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資格の全体像

看護師のACLS・BLS・ICLSの違い。対象・内容と受ける順番

更新 2026年10月23日読むのに約7分

BLSは一次救命処置、ACLSとICLSは心停止への二次救命処置のチーム対応を学ぶ講習です。BLSとACLSは米国心臓協会(AHA)の講習、ICLSは日本救急医学会が認定する講習です。この記事では、実際の募集要項を例に、内容・時間・費用と、受ける順番を比べます。

ACLS、BLS、ICLS。略称が似ていて、どれがどれだか迷っちゃうよね。

まずは、主催と中身の違いを表で見てみよう。

3つの講習の違いを、表で見る

BLSは、心肺蘇生やAEDの使い方など、一次救命処置を学ぶ講習です。ACLSとICLSは、そこに加えて、心停止に対して医療者がチームで行う二次救命処置を学びます。主催の系統が違い、BLSとACLSはAHA(米国心臓協会)のプロバイダーコース、ICLSは日本救急医学会が認定するコースです。次の表は、2025〜2026年に公開されていた募集要項の例から並べたものです。

BLS・ACLS・ICLSの比べ方(募集要項の例)
比べる点BLS(AHA)ACLS(AHA)ICLS(日本救急医学会)
学ぶこと質の高い胸骨圧迫、人工呼吸、AEDの早期使用、成人・小児・乳児の気道異物への対応二次心肺蘇生法(心停止へのチームでの対応)突然の心停止への最初の10分間の対応とチーム蘇生
時間の例教室型と、オンライン学習+実技のブレンド型(HeartCode BLS)。時間は開催ごとの案内で確かめる8時〜20時の1日9時〜17時の1日
受講料の例開催する団体ごとに違うので、案内で確かめる20,000円(テキスト代別)8,000円(テキストは各自)
受講の条件の例医療従事者など、CPRの技能が必要な人向けのコース有効期限内のAHA-BLSカードの提示(院内の職員・学生向けの回)長崎県内の医療従事者(学会の会員でなくてよい)
修了の形すべての要件を修了するとカード(有効期限2年)筆記・実技の試験に合格でeCard日本救急医学会の認定コースの受講証

BLSは米国心臓協会(AHA)のBLSコースの案内(国際版)、ACLSは東京大学医学部附属病院の2025年6月の案内、ICLSは長崎大学病院の2026年8月の案内の例。開催ごとに時間と費用は違う。

BLSが土台で、その上にACLSやICLSがあるイメージだよ。

修了の条件も講習ごとに違います。AHAのBLSの案内では、オンライン学習のあとに講師との実技の時間があり、すべての要件を修了すると、有効期限2年のカードが出されるとされています。試験の合格基準や当日の流れは、申し込む開催の案内で確かめます。ACLSの例では、全ての内容を受講し、筆記・実技の規定の試験に合格した人に、AHA認定の修了証(eCard)が出されるとされています。

表の例では、ACLSの講習を受けるのに、有効期限内のAHA-BLSのカードの提示が求められていました。同じ案内には、ACLSを学ぶにはBLSの技能が必須で、BLSを受けていないか受講から2年以上たつ場合は、自分でBLSのコースを受けるよう書かれています。BLSのカードの有効期限は2年なので、ACLSを受けたい人は、BLSを先に受けて、期限内にACLSに進む順番になります。

ICLSは、日本救急医学会の認定コースで、表の例では受講料が8,000円と比較的低く、学会の会員でなくても受けられました。テキストは「日本救急医学会 ICLSコースガイドブック」を各自で用意し、事前学習をしてから参加する形です。長崎の例では、定員が4〜18名と少なく、申し込みが多いときは、自院の医療従事者、過去に申し込んで受けられなかった人、インストラクターを目指す人の順に受講者を決めるとされていました。受講が決まった人には、事前学習の課題が送られ、ICLSのアカウント登録も求められます。申し込みの締め切りは開催の約3か月前だったので、受けたい時期から逆算して探します。表の例のように、大学病院のシミュレーションセンターが地域の医療従事者向けに開く回があり、院内の研修として受けられる場合もあります。

受ける順番は、職場と目的で決める

どれから受けるかは、勤め先が求める講習と、自分の目的で決まります。迷ったときは、次の順で考えると決めやすくなります。

  • 勤め先から指定がある:指定された講習名が先。看護部や教育担当に、対象と時期を聞く
  • 急変の場面に備えたい(一般病棟・外来・クリニック):まずBLSで一次救命処置を確実にする
  • 急性期・救急・ICUで、医師とチームで動く場面がある:BLSのあと、ACLSかICLSで二次救命処置を学ぶ
  • 復職前で技術の不安がある:ナースセンターの復職支援研修などで、救命処置の演習から始める

ACLSとICLSのどちらを選ぶかは、勤め先の院内の研修や、救急の部署で求められている講習名に合わせるのが確実です。AHAの講習は修了証(eCard)に有効期限があり、更新して持ち続ける形です。ICLSは、表の例では院内や地域の医療従事者向けに開かれ、受講料も比較的低い額でした。費用と日程、修了証の扱いを、目的と並べて選びます。

看護師が救急系の講習を受ける順番の例
  1. 指定を聞く看護部・教育担当
  2. BLS一次救命処置・AED
  3. ACLSかICLSチームでの二次救命
  4. 更新を管理BLSのカードは2年

BLSのカードの期限を、手帳に書いておこうね。

ACLSに進むなら、BLSのカードの期限が切れていないかを先に見よう。

勤め先で受ける道と、自分で申し込む道

勤め先の研修で受ける道は、受講の対象や順番が部署で決まっていることがあります。費用の負担や、研修を勤務として扱うかどうかも、就業規則や研修の規程で決まります。表のACLSやICLSの例でも、自院の職員や地域の医療従事者を優先する決まりがありました。まず、看護部や教育担当に、自分が対象か、いつ受けられるか、費用や勤務の扱いはどうなるかを聞きます。

自分で申し込む道は、日程や会場を選べる代わりに、費用と休みの調整を自分で確かめます。修了証をもらっても、勤め先が求める講習名と合っているかは、別に聞いておきます。受講後は、職務経歴書の資格・研修の欄に、講習名・主催・受講した年月を書くと伝わりやすくなります。

費用の補助として、雇用保険の教育訓練給付制度を考える人もいます。対象は厚生労働大臣が指定した講座だけなので、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」に講習名を入れて、指定の有無を確かめます。日程は、希望休の締切より前に、受講日を勤務表に入れてもらえるよう上司に伝えます。希望の出し方はシフトの希望が通らないときの伝え方にまとめています。

救急系の講習について、受講の対象と、費用や勤務の扱いを確認したいです。BLSから受けるのがよいかも教えてください。

看護部や教育担当への聞き方の例

ガイドライン2025への切り替わりと、申し込む前の確認

蘇生のガイドラインは数年ごとに改訂されます。日本蘇生協議会(JRC)は、2026年7月に「JRC蘇生ガイドライン2025」の発刊をお知らせしています。AHAのBLSの案内(国際版)は、2025年のAHAガイドラインに合わせて更新したとしていて、表の2025年6月のACLSの例は、ガイドライン2020のテキストを使う、と書かれていました。申し込む講習が、どのガイドラインに基づくかを、案内で確かめておくと、受けたあとの行き違いを避けやすくなります。

復職前の人は、ナースセンターの復職支援研修で、採血・喀痰吸引・救命処置などの演習が行われると紹介されています。内容や開催は都道府県のナースセンターによって違うので、地域のナースセンターに相談できます。ブランクの不安の整理は、ブランクのある看護師の復職準備にまとめました。

申し込む前に、書き出すこと

どれを受けるか決まったら、あとは日程を押さえるだけだよ。

よくある質問

看護師は、ACLSとBLSのどちらから受ければよいですか?

BLSからが基本です。ACLSの募集要項の例では、有効期限内のAHA-BLSのカードの提示が条件で、BLSの技能がACLSの学習に必須とされていました。BLSのカードの有効期限は2年なので、期限内にACLSへ進む順番になります。

ICLSとACLSは、何が違いますか?

ACLSは米国心臓協会(AHA)のプロバイダーコース、ICLSは日本救急医学会が認定するコースです。どちらも心停止へのチームでの対応を学びます。募集要項の例では、ACLSは受講料20,000円でBLSのカードが条件、ICLSは受講料8,000円で医療従事者が対象でした。勤め先が求める講習名に合わせて選びます。

救急系の講習の費用は、勤め先が出してくれますか?

勤め先の規則や研修の規程で決まります。院内で開かれる講習は、職員が優先されることもあります。費用の負担と、受講を勤務として扱うかどうかを、看護部や教育担当に聞いてください。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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