キャリア設計
看護師の英語の勉強は、医療現場の場面から。続く手順を5つに分ける
更新 2026年10月23日読むのに約6分
英語は、参考書を1冊買うより先に、どの場面で使いたいかを決めたほうが続きやすくなります。この記事では、医療現場の英語を身につける手順を5つに分け、つまずき所と測り方までまとめます。
英語、気になってはいるけど、どこから手をつけるか迷うよね。
場面から決めると、勉強の中身が絞れるよ。
最初に、英語を使う場面を3つに分ける
英語の勉強が続かない理由の一つは、目的が広すぎることです。「英語ができるようになりたい」だけでは、単語帳を開いても、何のための単語なのかが分かりません。看護師の場合、場面は大きく3つに分けられます。
- 現場の対応:外国の方の患者さんや、そのご家族に、受付・説明・声かけをする場面
- 読む・調べる:薬の説明書や、論文、ガイドラインなど、英語の資料を読む場面
- 進路:海外で働く、留学する、国際的な活動に関わるなど、環境そのものを変える場面
どれを選ぶかで、勉強の順番が変わります。現場の対応なら、短い会話の型と、体に関する言葉が中心になります。読む・調べるなら、専門用語と、文の読み方です。進路なら、試験や面接の準備まで広がるので、長めの計画になります。海外で働くことまで考えているときは、看護師が海外で働くための準備を先に見ておくと、何が必要かが分かります。
迷うときは、勤め先の状況を思い出してみます。外国の方が受診する機会があるか、英語の資料を読む場面があるか。いま身近にある場面から選ぶほうが、練習した内容をすぐ試せて、定着しやすくなります。
続けるための手順は、5つ
場面が決まったら、次の順番で進めます。最初から文法の本を通読するより、使う言葉から入るほうが、続きやすくなります。
- 場面を決めるどこで使うか
- 言葉を集める体・症状・案内
- 声に出す短い文を口で
- 型を覚える会話の流れ
- 測り直すできた場面を数える
順番が決まっていると、今日やることが迷わなくなるよ。
手順1の「場面を決める」は、前の節でできています。ここからは手順2以降です。
手順2は、言葉集めです。最初の目標の場面で、よく使う言葉だけを、20〜30語ほど書き出します。体の部位、痛みの言い方、「こちらへどうぞ」「お待ちください」のような案内の言葉などです。全部を覚えようとせず、場面に出てくる分に絞ります。
手順3は、声に出すことです。目で見て分かるのと、口から出せるのとは、別の力です。1日に5分でも、書いた言葉を声に出して言う時間をつくります。通勤の前後や、お風呂の中など、決まった場面に結びつけると続きます。
手順4は、会話の型です。言葉を並べても、実際の会話では「どこが痛みますか」「いつからですか」のように、文の形で出てきます。質問と、よくある答えの組を、5〜10組ほど用意して、組みで覚えます。
| 場面 | 英語 | 日本語の意味 |
|---|---|---|
| 受付 | Please have a seat here. | こちらにおかけください |
| 受付 | Could you fill out this form? | この用紙に記入していただけますか |
| 痛み | Where does it hurt? | どこが痛みますか |
| 痛み | When did the pain start? | 痛みはいつからですか |
| 痛み | On a scale of 0 to 10, how bad is the pain? | 0から10で言うと、痛みはどのくらいですか |
| 確認 | Do you have any allergies? | アレルギーはありますか |
| 案内 | Please wait here. We will call your name. | ここでお待ちください。お名前をお呼びします |
| 案内 | Would you like an interpreter? | 通訳をご希望ですか |
短い文を、声に出して覚える型の例です。言い回しは、勤め先の資料や通訳の方の言い方に合わせて直します。
まずは2〜3行を、口に出せるようにしよう。
表の文は、手順2〜4の材料にそのまま使えます。手順2では、表の中の単語(seat・form・pain・allergies など)を言葉の一覧に入れます。手順3では、1日に1行ずつ声に出します。手順4では、「Where does it hurt?」に対して「My stomach.」のような短い答えを組にして、質問と答えを続けて言えるようにします。痛みの強さを数字で聞く文は、言葉が通じにくいときにも指で示してもらえるので、最初に覚える1行に向いています。
手順5は、測り直しです。点数ではなく、「できた場面」を数えます。たとえば、1か月前は言えなかった案内が言えるようになった、という変化です。変化が見えると、次の1か月の目標も決めやすくなります。
たとえば、最初の1か月は、受付の案内の言葉だけに絞ります。次の1か月は、痛みや症状を聞く質問に広げます。このように、1か月ごとに場面を1つ足していくと、無理なく範囲が広がります。1か月の終わりには、「今月、言えるようになった一言」を、1つだけ書き出します。
もう1つ、勤め先の中に、英語に慣れている人がいないかも、確かめておきます。通訳の資格や、海外での経験がある同僚がいれば、言い回しを教えてもらえることがあります。独学だけで進めるより、実際の現場で使われている言い方に触れられるので、場面に合った言葉を選びやすくなります。
言葉は、場面に出てくる分だけ集めよう。多すぎると、続かなくなるからね。
つまずきやすい所と、続けるコツ
手順は分かっても、仕事のあとは疲れていて、机に向かう気力が残らない日があります。夜勤のある働き方なら、時間帯もばらばらになります。そこで、時間をつくる発想を、少し変えてみます。
つまずきの中で多いのは、次の3つです。
- 発音が気になって、声に出せない:最初は、通じるかどうかより、口に出す回数を優先する
- 単語を覚えても、忘れてしまう:数日あけて、同じ言葉をもう一度、声に出して確かめる
- いつ使うのか分からなくなる:手順1の場面に戻って、その場面の言葉だけに絞り直す
勉強の記録は、細かさより続けやすさを優先します。「何分やった」より、「どの場面の言葉をやった」と書いておくと、場面ごとの進み具合が見えます。記録は、現在地ログにも書けます。
また、英語の勉強は、ほかの資格やキャリアの勉強と同時に走らせると、どちらも中途半端になりやすくなります。いま優先したいことが複数あるなら、1か月ごとに主役を決めて、もう片方は最低限にとどめる方法もあります。
TOEICなどの試験は、「測る道具」として使う
看護師の英語の勉強を調べると、TOEICの名前もよく出てきます。試験は、目標そのものではなく、いまの力を測る道具と考えると、使い方が決まります。
試験を使うとよい場面
進路で英語の力を示したいとき。期限つきの目標があると、勉強の計画が立てやすい人にも向いています。
試験を急がなくてよい場面
現場で、短い案内を伝えたいだけのとき。点数より、言える場面を増やすほうが、目的に近くなります。
試験の勉強と、医療現場の言葉の勉強は、重なる部分もあれば、重ならない部分もあります。試験の準備を進めても、体の部位の言葉や、患者さんへの声かけは、別に集める必要があるかもしれません。どこまで重なるかは、試験の出題範囲の案内で確かめ、医療現場の言葉の勉強は、並行して続けると、現場の目的に近づきます。
医療に特化した英語の検定もあります。日本医学英語教育学会が実施する「日本医学英語検定試験(医英検)」です。学会の受験案内では、プロフェッショナル級(2級)は、300 words 以内の英語の抄録・発表原稿・スライドを出したうえで、英語の口頭発表(10分)と質疑応答(15分)、英語の論文執筆に準じた筆記を受けます。エキスパート級(1級)は学会の会員に限られ、模擬座長などの面接があります。上の級は発表や論文の力を測る試験なので、現場の声かけから始める段階では、ほかの級の範囲や受験の形を学会の案内で確かめてから選ぶと、勉強の中身とずれにくくなります。
受験の日程や費用、申し込みの条件は、試験の主催者の案内で確かめます。勤め先によっては、受験の補助の仕組みがあるかもしれないので、就業規則や、人事の窓口でも聞いてみます。
英語のほかに、特定行為の研修のような、専門性を高める道を考えている人もいます。英語と、どちらを先に進めるかは、いまの優先順位で決めます。また、病院の事務の側の仕事に興味があるときは、医療事務の仕事内容の記事で、働き方の違いを確かめられます。
最後に、英語の勉強は、いまのキャリアの全体の中で、どの位置に置くかを考えます。位置づけは、現在地を確かめる10問で、いまの状況を整理するところから始められます。
少しずつでいいんだよ。続いていることが、いちばんの力になるからね。
よくある質問
看護師は、英語をどのくらい勉強すれば現場で使えますか?
必要な量は、使う場面で変わります。受付や案内の短い声かけなら、場面に出てくる言葉を20〜30語ほど、会話の型を5〜10組ほど覚えることから始められます。専門的な説明まで必要なときは、勤め先の通訳の仕組みも合わせて確かめます。
看護師にTOEICは必要ですか?
仕事の条件として必須かどうかは、勤め先によって違います。進路や、英語の力を示したい場面があるときに役立ちます。医療の英語に絞った検定には、日本医学英語教育学会の医英検もあります。
外国の方の患者さんの対応で、英語が不安なときは?
まず、勤め先に、通訳や翻訳の仕組み、案内の資料があるかを確かめます。自分の英語だけで抱え込まず、職場の決まりを使うほうが、安全に進められます。
出典・参考(公的な情報)
- 日本医学英語検定試験 プロフェッショナル級(2級)受験 申請書類作成注意事項(日本医学英語教育学会)
- 日本医学英語検定試験 エキスパート級(1級)受験 申請書類作成注意事項(日本医学英語教育学会)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。