先輩・師長・同期との関係
看護師が師長に相談・面談するときの切り出し方と準備。場面別の文例つき
更新 2026年10月23日読むのに約5分
師長に相談したいのに、声をかける最初の一言で止まってしまうことがあります。この記事では、話の種類の分け方、切り出しの文例、持っていく1枚メモ、話したあとの確認を、順にまとめます。
相談の難しさの半分は、中身より、最初の一言にあるのかもしれないね。
相談したいのに切り出せない。まず、話の種類を3つに分ける
師長に相談したいことがあっても、「忙しそうだから」「こんなことで時間をもらってよいのか」と考えて、声をかけそびれる日があります。切り出せない理由の一つは、自分でも、何を話したいのかがまとまっていないことです。そこで、話の種類を先に分けます。
- 報告:起きたことを伝えるだけの話。例:インシデントの経過、患者さんの状況の変化、休みが必要になった事情
- 相談:一緒に考えてほしい話。例:夜勤の回数、担当の持ち方、業務量、先輩との関わり方
- 退職の話:辞める意思を伝える話。進め方がまったく別なので、師長との退職面談で話すことに任せます
報告は短い時間で済み、立ち話でも伝わります。相談は、相手が考える時間を必要とするので、時間を決めて頼むほうが、落ち着いて聞いてもらいやすくなります。同じ「ちょっといいですか」でも、どちらの話なのかが伝わると、相手は受け止める準備ができます。
報告のとき
何が・いつ・どうなったかを、短く伝えます。判断をお願いしたいのか、知っておいてほしいだけなのかを、最後に一言添えます。
相談のとき
困っていること・事実・希望の順に伝えます。答えをすぐ求めず、考えてもらう時間を残します。
迷うときは、「この話は、師長に決めてほしいのか、知っておいてほしいのか」を、自分に聞いてみます。決めてほしいなら相談、知っておいてほしいなら報告として頼みます。
相手との関係そのものが悩みのときは、看護師の人間関係の悩みから整理するほうが近道です。師長と合わない、と感じているときの距離の取り方は、師長と合わないときの話し方と距離にまとめています。この記事では、話すと決めたあとの準備に絞ります。
切り出しの一言と、時間・場所の頼み方
切り出しで大事なのは、話の種類、かかる時間のめやす、お願いしたいこと、の3つを、一言に入れることです。長く説明する必要はありません。
夜勤の組み方のことで、ご相談があります。10分ほど、今日か明日のどこかで、お時間をいただけますか。
勤務中に、相談として時間を頼む例
時間を「10分」「15分」と区切ると、相手も予定を組みやすくなります。実際には、話が長くなることもあります。そのときは、区切りのところで「続きは、また別の日でもよいですか」と言えば足ります。
- 勤務中に声をかけられそうなとき:「今、少しよろしいですか。相談したいことがあって、あとで時間をいただきたいのですが」と、まず時間だけを頼む。話の中身は、その場では言わない
- 忙しそうで声をかけにくいとき:職場で使っている連絡の方法(連絡ノートやメッセージなど)で、「相談があります。ご都合のよい時間を教えてください」と送り、返事を待つ
- 人に聞かれたくないとき:「人のいない場所で」と一言添える。理由は、「個人的なことなので」程度で足りる
- 勤務の前後に頼むとき:始業前や終業後は、相手も自分も余裕がないことがある。勤務の区切りに合う時間帯を選ぶ
話しはじめる前に、持っていくメモを1枚つくります。長い文章にせず、単語や短い文で足ります。数字が入ると、相手も状況を想像しやすくなります。
- 話したいこと:夜勤の連続が続いて、回復しにくい
- 事実:直近1か月の夜勤は○回。連続は最大○日
- 希望:連続を2回までにできないか
- 聞きたいこと:調整できる時期と、難しい場合の代わりの案
- お願い:ここだけの話にしてほしい(あれば)
メモは、読み上げるためじゃなくて、迷子にならないためのものだよ。
避けたい切り出しもあります。「みんな言っています」と、他の人の声を借りる言い方は、話がそれやすくなります。「もう無理です」とだけ伝える切り出しも、相手が何を受け止めればよいのか分かりにくくなります。つらさが強いときは、そう伝えたうえで、困っている場面を一つ添えます。
文例は、そのままより、自分の言葉に少し直して使うほうが、ずっと話しやすいよ。
場面別の文例。シフト・業務量・ミス・体調・人間関係
相談の種類によって、最初に伝えることと、持っていくものが変わります。次の表で全体を見てから、文例を選びます。
| 相談の種類 | 最初の一言の軸 | 持っていくもの |
|---|---|---|
| シフト・夜勤 | 回数や連続の事実と、希望 | 直近1〜2か月の勤務の数字 |
| 業務量・担当 | 困る場面と、その頻度 | 1日の流れで詰まる時間帯のメモ |
| ミス・不安 | 起きたことと、いま不安なこと | 時系列のメモ。改善の案があれば1つ |
| 体調・生活の変化 | 事情と、勤務への影響 | 変わった時期と、頼みたい配慮 |
| 人間関係 | 困る場面と、続いている期間 | 日付つきの事実のメモ(感想は別に) |
目安です。職場の決まりに合わせて使ってください。
全部そろえなくても、1行ずつ書けたら、それで足りるよ。
文例は、いずれも「困っていること、事実、お願い」の順にしてあります。そのまま読むのではなく、自分の職場の言葉に直して使います。
- シフト・夜勤:「夜勤が続く週に、疲れが抜けにくくなっています。直近の1か月は夜勤が○回でした。連続を減らす調整ができるか、教えていただけますか」
- 業務量・担当:「午前の処置と記録が重なり、患者さんへの声かけが後ろになりがちです。担当の持ち方か手順の見直しで、変えられるところがあるか、ご意見をいただけますか」
- ミス・不安:「先日の投薬のミスのあと、確認の場面で緊張が強くなっています。確認の手順を、一緒に見直していただくことはできますか」
- 体調・生活の変化:「家庭の事情で、来月から送迎が必要になりました。夜勤の入り方について、相談させてください」
- 人間関係:「同じ勤務帯の先輩との報告のやり取りで、困っていることがあります。具体的な場面を3つ持ってきたので、聞いていただけますか」
どの文例にも、相手を責める言葉を入れていません。事実と希望だけにすると、反論を受けにくく、話が先に進みやすくなります。人間関係の相談では、相手の名前を出すかどうかを、先に決めておきます。出すときは、感想ではなく、いつ・どこで・何を言われたかの事実にします。
いずれの場面でも、答えをもらうことより、状況を知ってもらうことを、最初のゴールにします。その場で解決しなくても、「話した」という事実が、次に動くときの足場になります。
話したあとにすること。うまく伝わらなかったとき
面談の最後に、2つを確かめます。いつまでに、どちらが動くのか。次に話す日を決めるのか、です。「では、来週のシフト表が出る前に、もう一度お話しできますか」のように、日を決めておくと、話が流れにくくなります。
返事がなかなか来ないときは、決めた日が来たところで、短く声をかけ直します。「先日ご相談したシフトの件、その後いかがでしょうか」の一言で足ります。それでも動かないときや、師長との関係そのものが難しいときは、上で触れた師長と合わないときの記事の「出口」の節が参考になります。
直属の師長だけで進まない場合に、主任や看護部の窓口、産業医など、職場にほかの相談先があるかを、確かめておく人もいます。あるかどうか、どう使うかは職場ごとに違うので、院内の案内や就業規則で調べるか、信頼できる先輩に聞いてみます。同じ職場で合わないと感じる範囲が広いときは、職場が合わないと感じたときの記事も、距離の取り方の参考になります。
最初の一言が出せたら、あとは、メモが支えてくれるからね。
声をかける日は、今日じゃなくても大丈夫。準備ができた日が、いい日だよ。
よくある質問
師長に相談したいとき、勤務中に声をかけてもよいですか?
声をかけて時間を頼むところまでなら、勤務中でも問題ないことが多いです。話の中身は、その場では言わず、時間を決めて別に話します。患者さんの状況が落ち着いている時間帯を選び、職場の連絡の決まりに合わせてください。
師長との面談が緊張します。どう準備すればよいですか?
話したいこと・事実・希望・聞きたいこと・お願いの5つを、1枚のメモに書いて持っていきます。読み上げなくてもよく、言葉に詰まったときに見る用です。最初の一言を、あらかじめ声に出して1回言ってみると、落ち着きやすくなります。
相談したことを、ほかの人に話されないか心配です。
最初に、「個人的なことなので、ここだけの話にしていただけますか」と頼むことができます。相手の対応は職場によって違うため、話す内容の範囲を、自分で決めておくと安心です。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。