結婚と仕事
看護師が結婚を機に退職するか、続けるか。迷いを整理する考え方
更新 2026年10月23日読むのに約6分
結婚で迷うとき、悩みの正体は、結婚そのものよりも、その先の暮らしの見通しにあることが多いです。この記事では、迷いを分けて、立場別の考え方と、両立のチェックリストを整理します。
うれしいことのはずなのに、仕事のことが急に重くなる。そんな気持ちもあるよね。
辞めるか続けるかの前に、何が引っかかっているのかを、見てみよう。
迷いを、3つに分けてみる
「結婚したら仕事をどうするか」には、いくつかの別の問いが混ざっています。分けて見ると、動かせるものと、動かせないものが見えてきます。
- 暮らしの変化:転居・通勤時間・パートナーの勤務など、結婚で実際に変わること
- いまの職場の働き方:夜勤の回数、休みの取り方、勤務の固定のしやすさなど
- これからの見通し:将来の妊娠や育児、働き続けたい期間、収入の見通し
辞めたい気持ちが先に来るときは、3つのうち、どれが原因かを見ます。暮らしの変化が大きいなら、転居や通勤の工夫で解決できるか。働き方がきついなら、結婚とは別に、職場の中で変えられるか。見通しが不安なら、制度や周りの例を調べて、不安の大きさを小さくできるか。それぞれ、動かし方が違います。
天秤の重さは、時期によって変わります。結婚してすぐは、暮らしの変化が大きく、仕事のことを考える余裕が小さくなりがちです。数か月たつと、同じ職場の見え方が変わることもあります。いまの結論が、ずっと続く結論とは限らないと考えておくと、決める負担が小さくなります。
- 収入が続く
- 経験を積み重ねられる
- 戻るときの見通しを立てやすい
- 暮らしの時間をとれる
- 転居に合わせて動ける
- 体を休める余裕ができる
どちらにも、いい点はあるよ。重さを比べてみよう。
立場別に、考える順番が変わる
同じ「結婚」でも、立場によって、先に決めることが違います。当てはまるものから、読んでみてください。
- 転居を伴う結婚:辞めるかどうかの前に、転居先で看護師の仕事を探せるか、いつまでに引っ越すかを決めます。退職日は、そこから逆算します。進め方は、引っ越しを伴う転職にあります。
- いまの職場で続けたい場合:夜勤や休みの取り方が、結婚後の暮らしと合うかを、パートナーと話します。勤務の希望の出し方は、シフト希望の出し方も参考になります。
- 近いうちに妊娠を考えている場合:辞めるか続けるかを、妊娠・出産後の制度を知ってから決める人もいます。妊娠が分かったあとの退職は、妊娠中の退職で扱います。
- パートナーが転勤のある仕事の場合:転勤のたびに退職するか、働き方を変えるかを、先に考えておくと動きやすくなります。夫の転勤と看護師の仕事も参考にしてください。
- いまの職場がつらく、結婚が区切りに思えるとき:結婚を理由にすると、決めやすい人もいます。ただ、つらさが主な理由なら、辞めたい気持ちの整理も読んでみてください。
どの立場でも、最初に決めるのは、辞めるか続けるかではなく、「いつまでに何を決めるか」です。転居の日、結婚の日、勤務表の締切といった、動かせない日を先に書き出すと、考える順番が見えます。
パートナーとの話し合いでは、「どうするか」を決める前に、次の3つを聞き合うと、話が噛み合いやすくなります。
- それぞれが、いまの暮らしの中で、いちばん譲れないことは何か
- 結婚後の1年で、住まい・勤務・お金がどう変わりそうか
- 仕事を辞める・変えるとしたら、いつまでに決める必要があるか
どちらか一人が我慢する形で決めると、あとから不満が出やすくなります。結論を急がず、「いまの考え」を共有する場として使います。話し合いのメモを、現在地ログに残しておくと、あとで見直せます。
ここで少し休憩。頭の中の「こうすべき」を、いったん脇に置いてみよう。
結婚を理由にした退職の定めや解雇は、法律で禁止されている
結婚を理由にした扱いについては、男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)9条があります。事業主は、女性労働者が婚姻したことを退職理由として予定する定めをしてはならず(1項)、婚姻したことを理由に解雇してはならない(2項)と、条文に定められています。「結婚したら退職する決まり」のような定めは、この条文で禁止されています。ふだんの職場でこうしたことが起きるとは限りません。念のため、知っておくと安心できる点として書いています。
一方で、本人が自分の意思で辞めることは、別の話です。辞めるかどうかは、自分で決められます。職場から結婚を理由に辞めるよう言われて困ったときは、都道府県労働局にある総合労働相談コーナー(平日の日中。無料・予約不要)や、雇用環境・均等部(室)に相談できます。窓口の選び方は、労働相談の窓口の選び方にまとめています。
退職を決めたときの手続き(民法627条の2週間と、就業規則の確認)は、退職の理由と手続きにまとめています。結婚の報告のしかたと、結婚休暇は、結婚の報告のタイミングと休暇の取り方で扱います。
決めるまでの順番と、両立のチェックリスト
辞めるか続けるかは、一度で決めなくてだいじょうぶです。順番をつけて、動かせるところから確かめます。
- 1. 3つの迷い(暮らし・働き方・見通し)を書き出す
- 2. パートナーと、住まい・勤務・将来の予定をすり合わせる
- 3. 職場で変えられそうなことを、職場に聞く(勤務の希望・夜勤の回数など)
- 4. 退職するなら、就業規則の申出期限と、有給休暇の残りを確かめる
- 5. 続ける場合は、見直す時期を決める(半年後など)
辞めると決めた場合も、そこで終わりではありません。次の働き方(パートで続ける、転居先で探す、しばらく休む)の候補を、退職の前に、簡単に書いておきます。再就職の考え方は、再就職の進め方にまとめています。続ける場合も、迷いが出たときに相談できる人(上司・先輩・パートナー)を、先に決めておくと、気持ちが楽になります。
答えが出ない日は、気持ちを一行だけ残して、今日は終わりにしよう。
答えが出ないままでも、ちゃんと向き合えている証拠だよ。
決まらない間は、決まらないままで、いいからね。
よくある質問
結婚を理由に、退職を求められたら、どうなりますか?
男女雇用機会均等法9条は、婚姻を退職理由として予定する定めと、婚姻を理由とする解雇を禁止しています。そう言われて困ったときは、都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。
結婚してすぐに辞めるのは、早すぎますか?
早い・遅いの決まりはありません。結婚で暮らしがどう変わり、いまの働き方で続けられるかを、書き出して確かめます。就業規則の申出期限と、有給の残りも、退職の前に確認します。
結婚を機に、正職員からパートに変えるのは、ありですか?
辞めるか続けるかの間に、働き方を変える道もあります。同じ職場で雇用の形を変えられるかは、就業規則や職場の運用によるので、上司に相談します。収入や社会保険の扱いが変わるので、パートナーと家計の見通しも共有しておきます。
出典・参考(公的な情報)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。