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ミス・自信・感情

看護師のミスが怖いとき、落ち込みから戻るための5つの手順

更新 2026年10月23日読むのに約7分

ミスや注意のあとの怖さは、戻る順番が分かると、少し小さくなります。この記事では、体から整え、事実と言い方を分け、話す相手を選ぶ5つの手順と、辞めたい気持ちの置き方を整理します。

怖いって思うのは、ちゃんと向き合っているからこそ、だよね。

怖さの中身は、3つが混ざっている

ミスのあとの怖さは、一つの感情に見えて、中身がいくつか混ざっています。分けて見ると、手を入れる場所が見えます。

  • 患者さんへの影響が怖い:実際にどんな影響があったか、いま対応が済んでいるかは、事実として確かめられる
  • 責められること、評価が下がることが怖い:先輩や師長の反応への不安。想像と実際を分けて見る
  • また繰り返すのが怖い:次の勤務への不安。手順や仕組みで防ぐ方法を考える

どれが一番大きいかが分かれば、次にすることも決まります。患者さんへの影響が大きい不安なら、事実の確認と報告が先です。責められる怖さが大きいなら、話す相手を選ぶことが先になります。繰り返す怖さなら、次の勤務の最初の1時間の決めごとが助けになります。

なお、仕事の失敗や責任の重さに、強い不安や悩みを感じる人は、珍しくありません。厚生労働省の令和7年(2025年)の労働安全衛生調査では、仕事や職業生活に強い不安・悩み・ストレスとなる事柄があるとした労働者が挙げた内容として、「仕事の失敗、責任の発生等」が39.5%で、「仕事の量」(39.5%)と並んで最も多い回答でした(主なもの3つ以内の回答)。全職種の調査で、看護師に限った数字ではありません。

戻る手順は、体から先に

落ち込みから戻る5つの手順
  1. 体を戻す眠る・食べる
  2. 事実にする起きたことだけ
  3. 言葉を分ける内容と言い方
  4. 1人に話す先輩・師長・窓口
  5. 次を決める最初の1時間

上から順番に、できるところまででいいからね。

手順1は、体を戻すことです。気持ちが沈んでいるときは、眠りや食事が後回しになりやすいものです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人では6時間以上を目安にしつつ、適正な睡眠時間には個人差があるとしています。眠れない日が続くときは、睡眠の整え方を見ます。

手順2は、起きたことを事実にすることです。「〜だと思う」を外して、いつ、何が、誰にどう伝えたかを、時刻つきで書きます。夜に書く形は、ミスを引きずる夜の切り替えノートにまとめています。書いたら、すでに報告したこと、確認したことを、別に並べます。

手順3は、言われたことを、内容と言い方に分けることです。次の節で扱います。手順4は、1人に話すことです。話す相手は、あとの節で並べます。手順5は、次の勤務の最初の1時間に何をするかを、1つ決めることです。たとえば、最初に先輩へ一言声をかける、確認の手順を声に出す、と決めておくと、怖さのまま出勤するより、動きが決まります。

今日の分の3つ

体が先だよ。今夜は寝る時刻だけ、決めておこうね。

注意された・怒られたときは、内容と言い方を分ける

注意されたあと、気持ちが沈んで、言われたこと全体が怖くなることがあります。そこで、受け取った言葉を、2つに分けて眺めます。何が問題だったかという「内容」と、どう言われたかという「言い方」です。

内容

確認の手順、報告のタイミング、記録のしかたなど、次に変えられること。ここは、受け止めて次に活かせる部分です。分からなければ、具体的にどうすればよいかを聞き返せます。

言い方

大きな声、皆の前での指摘、人格に触れる言葉など。内容とは別に、つらさが残る部分です。繰り返されるなら、記録に残し、一人で抱えずに相談します。

内容は、直せる部分として持ち帰ります。言い方は、自分の責任として引き取る必要はありません。つらさが続くときは、人間関係の悩みを3つに分けるも使えます。日付と場面を、現在地ログに残しておくと、あとで相談するときの材料になります。

辞めたい気持ちは、決める前に置いておく

ミスのあとに、辞めたい、という気持ちが強くなるのは、よくあることです。ただ、落ち込みが一番深い時期に出した結論は、あとで見直したくなることがあります。決めるのを、何日か置いておきます。置いている間は、手順の1から順に、体と事実を整えます。

置いたあとも気持ちが変わらないときは、辞めたい理由を分けて考える段階です。「辞めたい」を、3つに分けて考えるに整理のしかたがあります。インシデントの責任や、法的な扱いが気になるときは、医療事故と責任の記事に続けます。この記事では扱いません。

疲れが長く続いて、仕事から距離を取りたくなるときの言葉として、燃え尽き(バーンアウト)があります。WHOは2019年に、国際疾病分類ICD-11の中で、燃え尽きを、うまく対処されてこなかった慢性的な職場のストレスから生じる症候群と説明し、エネルギーの枯渇感や疲弊感、仕事への心理的な距離の増大や否定的な気持ち、職業的な有効性の低下を特徴に挙げています。職業の場面に限った言葉だとも書かれています。ここでは、言葉の一つとして知っておくだけにして、当てはまるかを自分で判定するものとはしません。

しんぱいが大きいときは、ひとりで決めなくていいんだよ。

話す先は、職場の中にも外にもある

手順4の「1人に話す」は、誰でもいいので、一人だけ選ぶことから始めます。順に挙げると、同じ経験をした先輩、師長、産業医、そして職場の外の窓口です。産業医は、治療をする主治医とは役割が違い、労働者の健康管理などを行う医師です。相談した内容が職場にどう伝わるかは、先に、産業医本人に確かめておくと安心です。

ストレスチェックを受ける義務は労働者にはない、と厚生労働省のQ&Aは説明しています(全労働者の受検が望ましいとも、書かれています)。また、労働安全衛生法は、検査を行った医師等が、本人の同意を得ないで結果を事業者に提供してはならないと定めています。仕組みの詳細は、ストレスチェックの記事にまとめています。

先日のことが気になって、気持ちの整理がつきません。少しだけ、聞いてもらえませんか。

先輩に話しかけるときの一言

職場の外では、働く人向けの公的な窓口を使えます。こころの耳電話相談は、0120-565-455(フリーダイヤル)で、平日17:00〜22:00、土日10:00〜16:00です(受付は終了の10分前まで。祝日・振替休日・年末年始は対象外)。夜間・24時間の窓口には、#いのちSOS(0120-061-338、24時間、無料)などがあります。番号と受付時間は変わることがあるので、かける前に公式ページで確かめてください。まとめはつらいときの窓口にあります。

気分の落ち込みや、日常生活への大きな支障が続くときは、自己判断せず、精神科・心療内科、かかりつけの内科医、保健所・精神保健福祉センターなどに相談するよう、国立精神・神経医療研究センターのこころの情報サイトは案内しています。診断はこの記事ではしません。

話せる先は、ちゃんとあるからね。

話す相手を一人決められたら、今日はそれで十分だよ。

よくある質問

ミスが怖くて、出勤するのがつらいときは?

手順の1から順に、体を先に整えます。次の勤務の最初の1時間にすることを1つ決めておくと、怖さのまま出勤するより動きが決まります。つらさが続くときは、産業医やこころの耳などの窓口に話してください。

ミスのあと、辞めたいと思うのは普通ですか?

珍しいことではありません。ただ、落ち込みが深い時期の結論は、あとで見直したくなることがあります。何日か置いて、体と事実を整えてから、辞めたい理由を分けて考えてください。

注意された内容に、納得できないときは?

内容と言い方に分けて見ます。内容に納得できなければ、具体的にどう直せばよいかを聞き返せます。言い方がつらいときは、日付と場面を記録して、先輩や師長、窓口に相談してください。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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