本文へ
ナースの現在地診断する

当サイトは広告(PR)を含みます。掲載サービスから報酬を受け取ることがあります。

心とからだのケア

看護師の「仕事ができない」を、能力と環境に分けて見る

更新 2026年10月23日読むのに約5分

年数を重ねても、「自分だけ仕事ができない」と感じる日は来ます。この記事では、その気持ちを能力の話と環境の話に分けて、どこから手をつけるかを決めます。

ずっと働いてきたのに、まだできてない気がする。そんな日、あるよね。

ここでは責めずに、中身を見ていくよ。

「できない」を、場面ごとにほどく

「仕事ができない」という言葉は、思ったより大きな袋です。動きが遅い、覚えたはずのことが抜ける、同時に頼まれると頭が真っ白になる、優先順位がつけられない、同じ種類のミスが続く。中身はそれぞれ別なのに、袋に入れてしまうと、全部が「自分の欠点」に見えてきます。

  • 動きが遅い(作業や記録に時間がかかる)
  • 覚えられない(手順や場所が頭から抜ける)
  • 同時進行で固まる(二つ三つ頼まれると止まる)
  • 優先順位がつけられない(何から手をつけるか迷う)
  • 同じ種類のミスが続く

この悩みは、年数を重ねてからも出てきます。後輩ができる、担当が増える、異動で勝手が変わる。求められる水準が上がる場面ほど、「前はできていたのに」という感覚が強まります。

看護の仕事は、担当の患者さんを受け持ちながら、ナースコール、指示の変更、他職種からの確認が割り込む作りになっています。同時進行が前提なので、二つ三つ重なって固まるのは、能力が低いからというより、仕組みの上で詰まりやすい場面です。

ひとまとめの「できない」を、書いてほどく

袋の中身を、ひとつずつ机に出してみよう。ゆっくりでいいからね。

今日の帰り道か、休憩のあとに

書き出すと、思ってたより「全部」じゃなかった、ってことがあるよ。

能力に見えて、環境のせいだったことの見分け方

同じ人でも、環境が変わると動きが変わります。ここを切り分けないまま「自分が悪い」と結論すると、直せない原因を直そうとして、余計に疲れてしまいます。見分ける問いは、次の3つです。

  • 同じ作業を、静かな時間帯や人手の厚い日にすると、やはり同じところで詰まるか
  • 手順やルールが決まっておらず、人によって言うことが違う場面ではないか
  • 睡眠が取れた週と、夜勤や連勤が続いた週で、動きに差が出ていないか

1つ目で「静かなら詰まらない」なら、仕事の量や割り込みの多さが効いている可能性があります。2つ目が当てはまるなら、できないのではなく、基準が曖昧なのかもしれません。3つ目で差が出るなら、休息の問題が先です。疲れがたまっているときは、いつもどおりに動けないことがあります。

場面の例を挙げます。異動して間もない頃は、物品の置き場所も、医師ごとの指示の癖も分からないため、同じ作業が前の職場の倍かかることがあります。これは能力ではなく、情報が足りない状態で、時間とともに縮まります。反対に、同じ病棟に何年もいて、静かな日勤の日でも詰まるなら、手順の型や確認の順番を見直す余地があります。どちらなのかで、頼る相手が、慣れた先輩なのか、手順を見直せる人なのかも変わります。

環境の影響が大きいとき

忙しさ・割り込み・基準の曖昧さ・睡眠不足で、同じ作業が崩れる。直す先は、仕組みと休息です。

練習で変わりやすいとき

静かな条件でも、同じ手順で詰まる。確認の順番や手順の型を決めると、変わりやすいです。

どちらか一方ではなく、混ざっていることのほうが普通です。大切なのは、環境に原因がありそうなものまで、自分の能力の欄に入れないという仕分けです。疲れが先に来ていそうなら、疲れが抜けないときの整理を先に読んでください。

能力の側から手をつけるなら、いちばん小さい1つだけ

手をつけるのは、1つで足ります。いくつも同時に直そうとすると、また「同時進行」で詰まるからです。種類ごとに、最初の一手の例を挙げます。

  • 遅い:どこで時間を使っているかを、1日だけ区切って書く。情報の確認・準備・記録のどこかに偏っていることがあります
  • 覚えられない:覚える場所を1か所に決め、書いたものを持ち歩く。頭に入れる量そのものを減らします
  • 同時進行で固まる:割り込まれた瞬間に、「いま何をしていて、どこまで済んだか」を一言メモする
  • 優先順位:「安全に関わる」「時間が決まっている」「あとでよい」の3つに分けてから動く
  • 同じミスが続く:ミスのあとではなく、その作業の手前に確認の場所を1つ足す

「遅い」を分けるときは、1日だけ、時間を3つに区切って書きます。情報を集める時間(カルテ・申し送り・物品探し)、実際に手を動かす時間、記録の時間です。どこに偏っているかが分かれば、直す場所が1つに絞れます。物品探しが長いなら置き場所をそろえる、記録が長いなら一度に書く量を減らす、といった具合です。

どれも、やり方の工夫の話で、才能の話ではありません。たとえば割り込みメモは、書く量が少なくても、戻る場所さえ書いてあれば、固まる時間が短くなります。

割り込まれたときの一言メモ
  • 10:05 点滴の準備、確認まで済み → 次は実施前の照合
  • 10:12 ナースコール対応のため中断
  • 10:20 戻ったら、照合から再開
  • 置き場所:ポケットに入れた1枚だけ

戻る場所が書いてあると、慌てないで済むよ。

頼る相手と、話し始めの言葉

ひとりで直そうとしないほうが、早く軽くなります。話すときは、「できない」ではなく、場面と困りごとで切り出すと、相手も答えやすくなります。たとえば、「同時に指示が重なる場面で、優先順位をつけるのに迷います。決め方を、一度いっしょに見てもらえますか」のような言い方です。話した相手が「みんなできているよ」と返す職場もあります。そのときは、比べ合いの話から離れて、自分が詰まる場面と、そこで助かった工夫だけを話題にします。

相談しても取り合ってもらえない、職場の仕組みそのものが回っていない、と感じるときは、本人の工夫だけでは限界があります。そのときは、できなかった場面を日付つきで書き残し、仕組みの面から上司に話す材料にします。気持ちの変化は、現在地ログに月1回残しておくと、あとで見比べられます。

新人の頃の覚えにくさが重なっているときは、新人が覚えられないときが、覚える側の事情をまとめています。自信そのものが揺れているときは、自信をなくしたとき、小さな「できた」を集めるを。ミスが続いて引きずっているときは、次に読むミスを引きずる日の整理へ進んでください。

ここまで読めたなら、中身をほどく入口には、もう立ってるよ。

今日はこのくらいで、ゆっくり休もうね。

よくある質問

何年も働いているのに、仕事が遅いままです。

経験年数と速さが、きれいに並ぶとは限りません。受け持つ人数、割り込みの多さ、手順の決まり方で、速さは大きく変わります。まず1日だけ、時間の使い方を区切って書き出してみてください。

マルチタスクが苦手で、看護師に向いていない気がします。

同時進行が前提の仕事なので、苦手に感じる人はいます。割り込まれた瞬間の一言メモのように、型で補える部分もあります。向き不向きの整理は、[「向いてないかも」と感じる日の整理](/muiteinai/)も参考にしてください。

できない気持ちがつらくて、休みの日も考えてしまいます。

休みの日も頭から離れない状態が続くときは、整理より休息が先です。職場の産業医、かかりつけの医療機関、[つらいときの窓口](/support/)に話してみてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

約3分・会員登録なし診断をはじめる