介護と仕事
看護師の介護休業・介護休暇のしくみ。93日・年5日・3年の違いを整理
更新 2026年10月23日読むのに約6分
介護休業、介護休暇、短時間勤務などの名前は似ていますが、日数も使い方も別の制度です。この記事では、法令と厚生労働省の資料で確かめた範囲で、言葉の意味から、対象・日数・給付金・申出の流れまでを整理します。
まずは、名前が似ている制度を、並べて見分けよう。
休業・休暇・短縮の措置。似た名前の制度は、日数の数え方が別
家族の介護で仕事に影響が出るとき、育児・介護休業法には、目的の違う制度がいくつか用意されています。名前が似ているため、介護休業を使い切ったらもう何も使えない、と思い込まれることがありますが、制度ごとに期間の数え方が別です。
- 介護休業:対象家族1人につき、通算93日まで、3回に分けて取れる。仕事を休む制度
- 介護休暇:1年度に5労働日(対象家族が2人以上なら10労働日)。1日単位か時間単位で取れる
- 所定労働時間の短縮などの措置:利用開始から連続する3年以上の期間。短時間勤務・フレックスタイム・始業終業時刻の繰上げ繰下げ・介護費用の助成などのうち、会社が用意するもの
- 所定外労働・時間外労働・深夜業の制限:請求して使う。介護が終わるまで、何回でも請求できると、厚生労働省の資料にある
休業と休暇は、休む制度です。短縮などの措置と制限は、働きながら調整する制度です。介護休業の日数が終わったあとも、短縮などの措置や、残業・深夜業の制限は、別に数えます。使い始めの全体の流れを、先に絵で見ます。中身は、このあとの節で一つずつ確かめます。
- 窓口に相談地域包括支援センターなど
- 会社に伝える介護が必要になったこと
- 申出をする休業は2週間前まで
- 体制をつくる認定の申請・サービス
- 給付を申請原則は会社経由
順番が分かると、動き出しやすいね。
介護休業:対象家族・回数・申出の決まり
対象になるのは、要介護状態にある対象家族を介護するための休業です。要介護状態とは、負傷、疾病、身体上または精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態をいいます。対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫で、同居していなくても対象です。
介護保険の要介護認定を受けていなくても、常時介護を必要とする状態にあれば、対象になりえます。厚生労働省の資料は、判断基準の12項目の状態、または要介護2以上を目安としつつ、基準に厳密に従うことで取得が制限されないよう、柔軟に運用することが望まれる、と書いています。事業主が、要介護認定の通知書や診断書の提出を、利用の条件にすることはできません。
申出は書面が原則で、希望どおりの日から休むには、開始予定日の2週間前までに申し出ます。適正な申出を、事業主は拒めません。ただし、労使協定があれば、引き続き雇用された期間が1年に満たない人、申出の日から93日以内に雇用関係が終わることが明らかな人、週の所定労働日数が2日以下の人は、対象から外れます。期間を定めて雇用される人は、開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに、契約が満了することが明らかでないことが条件です。
休業の終了日は、申出により、1回の申出ごとに1回に限って繰り下げられます。当初の終了予定日の2週間前までに申し出ます。休業中に会社から賃金が出るかどうかは、就業規則で確かめます。
93日って聞くと、短く感じるよね。
休んで、体制をつくる期間、という考え方があるんだって。
お金は介護休業給付金で。上限と、対象外になる場合
介護休業給付金は、雇用保険から支給されます。額は、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じた額の67%です。法律の本則では40%で、当分の間の暫定措置として67%とされているため、現在は賃金の約67%、という言い方になります。
元になるのは、介護休業を始める前6か月の賃金で、上限と下限があります。厚生労働省・ハローワークの資料では、賃金月額の上限は546,600円、1支給単位期間あたりの上限は366,222円、賃金月額の下限は96,090円で、いずれも2027年7月31日までの額です。毎年8月に改定されるため、年を付けて確かめます。
支給されるのは、休業を開始する前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(なければ賃金の基礎となった時間数が80時間以上の月)が12か月以上ある被保険者です。支給単位期間は休業開始日から1か月ごとで、最大3回分です。その期間中に就業している日が10日以下であることも条件になります。
ここで見落としやすい点があります。介護休業を開始する時点で、休業が終わったあとに離職することが予定されている人は、給付の対象にならないと、ハローワークの資料に書かれています。辞めるかどうかを迷っているうちに休業を始める場合は、ハローワークで、自分の場合の扱いを確かめます。
申請は、原則として会社(事業主)を経由して行います。会社を通すのが難しい事情があるときや、本人が自分で手続きをしたいときは、本人が出すこともできます。期限は、各介護休業の終了日(休業が3か月以上にわたるときは、開始から3か月を経過する日)の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日までです。人事に、休業の希望を早めに伝えておきます。なお、日本年金機構の保険料免除の対象として挙がっているのは産前産後休業と育児休業等で、介護休業は挙がっていません。休業中の社会保険料の扱いは、会社の担当者に確かめます。
介護休暇と、働き方の調整。休業の前後で使えるもの
介護休暇は、通院の付き添いや、介護サービスの手続きの代行など、日々の世話に使えます。1年度に5労働日で、対象家族が2人以上なら10労働日です。1日単位か時間単位で取れ、年次有給休暇とは別に与える必要があります。2025年4月から、継続雇用期間が6か月に満たない人を労使協定で除外する規定はなくなりました。他に介護できる家族がいる人の取得も、拒めません。賃金が出るかどうかは、就業規則で決まります。
短縮などの措置は、利用開始の日として申し出た日から、連続する3年以上の期間で使えます。介護休業の93日が終わったあとにも、働き方を調整する道が残っている、ということです。労使協定で、勤続1年未満の人などを対象から外せます。残業免除などの制限は、請求が要り、自動では始まりません。事業の正常な運営を妨げる場合は、例外があります。
| 制度 | 期間・日数 | 動き方 |
|---|---|---|
| 介護休業 | 対象家族1人につき通算93日・3回まで | 申出(開始予定日の2週間前まで)。給付金あり |
| 介護休暇 | 年5労働日(2人以上なら10労働日) | 1日または時間単位。申出で取得 |
| 短縮などの措置 | 利用開始から連続3年以上 | 会社が用意した措置から使う。申出 |
| 残業・深夜業の制限 | 介護が終わるまで、何回でも請求 | 請求制。事業の正常な運営を妨げる場合は例外 |
2026年10月23日に確かめた内容です。会社の窓口で確かめてください。
日数の数え方は、制度ごとに別なんだね。
会社への伝え方と、先に相談する窓口
2025年4月から、労働者が対象家族の介護が必要になったと申し出たとき、事業主は、介護休業の制度や、仕事と介護の両立に役立つ制度を知らせ、休業を申し出る意向を確認するための面談などを行う義務があります。40歳に達した年度などに、制度を知らせる義務もあります。申し出たことを理由とする不利益取扱いは禁止されています。
実際の進め方としては、先に地域包括支援センターに相談してから、会社に伝える形が考えられます。地域包括支援センターは、市区町村が設置するか委託して公的に運営し、相談は無料です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどがいて、仕事との両立の悩みも相談の範囲とされています。介護保険を使うには、要介護認定の申請が必要で、申請は地域包括支援センターに代行してもらえます。認定の効力は申請日にさかのぼり、結果は原則として申請から30日以内に通知されます。
介護保険の対象は、65歳以上の人と、40歳から64歳の医療保険加入者で、特定疾病が原因の人です。自己負担は原則1割で、所得により2割・3割になります。窓口の役割は、次のとおりです。
- 市区町村の介護保険担当課:介護に関する全般的な相談、介護保険の手続き
- 地域包括支援センター:介護や、高齢の家族の生活の相談。要介護認定の申請の代行
- 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室):育児・介護休業法に関する相談
- ハローワーク:介護休業給付の申請手続
- 介護サービス情報公表システム:地域包括支援センターや介護サービス事業所の検索
両立の組み立て方は、看護師の介護と仕事の両立に、辞める前の整理は、介護で仕事を辞める前ににあります。
制度をたどる途中で、気持ちの面で限界が近いと感じたときは、制度の手続きより先に、休むことを優先する道もあります。窓口は、つらいときの窓口にまとめています。
今日は、家族の続柄と、休みたい時期だけ書き出してみよう。
数え方の違いが分かれば、窓口で聞くことも決まるよ。
よくある質問
介護休業は、93日を一度に取らないといけませんか?
対象家族1人につき、通算93日までを、3回まで分けて取れます。1回ごとに申出が要ります。
介護休業の期間中は、給料が出ますか?
会社から賃金が出るかどうかは、就業規則で決まります。雇用保険からは、条件を満たすと、介護休業給付金が賃金の約67%で支給されます(2026年10月時点)。申請は原則として会社を経由しますが、本人が出すこともできます。
親が要介護認定を受けていなくても、介護休業は取れますか?
認定を受けていなくても、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にあれば、対象になりえます。事業主が認定の通知書の提出を条件にすることはできません。目安となる状態は、会社の人事や、都道府県労働局で確かめられます。
出典・参考(公的な情報)
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 育児・介護休業法のあらまし(令和7年4月1日、10月1日施行対応)(厚生労働省)
- 介護休業給付の内容及び支給申請手続について(2026年8月1日版)(厚生労働省・ハローワーク)
- 雇用保険法(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 介護保険法(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 介護保険制度の概要(令和7年7月)(厚生労働省 老健局)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。