資格の比較
看護師から精神保健福祉士へ。公認心理師・社会福祉士の取り方も比べる
更新 2026年10月23日読むのに約7分
精神保健福祉士・社会福祉士・公認心理師は、どれも看護師免許が受験資格に入らない資格です。この記事では、それぞれの法律の受験資格を並べ、看護師が通りやすいルートを、学歴ごとに比べます。
精神科で働くうちに、福祉や心理の資格が気になる人もいるよね。
3つの資格の入口を、法律の条文で並べてみよう。
3つの資格は、看護師免許とは別の入口
精神保健福祉士は、精神保健福祉士法7条に、国家試験の受験資格が11の号で書かれています。社会福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法7条に12の号、公認心理師は、公認心理師法7条に3つの号です。どの条文にも、看護師免許を受験資格とする規定はありません。看護師の経験は、そのままでは受験資格にならず、学歴と養成施設、または決められた実務の組み合わせで入口を満たします。
| 資格 | 大学を卒業している人の主な道 | そのほかの道の例 |
|---|---|---|
| 精神保健福祉士 | 一般養成施設等で1年以上(3号)。基礎科目を修めて卒業なら短期養成施設等で6月以上(2号) | 相談援助の業務4年以上+一般養成施設等1年以上(10号)。社会福祉士+短期養成施設等6月以上(11号) |
| 社会福祉士 | 一般養成施設等で1年以上(3号)。基礎科目を修めて卒業なら短期養成施設等で6月以上(2号) | 相談援助の業務4年以上+一般養成施設等1年以上(11号) |
| 公認心理師 | 大学で必要な科目を修めて卒業し、大学院で必要な科目を修めて修了(1号) | 大学で必要な科目を修めて卒業し、指定の施設で実務(2号) |
各法律の第7条による。号の中の「準ずる者」や期間の細部は、省令と試験機関の案内で確かめる。
どれも、看護師免許とは別の入口なんだね。
精神保健福祉士と社会福祉士は、作りがよく似ています。大学で必要な科目(指定科目)を修めて卒業した人は、そのまま受験できます(1号)。看護系の大学を卒業した人は、まず成績証明書で指定科目や基礎科目を修めているかを確かめ、修めていなければ、大学を卒業していることを入口に、一般養成施設等で1年以上学ぶ道(3号)を確かめます。公認心理師は、大学で心理学などの必要な科目を修めることが前提なので、看護師から目指すと、大学で学び直すところから始まります。
看護師が精神保健福祉士を目指す、学歴ごとのルート
看護系の大学を卒業している人は、3号の道が中心です。一般養成施設等で1年以上学んで、国家試験を受けます。養成施設の入学に必要な学歴や、実習科目の免除は、社会福祉振興・試験センターの案内では、各養成施設等が審査するとされています。看護の実習や臨床の経験で、実習の一部が免除になるかは、志望する養成施設に聞きます。
専門学校(看護師3年課程)を卒業している人は、条文の「大学を卒業した者その他その者に準ずるもの」に当たるかが分かれ目です。準ずる者の範囲は、厚生労働省令で決められています。自分の卒業した課程が、どの号の「準ずる者」に当たるかは、試験センターの資格取得ルート図と、養成施設の入学審査で確かめます。大学に準ずる者に当たらなくても、短期大学などを卒業した者に準ずる者に当たれば、指定施設で相談援助の業務に2年以上従事してから、一般養成施設等で1年以上学ぶ道(9号)があります。どちらにも当たらない場合は、相談援助の業務に4年以上従事してから、一般養成施設等で1年以上学ぶ道(10号)です。
年数の見積もりも、号ごとに変わります。3号なら、養成施設の1年以上と、その後の国家試験です。10号なら、相談援助の業務4年以上と養成施設1年以上で、少なくとも5年以上かかります。社会福祉士の資格を先に持っている人は、11号で短期養成施設等の6月以上に短くなります。国家試験の申し込みの締め切りは、令和8年度の例では10月初めだったので、養成施設を修了する年の申し込みの時期を、入学の前に確かめておきます。働きながら通うなら、学び方(通学か通信か)と、実習の期間に勤務をどう空けるかが、もう一つの見積もりになります。
相談援助の業務に数えられるのは、指定された施設で、決められた職種として働いた期間です。看護師としての病棟の勤務が、そのまま相談援助の業務に当たるとは限りません。試験センターは、相談援助の実務の範囲を一覧で示しているので、自分の職場と職種が当たるかを、一覧で確かめます。なお、第29回(令和8年度)の精神保健福祉士国家試験の受験申し込みは、2026年10月2日に終わっています。
- 学歴を確かめる大学卒か専門学校卒か
- 号を当てはめる3号・10号など
- 養成施設を選ぶ通学か通信か
- 実習の免除を聞く各養成施設が審査
- 国家試験申込みの時期に注意
最初は、自分の学歴がどの号に当たるかだよ。
精神科での看護の経験は、福祉の学びでも生きる場面があるよ。
社会福祉士・公認心理師と、どう比べるか
社会福祉士は、精神保健福祉士と同じく、大学卒なら一般養成施設等で1年以上(3号)が中心の道です。精神保健福祉士法7条11号は、社会福祉士の人が短期養成施設等で6月以上学ぶと、精神保健福祉士の受験資格を得られると定めています。社会福祉士を先に取ってから精神保健福祉士を足す、という順番も、条文の上で用意されています。
公認心理師は、大学と大学院(1号)、または大学と指定の施設での実務(2号)が基本の道で、どちらも大学で心理学などの必要な科目を修めることが前提です。看護師から目指すなら、心理学の科目を置く大学に入り直すか、編入できるかを確かめるところから始まります。年数の負担は3つの中で最も大きくなりやすいので、何のために取るのかを先に決めます。
免許を生かす場として、ストレスチェックの実施者もあります。労働安全衛生規則52条の10は、医師・保健師のほか、必要な研修を修了した歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師を実施者に含めています。看護師のままで研修を受けて実施者になる道もあるので、看護師が産業看護師になるにはも見比べます。
福祉の資格(精神保健福祉士・社会福祉士)
大学卒なら養成施設で1年以上が中心。社会福祉士から精神保健福祉士を足す近道(6月以上)もあります。
心理の資格(公認心理師)
大学で心理学などの科目を修めることが前提。大学院か指定施設での実務が加わり、年数が長くなりやすい資格です。
保健師やケアマネなど、看護師免許が入口に入る資格
看護師免許が入口に入る資格は、別の記事で扱っています。保健師として行政や企業で働く道は看護師から保健師への転職、助産師の学校は助産師になる学校の選び方、ケアマネジャーは看護師がケアマネジャーになる条件、学校の保健室は看護師が養護教諭になるにはです。全体を目的から並べた表は、看護師が取れる資格の早見表にあります。福祉・心理の資格と違い、こちらは看護師免許や看護師としての実務が入口の条件に入るので、いまの経験をそのまま数えられるかどうかが、比べるときの大きな違いになります。
看護師として精神科で5年働いています。看護系の専門学校卒ですが、入学の審査と、実習科目の免除の扱いを教えていただけますか。
養成施設に問い合わせるときの文例(年数や学歴は自分のものに置きかえる)
自分に当たる号が分かると、次の一歩が決まるよ。
よくある質問
看護師から精神保健福祉士になるには、どうすればよいですか?
精神保健福祉士法7条に、看護師免許を受験資格とする規定はありません。看護系の大学を卒業した人は、一般養成施設等で1年以上学ぶ道(3号)が中心です。専門学校卒の人は、条文の「準ずる者」に当たるかを、試験センターのルート図と養成施設の審査で確かめます。
看護師の経験は、相談援助の実務に数えられますか?
相談援助の業務は、指定された施設で、決められた職種として働いた期間が対象です。看護師としての勤務がそのまま当たるとは限らないので、社会福祉振興・試験センターの相談援助業務の一覧で確かめてください。
看護師が公認心理師や社会福祉士になるには、どうすればよいですか?
社会福祉士は、大学卒なら一般養成施設等で1年以上学ぶ道(社会福祉士及び介護福祉士法7条3号)が中心です。公認心理師は、大学で心理学などの必要な科目を修めて卒業し、大学院で必要な科目を修めるか、指定の施設で実務を積む道(公認心理師法7条)です。
出典・参考(公的な情報)
- 精神保健福祉士法 第7条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 精神保健福祉士国家試験(受験資格・資格取得ルート図)(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 社会福祉士及び介護福祉士法 第7条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 公認心理師法 第7条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働安全衛生規則 第52条の10(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。