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責任とプレッシャー

看護師の責任が重いと感じて眠れないとき。分けて持つ考え方と相談先

更新 2026年10月23日読むのに約6分

責任の重さは、仕事から離れた夜にも頭の中で続きます。自分が持つものと、みんなで持つものを分けるための考え方と、渡し先、相談先をまとめました。

責任が重いと、夜になっても、頭が休まらないよね。

責任は、ひとかたまりではない

責任が重いと感じるとき、頭の中では、患者さんのこと、次の勤務のこと、過去の出来事が、一つの塊になって回りがちです。塊のままだと、どこから手をつければよいのか分からず、休んでいても休まりません。そこで、持つものを分けて見ます。

厚生労働省の令和7年「労働安全衛生調査(実態調査)」では、強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者は67.5%でした。その内容(主なもの3つ以内)は、「仕事の失敗、責任の発生等」が39.5%で、「仕事の量」と並んで最も多い項目でした。看護師だけの数字ではなく、10人以上の民営事業所で働く人全体の調査です。それでも、責任のことで頭がいっぱいになるのは、特別なことではないと分かります。

責任を、分けて持つ
自分が持つもの
  • 目の前の確認と、記録を残すこと
  • 分からないことを、早めに伝えること
  • 気づいたことを、報告すること
みんなで持つもの
  • 人員の配置や、勤務の組み方
  • 手順や仕組みを見直すこと
  • 結果の全体(一人では決まらない)

自分が持つ分は、思ったより小さいかもしれないね。

塊だった責任が、左と右に分かれて見えてきたかな。

夜、頭の中で回る責任を、3つの箱に分ける

眠れない夜に、頭の中の責任を3つの箱に入れていきます。ひとつ目の箱は、今日のうちにできる確認です。たとえば、申し送りの抜けが気になるなら、明日朝いちばんに確認する、と書いておきます。ふたつ目の箱は、明日の自分や、ほかの誰かに渡すことです。引き継ぎ書に書く、師長に相談する、などです。みっつ目の箱は、自分の力では決まらないことです。結果や、他人の判断、過去の出来事がここに入ります。

たとえば「あの患者さんの状態の変化を、見逃していないか」が気になるときは、ひとつ目の箱に「朝いちばんに、記録を見直す」を入れます。ふたつ目の箱には「気になった点を、日勤の担当への申し送りに書く」を入れます。「もし何かあったら」という想像は、みっつ目の箱です。同じ心配でも、どの箱に入るかを決めるだけで、夜に回る量が変わります。

みっつ目の箱に入れたものは、考え続けても、状況は変わりません。それでも頭が回るのは、「考えている間は責任を果たしている」という感覚があるからかもしれません。そこで、ひとつ目とふたつ目の箱に、行動を一つずつ書いておきます。行動が決まっていれば、夜中に考え続けなくても、責任を手放したことにはなりません。

寝る前の5分メモ

メモの置き場所を枕元から離すのは、寝床の中で見返さないためです。e-ヘルスネットは、眠れないまま長く寝床にいると悪化しやすいため、眠くなるまで別の場所で過ごすよう説明しています。メモを書いたあとは、一度、寝床から離れる、という選び方もあります。

渡す先を、仕組みの中に作る

責任を分けても、渡す先がないと、結局は一人で持つことになります。報告・連絡・相談の先を、勤務のたびに決めておきます。誰に、どの内容を、いつ伝えるかを、自分の言葉で決めると、迷いが減ります。

この患者さんの対応について、一人で判断するのが不安です。確認の順番を、一度見ていただけますか。

先輩や師長に、責任を分けるための伝え方の例

渡す先は、勤務の種類ごとに決めておくと、夜中に迷いません。決めた先は、手帳やメモの最初のページに書いておくと、焦っている場面でもすぐ見返せます。

  • 日勤:その日のリーダーに、気になる点を昼までに一度伝える。判断に迷う指示は、医師への確認をリーダーと一緒に行う
  • 夜勤:夜勤の責任者(管理当直など)の呼び方を、勤務の始めに確かめておく。迷ったら「様子を見る」より先に、一言相談する
  • 勤務の終わり:気になったことは、申し送りか記録に残し、自分の頭の中だけに置いて帰らない
  • 繰り返し重くなる業務(リーダー、新人の指導など):一度の勤務ではなく、師長との面談で、役割の範囲を相談する

健康面では、職場の産業医や、ストレスチェックの面接指導も渡す先の一つです。結果は本人の同意なく事業者に渡らず、受検の義務もありません(労働安全衛生法66条の10)。くわしい仕組みはストレスチェックの記事にまとめています。

眠れない夜が続くときの流れは、眠れない夜が続くとき、できることと受診の目安に書きました。ミスへの怖さと責任が結びついているときは、報告と振り返りの型で同じミスを減らすも手がかりになります。

分けて持つって、考えることが多かったね。ひと息ついてから、最後まで読もう。

眠れない夜が続くときは

夜の頭は、昼より重く感じやすい

答えを出さなくていい夜も、あっていいんだよ。

箱に分けても、数日たっても眠れない、日中の生活に支障が出ている、気分の落ち込みが続く。そうしたときは、メモの工夫の段階を超えているのかもしれません。厚生労働省の睡眠ガイド2023は、睡眠の不調や休養感の低下があるときは、生活習慣の改善とともに、病気が潜んでいる可能性にも留意するよう書いています。眠れない状態が続き、日中の生活に影響するときは、速やかに医師に相談するよう案内しています。

話したいときは、働く人向けのこころの耳の電話・SNS相談があります。番号と受付時間(祝日・振替休日・年末年始は休み)はメンタル相談窓口の一覧にまとめています。夜中でも話したいときは、24時間の#いのちSOS(0120-061-338)やよりそいホットライン(0120-279-338)があります。

眠れなかった翌朝は、寝る前の5分メモを開いて、ひとつ目の箱の確認を勤務の最初に済ませます。済んだものには線を引きます。1週間たったら、線を引けた数と、引けずに残ったものを数えます。線が引けないまま何度も出てくるものは、自分ひとりの工夫で持てる量を超えている合図です。そのメモを持って、師長との面談で「この部分を誰に渡せるか」を相談します。

責任の重さとつながる「看取り」のつらさは、次の看取りのつらさで扱います。前に読むなら、敏感で疲れやすい人の働き方の工夫がつながります。

ひとりで持ちすぎなくて、いいからね。

今夜は、持つ分だけ持って休もう。

よくある質問

責任が重くて、夜眠れない日が続いています。どうしたらよいですか?

気になることを書き出して、今日のうちにできること・誰かに渡すこと・自分では決まらないことに分けてみてください。それでも日中の生活に支障が出るなら、睡眠ガイド2023に沿って、医師に相談する段階です。

責任のことを、職場の誰に相談すればよいですか?

まず、報告や相談の相手になっている先輩や師長です。健康面なら産業医など、職場の窓口もあります。相談の内容がどう伝わるかを先に確かめておくと安心です。

リーダーや指導役の責任が重すぎると感じたら、どうすればよいですか?

一度の勤務で抱え込まず、どの場面で判断に迷うかを2〜3週間メモしてから、師長との面談で役割の範囲を相談します。「この判断は誰に上げればよいか」を決めてもらうだけでも、夜に回る量が減ります。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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