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職場の種類

看護師の仕事内容とは。法律の2つの業務と、職場の種類別の違い

更新 2026年10月23日読むのに約7分

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看護師の仕事は、法律で「療養上の世話」と「診療の補助」の2つと決まっています。そのうえで、職場の種類によって、どちらに時間を使うかが変わります。

同じ看護師でも、職場が変わると、仕事の中心までがらりと変わるんだよ。

まずは、全体の地図を広げてみよう。

法律で決まっている看護師の仕事は、2つ

看護師の仕事は、法律で定義されています。保健師助産師看護師法5条は、看護師を、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者と定めています。つまり、看護師の仕事の柱は「療養上の世話」と「診療の補助」の2つです。

  • 療養上の世話の例①:食事、清潔(入浴や体を拭く)、排泄の援助
  • 療養上の世話の例②:体の向きを変える、歩く・移る動作を支える、床ずれを防ぐ
  • 療養上の世話の例③:体温・血圧・脈拍・呼吸を測り、顔色や話し方の変化に気づく
  • 療養上の世話の例④:眠りや痛み、不安の様子を聞き、過ごしやすく整える
  • 療養上の世話の例⑤:退院後の暮らしを見すえて、本人や家族に生活の工夫を伝える
  • 診療の補助の例①:採血、点滴、注射
  • 診療の補助の例②:傷の処置、ドレーンやカテーテルの管理
  • 診療の補助の例③:薬を指示どおりに準備し、与え、効き目や副作用を観察する
  • 診療の補助の例④:検査や手術の準備と介助
  • 診療の補助の例⑤:人工呼吸器や心電図モニターなどの機器を扱い、変化を医師に伝える

この2つを支えるのが、記録と申し送り、患者さんや家族への説明と声かけ、医師・薬剤師・リハビリの職種・介護職・事務との連携です。どの職場でも、この組み合わせは変わりません。

職場の種類によって変わるのは、2つの配分です。急性期の病棟では診療の補助と観察の比重が大きくなりやすく、介護や福祉の施設では療養上の世話と見守りの比重が大きくなりやすい、といった違いがあります。どちらが上という話ではなく、仕事の重心が違います。

世話と補助、自分はどっちに時間をかけたいか、印をつけながら読んでみてね。

保健師・助産師・准看護師との線引き

看護の資格は4つあり、できる仕事の範囲が法律で分かれています。違いを知っておくと、求人票の「看護師」「准看護師可」「助産師」といった書き分けが読めるようになります。

看護の4つの資格と、仕事の範囲
資格免許法律上の仕事
看護師厚生労働大臣療養上の世話と診療の補助(5条)
准看護師都道府県知事医師・歯科医師・看護師の指示を受けて、看護師と同じ仕事を行う(6条)
保健師厚生労働大臣保健指導(2条)。看護師の仕事も行える(31条2項)
助産師厚生労働大臣助産、妊婦・じょく婦・新生児の保健指導(3条)。助産は助産師と医師だけ(30条)

保健師助産師看護師法の条文から整理したものです。

准看護師は、看護師の指示も受ける立場なんだね。

もう一つの大事な線が、医師の指示です。同じ法律の37条は、主治の医師または歯科医師の指示があった場合を除いて、診療機械を使う、医薬品を授与する、医薬品について指示をするなど、医師が行わなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならないと定めています(臨時応急の手当などを除く)。点滴や注射が「医師の指示のもとで」行われるのは、このためです。

お産の介助は、法律上は助産師と医師の仕事で、看護師は担えません。産科で働く看護師は、産前産後のケア、新生児のケア、診療の補助を受け持ちます。准看護師の働き方は、准看護師の転職先と働き方にまとめています。

職場の種類別に、仕事の中心を比べる

主な職場を、仕事の中心と、向きやすい関心で並べました。一般的な傾向をまとめたもので、同じ種類の職場でも、規模や方針で違いがあります。

職場の種類と、仕事の中心
職場仕事の中心向きやすい関心
急性期の病棟状態の観察、処置、検査や手術の前後の看護変化を追う、素早く動く
慢性期・療養の病棟長い療養の支援、生活の援助、小さな変化の見守り時間をかけて関わる
外来診察の介助、検査や処置の準備、説明の補助多くの人に短く関わる
クリニック診察の介助、採血や点滴、予約や会計まわり地域の人と顔なじみになる
訪問看護自宅での観察と処置、家族への支援、関係者との連絡一人で判断する、生活ごと見る
介護・福祉の施設健康と服薬の管理、急な変化への対応、介護職との分担生活の場で長く関わる
健診・企業測定や採血、健康相談、決まった流れの進行決まった手順を確実に進める

傾向の例です。職場ごとの実際の仕事は、求人票と見学で確かめてください。

同じ種類でも職場ごとに違うから、目安として見てね。

表の内容を、もう少し具体的に見ていきます。

  • 急性期の病棟:入院している人の状態が変わりやすく、観察、処置、検査や手術の前後の看護が続きます。判断と連絡の速さが求められる場面があり、夜勤を含む交代制の職場が多い種類です。病院の種類の違いも、あわせて見てみてください。
  • 慢性期・療養の病棟:長い期間の療養を支える仕事です。体位の変更、食事や排泄の援助、床ずれの予防など、生活の援助の比重が大きくなります。看取りに関わる場面がある職場もあります。
  • 外来:受付を終えた人の診察の介助、検査や処置の準備、診察の前後の説明の補助が中心です。一人あたりの関わりは短く、多くの人に、短い時間で関わります。
  • クリニック:診察の介助、採血や点滴、予防接種、予約や会計まわりの対応など、幅が広くなりやすい職場です。少人数で回すため、一人が受け持つ範囲も広がる傾向があります。移ったあとにきついと感じやすい点は、クリニック転職はきつい?入る前に確かめることにまとめています。
  • 訪問看護:利用者さんの自宅に伺い、状態の観察、医療処置、生活の相談を行います。主治医やケアマネジャー、ヘルパーとの連絡も仕事の一部で、一人で判断する場面が増えます。療養型・在宅で働く看護師でも見られます。
  • 介護・福祉の施設:入所している人の健康の管理、服薬の管理、急な体調の変化への対応が中心で、介護職との分担が大切です。施設によっては、医師が常にいない時間帯もあるため、連絡する判断が重くなる場面があります。
  • 健診・企業:健診では、身長や体重、血圧の測定、採血などを、決まった流れで進めます。企業では、従業員の健康相談にかかわる仕事もあります。健診センターの記事もあります。

同じ種類の職場でも、部署と役割で変わる

病院の中でも、内科、外科、小児科、産科、手術室など、部署によって仕事の中心は変わります。手術室は器械の準備と介助、産科はお産と母子のケア、というように、同じ病院でも別の仕事に近くなります。診療科ごとの選び方は、診療科の選び方を、あわせて見てみてください。

役割でも変わります。新人の指導、リーダー業務、委員会活動、ベッドの調整など、経験年数に応じて、看護以外の調整や教育の仕事が増えていきます。求人票の「業務内容」の欄に、これらが書かれているかも、手がかりになります。

夜勤の有無も、種類ごとの違いです。入院の機能がある職場は、夜間も看護が必要なので、交代制になることが多く、外来が中心の職場は日勤のみのことが多い、というのが一般的な傾向です。ただし、病院の中にも日勤のみの部署があり、クリニックにも入院の機能を持つ職場があります。職場ごとに確かめます。

どこまでを看護師が受け持ち、どこから他の職種に任せるかも、職場で違います。検査の運搬や物品の補充を、看護助手や事務が受け持つ職場もあれば、看護師が自分で行う職場もあります。求人票の「業務内容」の欄と、見学での「看護助手は何人いますか」という質問で、分担の線を確かめます。

病棟が中心の職場

入院している人を、昼も夜も通して見ます。観察、処置、記録の流れが続き、チームで交代しながら引き継ぎます。

外来・訪問が中心の職場

来院する人や、訪ねる先の人を、決まった枠の中で見ます。一人あたりの時間は限られ、その場の判断を任される場面があります。

自分に近い仕事を見つける手順

職場を選ぶときは、職場名より先に、自分が時間を使いたい仕事を決めると、迷いにくくなります。次の4つの順番で絞ります。

  • 手順1 場面を書く:やりがいがあった場面と、しんどかった場面
  • 手順2 種類を絞る:上の表から、近そうな職場を2つ選ぶ
  • 手順3 一日を聞く:一日の流れと、一人が受け持つ範囲
  • 手順4 見学で確かめる:実際の動き方と、他の職種との分担

最初の「場面を書く」は、気持ちが動いた場面なら何でもよいです。患者さんの表情が和らいだ場面でも、段取りがうまくいった場面でも、しんどかった場面でも、そこに仕事の好みが出ます。表情が和らいだ場面が多い人は療養上の世話に、処置がうまくいった場面が多い人は診療の補助に、手応えを感じやすいのかもしれません。

仕事内容を絞る書き出し

職場の種類を絞ったあとは、求人票の「業務内容」と、見学での質問で、一日の流れまで確かめます。見学や面接で聞く項目は、働きやすい職場を見分ける質問にあります。条件を並べて整理するシートは、準備ツールから使えます。

気になる職場の種類がひとつ見つかったなら、今日の収穫はそれで十分だよ。

よくある質問

看護師の仕事内容は、法律でどう決まっていますか?

保健師助産師看護師法5条で、傷病者やじょく婦に対する「療養上の世話」と「診療の補助」を行うことと定められています。診療の補助にあたる処置や与薬は、37条により、主治の医師の指示のもとで行います。

看護師の仕事内容は、病院とクリニックで何が違いますか?

病院の病棟は、入院している人を昼夜通して見る仕事が中心です。クリニックは、通院する人の診察の介助や処置、予約や会計まわりの対応など、幅が広くなりやすい傾向があります。職場ごとに違うため、求人票と見学で確かめてください。

看護師の業務内容に、病院でしかしない仕事はありますか?

入院している人の昼夜の看護や、夜勤を含む交代制の勤務は、入院の機能がある職場で多くなります。ただ、有床のクリニックや施設にも、夜間の対応がある職場はあります。

未経験の職場に移るとき、何から知ればよいですか?

まず、その職場での一日の流れと、一人が受け持つ範囲を知ると、仕事内容が具体的になります。見学のときに、最初の1か月に任される仕事を聞いておくと、入職後のずれが減ります。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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