新人期の過ごし方
新人看護師の五月病。5〜6月に行きたくない・眠れないときの過ごし方
更新 2026年10月23日読むのに約6分
連休が明けて急に体も気持ちも重くなったときの過ごし方を、書き出す・眠る・頼るの順に整理します。病名は判断せず、受診や相談を考える目安までを扱います。
朝、布団から出るのが、いつもより重たい日があるんだね。
ここでは、決めつけないよ。休み方と、頼り先を、順番に並べるね。
連休明けの朝を、書き出してみる
新人の4月は、緊張で乗り切る人もいる時期です。研修が一段落して、一人で動く場面が見えてくる5〜6月に、疲れが表に出たと感じる人もいます。理由は人によって違い、ひとつに決める必要はありません。「五月病かどうか」を判定するより、いま何が起きているかを言葉にするほうが、次の一歩につながります。
厚生労働省の令和7年の労働安全衛生調査では、職種を問わず、仕事で強い不安や悩み、ストレスがある労働者は67.5%でした。つらさを感じること自体は、珍しいことではありません。新人の5〜6月に多いのは、次のような形です。朝、玄関で足が止まる。休みの前の晩だけ眠れる。勤務中は平気なのに、帰り道に急に涙が出る。研修の課題が手につかない。どれか1つでも続いていれば、書き出す価値があります。
今日は何もしなくていい時間を、5分だけつくってみよう。
同期の話を聞くと、自分だけがつらいように感じることがあります。ただ、話している場では元気に見える人も、休みの日には同じように疲れていることがあります。見える部分だけで比べないようにします。書き出すときは、3つに分けると整理しやすくなります。体(眠れているか、食べられているか)、気持ち(朝と夜のどちらが重いか)、仕事の場面(どの時間帯・どの場面で、いちばん苦しいか)です。きれいに書かなくて大丈夫です。単語だけで十分です。
休む・眠る・食べるを、先に守る
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人について、適正な睡眠時間には個人差があるとしたうえで、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することを勧めています。日中の眠気や、睡眠で休養できた感覚に応じて、自分に必要な時間を探る、という書き方です。6時間はあくまで目安で、そこに届かない日があっても、自分を責めない形で使います。
眠れない夜の対処については、厚生労働省のe-ヘルスネットの「不眠症」のページが、次のような点を挙げています。
- 就寝と起床の時間を、毎日できるだけ一定にする(勤務で難しい日は、できる範囲で)
- 睡眠時間の目標に、こだわりすぎない
- 朝に太陽の光を浴びる
- 寝る前は、ぬるめの入浴などでリラックスする
- 寝酒は避ける
- 眠れないまま長く寝床にいると悪化しやすいので、眠くなるまで別の場所で過ごす
夜勤が始まった新人には、睡眠ガイドの交替制勤務の項が参考になります。交替制勤務は、睡眠の不調などの健康リスクに注意が必要とされ、不眠や、休養感の低下、業務中の眠気が続いて生活に支障があるときは、速やかに医療機関を受診するよう書かれています。夜勤中の仮眠は、0〜4時に始める20〜50分の仮眠が、眠気や疲労の改善につながるという報告が紹介されています。取れるかどうかは職場の体制次第なので、仮眠の取り方を、先輩に聞いてみます。休日は、遊びに出かけなくても、全部を回復に使っても大丈夫です。食事は、量よりも、抜かないことを優先します。食べられない日が続くときは、後ろの「受診や窓口を考える目安」を読んでください。
ひとやすみの時間を、予定に入れてもいいんだよ。
休むことは、サボることじゃないからね。
職場で使える手を、2つだけ持っておく
1つ目は、プリセプターや先輩に、「どこがいちばんつらいか」を一つだけ伝えることです。全部を話そうとすると、かえって重くなります。つらい場面を一つ選んで、助けてほしいことを、一緒に添えます。
最近、夜に眠れない日があって、朝の確認が追いつかないときがあります。優先順位だけ、一緒に見ていただけますか。
先輩に、一つだけ伝える例
もう一つ、勤務表の見通しを先輩に聞く方法もあります。夜勤の開始や、受け持ちが増える時期が分かると、心の準備の時間ができます。見通しが分からない不安は、聞くだけで軽くなることがあります。2つ目は、職場の仕組みです。労働安全衛生法66条の10にもとづくストレスチェックは、受ける義務が労働者にはないと、厚生労働省のQ&Aが説明しています。結果は、本人の同意なしに事業者へ提供されません。通知を受けて、要件に当たり、医師による面接指導を受けたいと申し出た人には、事業者は面接指導を行わなければならず、申出を理由とする不利益な取扱いは禁止されています。
産業医は、同法13条と施行令5条により、常時50人以上の労働者を使う事業場で選任されます。50人未満の事業場では、選任の義務ではなく、健康管理等を医師などに行わせるよう努める定めです。職場の規模によって、使える入口が違うため、まずは自分の職場の窓口を、師長や人事に聞いて確かめます。仕組みの詳しい説明は、ストレスチェックの記事にまとめました。
受診や窓口を考える目安と、番号
受診の目安は、公的なページが示しています。国立精神・神経医療研究センターのこころの情報サイトは、気分の落ち込みや、日常生活への大きな支障が続く場合は、自己判断せず、総合病院の精神科、心療内科、精神科クリニックなどに相談する、としています。かかりつけの内科医や、保健所・精神保健福祉センターも利用できると書かれています。
睡眠については、睡眠ガイドが、生活を見直しても、十分に眠れない、休養感が得られない、日中の眠気が強いといった状態が続いて、日中の生活に支障がある場合は、速やかに医師に相談するよう勧めています。e-ヘルスネットも、気分の落ち込みや意欲の低下をともなう場合は、早めに専門医を受診する、としています。どれも、診断をする目安ではなく、相談を始める目安です。
- こころの耳 電話相談(厚生労働省):0120-565-455(フリーダイヤル)。平日17〜22時(受付は21時50分まで)、土日10〜16時(受付は15時50分まで)。祝日・振替休日・年末年始(12月29日〜1月3日)は休み。2026年1月から、非通知の電話は受け付けていません
- #いのちSOS(0120-061-338):24時間365日、無料
- よりそいホットライン(0120-279-338):24時間、無料
こころの耳は、働く人とその家族が対象で、新人の看護師も、働く人として当てはまると読めます。公式ページでは、番号を間違えてかける例があるとして、確認が呼びかけられています。かける前に、相談窓口の一覧か、公式ページで番号を見比べてください。つらさが続くときの入口は、つらいときの窓口にもあります。
- 眠れた日と、眠れなかった日
- 食べられたもの(1食でもよい)
- いちばんつらかった場面を、1つ
- 誰かに話せたか。話せなかったか
受診するときも、このメモがあると話しやすいよ。
今日はここまで読めたから、十分だよ。おやすみなさいの準備を、していこうね。
よくある質問
新人の五月病は、病気なのでしょうか?
この記事では、病名の判断はしていません。気分の落ち込みや、生活への大きな支障が続く場合は、自己判断せず、精神科・心療内科などに相談するよう、こころの情報サイトが案内しています。
朝、行きたくない日が続いています。休んでもよいですか?
休むかどうかは、体調と職場の決まりで変わります。まず、就業規則や、師長への連絡の仕方を確かめます。眠れない・食べられない日が続くときは、医療機関や窓口に相談してください。
夜でも電話できる窓口はありますか?
#いのちSOS(0120-061-338)とよりそいホットライン(0120-279-338)は、24時間、無料です。こころの耳の電話は、平日17〜22時と土日10〜16時です(祝日・振替休日・年末年始は休み)。かける前に、公式ページの表記と見比べてください。
出典・参考(公的な情報)
- 令和7年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況(厚生労働省)
- 健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
- 不眠症(e-ヘルスネット)(厚生労働省)
- うつ病(こころの情報サイト)(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
- ストレスチェック Q&A集(厚生労働省)
- 労働安全衛生法 第13条・第66条の10(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働安全衛生法施行令 第5条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 電話相談窓口(まもろうよ こころ)(厚生労働省)
- 働く人の「こころの耳電話相談」(こころの耳(厚生労働省))
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
つぎに読む
この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。