副業・確定申告
看護師の副業の確定申告。20万円の線引きと、知っておくこと
更新 2026年10月23日読むのに約6分
副業の申告で最初に迷うのは、「20万円」が何の金額かです。収入ではなく所得で、条件つきだと知っておくと、自分の場合を落ち着いて確かめられます。
副業を始めたら、税金はどうなるんだろう。そこ、気になるよね。
20万円は「収入」ではなく「所得」
副業の申告でよく聞く「20万円」は、国税庁の案内では、給与所得と退職所得以外の各種所得の合計が20万円を超えるかどうか、という話です。所得とは、収入から必要経費を引いた金額のことで、収入そのものではありません。ですから、収入が20万円を超えても、経費を引いた所得が20万円以下なら、この線には当たらない場合があります。
この線引きには、条件がつきます。国税庁は、給与が1か所から支払われ、その全額が源泉徴収されていて、年末調整が済んでいる給与所得者に、20万円を超える所得があるときは、確定申告が必要と案内しています(還付になる人は除く)。副業の収入の例として、国税庁は、フリマやネットオークション、家庭教師やベビーシッターのような役務の提供、暗号資産、民泊などを挙げています。生活用の古着や家財を売って得た収入は、非課税で申告は不要とされています。
- 収入を記録入金日と金額
- 経費を引く所得を出す
- 区分を見る給与か、それ以外か
- 20万円と比べる条件つきの線
- 申告・納め方住民税の選び方
上から順に、確かめていこうね。
アルバイトと業務委託で、見る所が変わる
看護師の副業は、大きく2つの形があります。1つは、別の施設で働くアルバイトで、この収入は給与にあたります。健診センターの1日だけの勤務や、ワクチン接種会場での単発の勤務でも、雇われて働き、給与として支払われるなら、給与所得として扱われ、源泉徴収票が出ます。もう1つは、単発の業務を請け負う業務委託で、給与ではなく別の区分になります。どちらに当たるかは、契約の内容で変わるので、断定はできません。迷うときは、国税庁の案内や、税務署で確かめます。
アルバイト(給与)が2か所目になる場合を考えます。給与が2か所以上から支払われて、全額が源泉徴収されている人は、年末調整されなかった給与の収入と、給与・退職以外の所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要です。ただし、給与の収入の合計から、雑損控除・医療費控除・寄附金控除・基礎控除以外の所得控除を引いた額が150万円以下で、各種所得の合計が20万円以下なら、申告は不要です。本業の年末調整が済んでいても、2か所目の給与が年末調整されていなければ、この条件の対象になります。2か所目の勤務先から届く源泉徴収票も、申告の材料になるので、保管しておきます。
業務委託や販売などの収入は、給与と別に、所得を計算します。たとえば、年間の収入が30万円で、必要経費が8万円なら、所得は22万円です(計算のための例です)。この場合は、20万円を超えるので、本業が給与1か所で年末調整が済んでいるときは、確定申告の対象になります。必要経費として何が認められるかは、仕事の内容で変わるため、国税庁の案内で確かめます。
2か所目がアルバイト
給与所得になります。年末調整されなかった給与の収入と、他の所得の合計で、20万円を超えるかを見ます。150万円の例外にも注意します。
業務委託・販売など
収入から経費を引いた所得で、20万円を超えるかを見ます。副収入は、給与とは別の区分で扱われます。
雑所得・帳簿・住民税の納め方
副業の収入のうち、営利を目的として継続的に行うものは、国税庁の案内では「業務に係る雑所得」にあたるとされています。雑所得で損失が出ても、他の所得と損益通算はできません。事業所得との区分には、細かい基準があるため、この記事では踏み込みません。迷ったときは、税務署か、国税庁の案内で確かめます。
記録の残し方にも、決まりがあります。業務に係る雑所得があり、前々年の収入金額が300万円を超える場合は、現金預金取引等関係書類を5年間保存します。副業の収入が小さいうちは当てはまらないことも多いですが、収入が増えたときのために、領収書や入金の記録は、早めに残す習慣をつけておくと、あとで困りにくくなります。記録は、日付・相手・内容・金額の4つを、同じ順番で書くと、あとで数え直しやすくなります。
住民税の納め方は、副業の所得の種類で分かれます。国税庁の確定申告書等作成コーナーの案内(令和7年分申告用のページ)では、給与と公的年金等だけの人は、原則として特別徴収(給与から差し引く方法)で、選べません。給与・公的年金等以外の所得がある人は、その分を給与から差し引くか、自分で納めるかを、申告書の第二表で選べます。副業がアルバイトの給与なら、給与所得は合算され、本業の勤め先の給与から天引きされます(地方税法321条の3)。詳しい仕組みと、勤め先に届く通知書の中身は、副業は禁止?バレる仕組みと住民税にまとめました。細かな手続きは、都道府県や市区町村に問い合わせるよう、国税庁のページも案内しています。20万円以下で所得税の申告が要らない場合でも、住民税の申告が別に要るかは、市区町村の案内で確かめます。
ここまで、ひと息いれようか。税金の話は、ゆっくりでいいからね。
実は、20万円の線は、収入じゃなくて所得だったんだね。
1年の流れに置いて、記録を残す
副業の申告は、年のはじめから記録をつけておくと、あとで楽になります。収入が入った日と金額、使った経費は、毎月、同じ場所に書いていきます。12月には本業の年末調整があり、翌年の2月中旬から3月中旬に確定申告の期間が来ます。令和7年分の期間は、令和8年2月16日から3月16日でした。令和8年分の期間は、国税庁の最新の案内で確かめます。申告の流れ全体は、確定申告が必要になる場面と手順で扱っています。
期間は令和7年分の例(令和8年2月16日から3月16日)です。年分ごとに国税庁の案内で確かめてください。
書き留めておけば、年明けが楽になるよ。
副業を始める前に、勤務先の就業規則で、副業が認められているかを確かめることも大切です。これは税の話ではなく、勤務先の決まりの話なので、この記事では扱いません。副業全体の考え方は、看護師の副業にまとめています。収入の線引きのほかに、副業を続けるかの判断では、使える時間と体力も材料です。夜勤のある本業と並べると、休日が減りやすいので、働く日数の上限を先に決めておく人もいます。副業の収入が増えたら、貯金の見直しにも貯金できない原因を見るチェックリストが使えます。
条件が見えれば、必要以上に怖がらなくて大丈夫だよ。
確かめるところまで来たのは、それだけで一歩だよ。
よくある質問
副業が20万円以下なら、申告しなくてよいのですか?
給与が1か所で年末調整が済んでいる場合は、所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は原則不要です。給与が2か所ある人など、条件が違う人もいます。住民税の申告が別に要るかは、市区町村の案内で確かめます。
「20万円」は、収入ですか、所得ですか?
所得です。収入から必要経費を引いた金額で、給与所得と退職所得を除く各種所得の合計が20万円を超えるかを見ます。条件つきの線引きなので、国税庁の案内で確かめます。
副業の住民税の納め方は、選べますか?
給与・公的年金等以外の所得がある人は、その分を給与から差し引くか、自分で納めるかを、申告書の第二表で選べます。副業がアルバイトの給与なら、給与所得は合算されて本業の給与から天引きされ、選べません。詳しくは、住んでいる市区町村で確かめます。
出典・参考(公的な情報)
- No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)
- No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合(国税庁)
- No.1500 雑所得(国税庁)
- No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度(国税庁)
- 住民税の徴収方法の選択(令和7年分申告)(国税庁 確定申告書等作成コーナー)
- 地方税法 第321条の3(給与所得に係る個人の市町村民税の特別徴収)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 所得税及び復興特別所得税の申告等(令和7年分Q&A)(国税庁)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。