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クリニックの給料

看護師のクリニックの給料は病院と何が違う?公的な数字で比べる

更新 2026年10月23日読むのに約6分

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クリニックは病院より給料が低い、と聞いて迷うことがあります。この記事では、公的な調査で確かめられる範囲の数字を並べて、病院との違いと、数字から言えないことを整理します。

病院とクリニック、どっちが自分に合うのかな。

給料だけでは決められなくて、迷うよね。

病院と診療所の年収を、調査で並べると

病院と診療所の看護職員の給与を比べられる公的な調査に、医療経済実態調査があります。病院・診療所・薬局の経営と職員の給与を調べ、中央社会保険医療協議会(中医協)に報告される調査です。ここでは、令和7年11月に公表された第25回の報告書(令和5年度・令和6年度の実績)の「職種別常勤職員1人平均給料年(度)額等」の表を使います。

常勤の看護職員(保健師・助産師・看護師・准看護師)1人あたりの平均給料年額と賞与の合計は、令和6年度で、一般病院が540万7,673円、一般診療所が407万5,768円でした。給料には扶養手当、時間外勤務手当、役付手当、通勤手当なども含みます。診療所の数字は、青色申告の施設も含めた集計です。

病院と診療所の、看護職員の給与を並べる
見るもの病院診療所
看護職員の平均年収(医療経済実態調査・令和6年度)約541万円約408万円
同・令和5年度約528万円約405万円
同・医療法人の施設だけ(令和6年度)約477万円約413万円
平均年収(日本看護協会 会員調査・2024年。正規フルタイム)約576万円約536万円(回答90人)
基本給月額(同・2025年1月)28万3,304円29万1,453円
税込給与総額(同・2025年1月)40万9,436円39万3,454円
就業している看護師の人数(令和6年末)895,944人194,665人

調査ごとに対象と年収の定義が違います。会員調査の診療所は、回答の人数が少ない参考値です(2025年1月の給与は71人)。

調査の名前が違う行は、別々のものさしだと思って読もう。

医療経済実態調査の2つの年度では、どちらも診療所のほうが低く、差は令和5年度が約123万円、令和6年度が約133万円でした(筆者計算)。開設者を医療法人にそろえると、一般病院約477万円、一般診療所約413万円で、差は約63万円に縮みます(筆者計算)。公立・国立の病院(約613万円・約561万円)が病院全体の平均を押し上げている面があります。日本看護協会の会員調査(2024年の源泉徴収票の支払金額)でも、病院勤務者が平均約576万円、診療所勤務者が約536万円で、同じ向きです。

基本給と手当に分けると、見え方が変わる

日本看護協会の会員調査(2025年1月、正規雇用フルタイム)で、基本給月額は、病院勤務者が28万3,304円(2,502人)、診療所勤務者が29万1,453円(71人)でした。基本給は診療所のほうが高く、税込給与総額は、病院が40万9,436円、診療所が39万3,454円と、病院のほうが高い並びです。

総額と基本給の差は、病院が12万6,132円、診療所が10万2,001円です(筆者計算)。病院のほうが、手当などの部分が大きい形ですが、調査は手当の内訳を示していません。病院には夜勤手当(二交代制の平均で1回1万1,470円。日本看護協会の2025年調査)があり、夜勤の少ない職場との差が出る可能性はありますが、統計に理由の記載はありません。診療所の71人は少数なので、参考値にとどめます。会員調査の回答者のうち、就業先が診療所の人は1.9%で、病院の65.7%とは数が大きく違います。

賞与や昇給の制度も、職場の種類で違います。日本看護協会の病院調査(2024年度)で、賞与を支給した病院は、公立94.8%、医療法人85.3%、個人75.0%でした。看護職員の賃金表がある病院は75.0%で、医療法人では63.5%でした。賃金表がある医療法人のうち、賃金表を公開しているのは26.1%です。この調査は病院が対象で、診療所は含みません。クリニックでは、賞与の有無や昇給の決め方を、先に確かめる項目にします。

賃金構造基本統計調査は、産業別の表に看護師の職種の行がなく、病院とクリニックの看護師を分けた数字を出せません。企業規模で見ると、10〜99人の看護師は、きまって支給33万9,500円、年間賞与62万4,200円で、月給×12+賞与の目安は約470万円です(令和7年、筆者計算)。クリニックは10〜99人の枠に入ることが多いものの、この区分は病院も含み、クリニックだけの数字ではありません。

ここまでの数字は、どの調査のものか、行ごとにメモしておくと迷わないよ。

職場の人数も違います。令和6年末の衛生行政報告例で、就業している看護師は、病院が895,944人(65.7%)、診療所が194,665人(14.3%)でした。人事院の職種別民間給与実態調査は企業規模100人以上が対象で、小規模なクリニックは入りにくいので、その数字をクリニックにそのまま当てはめないようにします。退職金は、厚生労働省の令和5年就労条件総合調査(常用労働者30人以上の民営企業)で、退職給付制度がある企業が、医療,福祉で75.5%、ない企業が24.5%でした。30人未満の小さな職場は、この調査の対象に入りません。退職金の有無は、就業規則で確かめます。

調査から言えること

看護職員の平均年収は、一般病院約541万円、一般診療所約408万円(令和6年度)。医療法人どうしでは差が約63万円に縮みます。

調査から言えないこと

個別のクリニックの給料、差の理由(夜勤・規模・年齢・勤続)、1時間あたりの給料の差は、これらの調査からは分かりません。

パート・日勤のみで働くときの給料の目安

クリニックの求人は、パートや日勤のみの募集が多く、月給より時給で見る場面が増えます。令和7年賃金構造基本統計調査で、短時間労働者の看護師の時給(所定内給与額)の平均は1,933円でした。企業規模別では、1,000人以上が1,917円、100〜999人が1,875円、10〜99人が2,003円で、小さい規模のほうがやや高く出ています。平均は1日約6時間・月約13.8日働く人の数字で、夜勤やオンコールの手当は含みません。

フルタイムで日勤のみのクリニックを考えるときは、10〜99人の規模の看護師(一般労働者)の数字が近い物差しになります。きまって支給33万9,500円のうち所定内給与額は32万500円で、差の約1.9万円が時間外や深夜などの手当です(筆者計算)。夜勤のある病院から移ると、夜勤手当の分が月給から抜けるので、その額を先に計算しておきます。減る額の出し方は日勤のみにすると給料はいくら減るかで扱っています。

美容クリニックや自由診療のクリニックは、保険診療の診療所と給与の決め方が違うことがありますが、それだけを分けた公的な統計はありません。歩合やインセンティブがある場合は、基本給と歩合の割合、歩合の計算方法を書面で確かめます。

求人を見るとき、病院と同じ物差しで比べる

病院とクリニックを比べるときは、年収の合計だけでなく、中身を同じ項目に分けます。基本給、手当(夜勤・オンコール・資格・通勤など)、賞与の支給の実績、昇給の定め、退職金の定めです。夜勤の有無が違うと、手当の分だけ月給の見え方が変わります。

病院とクリニックの求人を、同じ項目で比べる

病院の設置主体や病床規模ごとの違いは、病院の種類別の年収で扱っています。クリニックの働き方そのものはクリニックで働く看護師の仕事、月収の内訳の読み方は月収の平均と内訳の早見表でまとめています。

条件を項目ごとに分けて見られたら、求人票もぐっと読みやすくなるよ。

よくある質問

クリニックの看護師は、病院より給料が低いですか?

医療経済実態調査(令和6年度)では、看護職員の平均年収は一般病院541万円、一般診療所408万円でした。差の理由は調査に書かれておらず、個別の職場には当てはまりません。

クリニックでも、賞与や昇給はありますか?

職場の就業規則や賃金規程で決まります。有無、回数、これまでの実績は、求人票と面接で確かめます。

クリニックの給料を、病院と同じ条件で比べるには?

基本給、手当、賞与、夜勤の有無を分けて、月給と賞与の合計で比べます。夜勤の有無が違うと、手当の分だけ月給の見え方が変わります。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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