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資格の全体像

看護師から医療事務へ転職できる?仕事内容・給与・資格を看護職と比べる

更新 2026年10月23日読むのに約6分

看護師が事務の仕事を考えるときは、看護を続ける道と並べて比べると、何が変わり、何が活きるかが見えてきます。この記事では、比較表と確かめる項目をまとめます。

看護の仕事から、事務の仕事へ。そんな道も考えるよね。

いまの道と、並べて比べてみよう。

看護職を続ける道と、事務の道を並べて比べる

この記事は、病院やクリニックなど、医療機関の中で働く事務の仕事に絞ります。医療と関係の薄い業種への転職は、看護師から異業種へにまとめています。

医療機関で働く事務の仕事には、受付や会計、診療報酬の請求(レセプト)などを担う医療事務、総務・人事・企画などを担う病院事務、診療記録の整理や管理を担う診療情報の管理などがあります。名前や仕事の中身は、職場によって違うため、同じ名前でも、担当が違うことがあります。

看護職を続ける場合と、事務へ移る場合を、4つの観点で並べて比べます。数字ではなく、確かめる方向をまとめた表です。

看護職と事務職の、比較表(読み方の例)
道仕事の中身(例)変わりやすいこと確かめること
看護職を続ける患者さんへの看護・ケアいまの働き方を、整える形勤務の形、役割の広げ方
医療事務受付・会計・診療報酬の請求など勤務の形、給与の内訳、仕事の進め方求人票の応募資格、研修の有無
病院事務総務・人事・企画・庶務など仕事の幅、評価の基準担当する部署、配属の希望
診療情報の管理診療記録の整理・管理記録を扱う仕事の比重仕事の内容、必要な資格の案内

仕事の中身は職場ごとに違います。求人票と、見学や面接で確かめてください。

気になる行の「確かめること」を、メモしておこう。

事務の求人でも、勤務の形はさまざまです。常勤、パート、時間帯が決まった勤務、窓口の受付時間に合わせた勤務などがあります。看護職のときの夜勤を減らしたいのか、日勤の時間を短くしたいのか、土日の休みを増やしたいのか。変えたい点を先に決めると、求人票のどの欄を見ればよいかが決まります。

表の見方は、「変わりやすいこと」の列に、自分にとってつらい点が入っていないかを見ることです。たとえば、夜勤を減らしたくて事務を考えるなら、事務の求人の勤務の形を、求人票で確かめます。給与は、手当の内訳が変わる場合があるため、年収だけでなく、基本給と手当の内訳で見比べます。

看護の経験が活きる場面と、変わること

事務の仕事でも、医療の現場を知っていることは、強みになる場合があります。医療の用語に慣れていること、現場の流れが分かること、患者さんやご家族への接し方、他の職種との連携の感覚などは、窓口や、記録の仕事で活きることがあります。

一方で、変わることもあります。患者さんのケアに直接関わる時間は、少なくなる場合があります。専門職として働いてきた立場から、事務の中での立場に変わるため、評価の軸や、仕事の進め方が、変わることがあります。事務で求められることには、正確さ、パソコンの操作、窓口での接遇、決まった手順を守る力などがあります。

看護の仕事で培ってきた、記録を正確に書く力や、患者さんやご家族に丁寧に接する力は、そのまま活きる部分です。パソコンの操作が不安なときは、入職前に、基本の操作を練習しておくと安心です。看護師の免許が、仕事の条件として必要かどうかは、求人によって違うので、応募資格の欄で確かめます。

応募書類では、看護の経験を、事務の仕事に結びつけて書きます。「何年、どの診療科で、どんな業務を担当したか」に加えて、記録の確認、会計に関わる確認、窓口での対応など、事務の仕事に近い経験を、具体的に書きます。書類の整理は、職務経歴書の準備ツールが使えます。

医療事務には、医師や看護師のような国家資格はなく、民間の団体がそれぞれ資格の試験を行っています。資格がなくても応募できる求人もあり、資格名を条件にしている求人もあるため、応募資格の欄で確かめます。代表的だった「診療報酬請求事務能力認定試験」は、実施していた公益財団法人日本医療保険事務協会が、令和8年3月31日で解散したと公式サイトで案内しているので、今後の扱いは、求人や学校の案内で確かめます。

診療情報の管理では、日本病院会が認定する「診療情報管理士」の名前が、求人に載ることがあります。日本病院会の第20回認定試験の要項では、受験資格は、日本病院会の通信教育を修了するか、指定の大学・専門学校の指定学科で指定単位を修めて卒業することです。看護師など日本の医療職の免許を持つ人は、申請すると試験の基礎分野が免除されます(准看護師は対象外)。受験料は10,000円、試験は年1回(第20回は2027年2月14日)です。

看護を続ける・事務へ移る。天秤で整理する
看護職を続ける
  • 患者さんと、直接関われる
  • これまでの経験を、そのまま活かせる
  • 夜勤など、勤務の形は、整える余地を探す
事務へ移る
  • 勤務の形や、仕事の内容が変わる
  • 医療の知識を、別の形で活かせる
  • 新しい仕事を、学ぶ時間が要る

天秤は、どちらにも傾けなくていいよ。ただ、並べてみよう。

看護師の免許があると、診療情報管理士の試験の一部が免除されるんだね。迷うのは、それだけ、ちゃんと考えているからだよ。

求人票と見学で、確かめること

事務の求人は、名前が似ていても、仕事の中身が違うことがあります。求人票の「仕事の内容」と「応募資格」を、先に読み、分からないことは、見学や面接で聞きます。

事務の求人を見つけたら、確かめること

見学や面接では、一日の仕事の流れも聞きます。朝は何から始まり、忙しい時間帯はいつか、ひとりで担当する仕事と、チームで行う仕事はどれか。仕事の流れが想像できると、入職後のずれが小さくなります。

事務の経験がなくても応募できる求人もあれば、事務の経験や資格を条件にする求人もあります。どちらかは、求人によって違うため、応募資格の欄で確かめます。入職後に、必要な知識を学べる体制があるかも、聞いておきます。

給与は、看護職の手当が外れると、変わる場合があります。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査には「医療事務」だけの区分はありませんが、近い職種として「受付・案内事務員」があります。毎月の給与(きまって支給する現金給与額)の平均は、看護師が36万5,900円、受付・案内事務員が25万4,000円で、年間賞与は看護師85万6,400円、受付・案内事務員48万6,500円でした。年に直すと、看護師が約525万円、受付・案内事務員が約353万円です(月額×12+賞与の筆者計算)。どの産業・年齢の人も含む平均なので、医療事務の求人がこの額になるとは限りませんが、夜勤手当や資格に伴う手当がなくなる分、下がる方向に動きやすいことは見込んでおきます。

求人を比べるときは、いまの給与明細を、基本給・夜勤手当・そのほかの手当に分け、事務の求人の基本給と手当の内訳と並べます。月の手取りの考え方は、手取りの見方にまとめています。収入が下がっても続けられるかを、先に確かめておくと、気持ちに余裕を持てます。

看護師として〇年働き、窓口でのやり取りや、記録の扱いに関心を持ちました。これまでの経験を、事務の仕事でどう活かせるかを、知りたいです。

面接で、きっかけと関心を伝えるときの例

迷ったときの順番と、別の記事

事務に移るか迷うときは、辞めたい理由を先に書き出します。夜勤の負担が理由なら、看護職のままで勤務の形を変える方法もあります。人間関係が理由なら、職場を変える選択もあります。理由によって、事務が合うかどうかは変わります。優先順位の決め方は、転職で後悔しないための条件の優先順位にまとめています。

辞めたい理由別に、候補の見立てを書きます。体力的な負担が理由なら、事務に限らず、日勤中心の看護の職場も候補になります。患者さんとの関わりに疲れているなら、窓口や会計など、関わり方が変わる仕事が候補になります。仕事の内容に関心が移ったなら、診療記録や運営など、医療を別の角度から支える仕事が候補になります。理由と合う候補を並べると、選びやすくなります。

事務に移るかどうかを決める前に、看護職のまま学びを深める方法も、看護師の資格の一覧に整理しています。

事務に移ったあと、また看護の現場に戻る可能性を考える人もいます。その場合は、事務の仕事の中で、看護の知識を保てる環境かどうかを見ておくと、選びやすくなります。研修に参加できるか、医療の現場と関われる場面があるかを、見学で聞いてみます。戻る・戻らないは、そのときに決めれば足ります。

どの道を選んでも、これまでの経験は、なくならないよ。

給与明細を3つに分けるところから、始めてみてね。

よくある質問

看護師から医療事務に転職できますか?

医療事務には国家資格がなく、資格がなくても応募できる求人があります。一方で、事務の経験や民間資格を条件にする求人もあるため、求人票の応募資格の欄で確かめてください。医療用語や現場の流れを知っていることは、強みとして書類に書けます。

看護師から医療事務に移ると、給与は下がりますか?

下がる方向に動きやすいと見込んでおきます。令和7年賃金構造基本統計調査では、毎月の給与の平均が看護師36万5,900円、近い職種の受付・案内事務員25万4,000円でした。実際の額は職場ごとに違うので、基本給と手当の内訳で見比べてください。

診療情報管理士は、看護師でも取りやすいですか?

日本病院会の認定試験の要項では、看護師など日本の医療職の免許を持つ人は、申請により基礎分野の試験が免除されます(准看護師は対象外)。受験には、日本病院会の通信教育の修了か、指定校での指定単位の修得が必要です。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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