある質問
夜勤の日でも、運動したほうがよいですか?
夜勤の前後は、眠りを優先します。夜勤に入る前の短いストレッチや散歩は選べますが、仮眠を削ってまで行う必要はありません。眠れていない週は、運動を休む選択もあります。
運動の時間が取れません。何から始めればよいですか?
数分で終わるものを、既存の習慣のあとに1つだけ付けます。階段を使う、一駅歩く、休憩中にふくらはぎを伸ばす、などが入口になります。
運動中に痛みが出たら、どうすればよいですか?
自己判断で続けず、運動を中止して、医療機関で相談してください。この記事は、診断や治療の判断をするものではありません。
つぎに読む
この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。