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看護師の病院の種類。大学病院・総合病院・小規模病院の違い
更新 2026年10月23日読むのに約6分
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病院の呼び名は、大学病院、総合病院、市民病院など、いろいろあります。呼び名より、法律の区分と機能で見ると、違いが整理しやすくなります。この記事では、医療法の定義と、見学で聞くことをまとめます。
大学病院、総合病院、市民病院。名前がたくさんあるよね。
まず、法律の線引きから見ていこう。
病院と診療所は、法律では「20床」で分かれる
医療法1条の5は、医師または歯科医師が医業を行う場所のうち、20人以上の患者さんを入院させる施設を持つものを「病院」と定めています。入院施設がないもの、または19人以下の患者さんを入院させる施設を持つものは「診療所」です。2026年10月時点の現行の条文です。
つまり、病院か診療所かは、診療科の数や建物の大きさでは決まりません。入院できる床の数で決まります。「クリニック」は、法律の言葉ではありません。条文では診療所にあたります。
病院を開くには、開設地の都道府県知事の許可が必要です(同法7条1項)。病院は、傷病者が科学的でかつ適正な診療を受けられるようにすることを、主な目的として運営されます。この定義のうえに、さらに細かい区分があります。
厚生労働省の医療施設動態調査(2026年7月末の概数)では、病院は7,942施設、一般診療所は105,702施設でした。概数なので、確定した数字ではありません。診療所のうち、入院できる床を持つ有床の診療所は4,998施設でした。
- 入院の床は?20床以上なら病院
- 病床の種類は?一般・療養・精神など
- 病棟の機能は?急性期・包括期など
- 承認の有無は?特定機能・地域医療支援
呼び名の前に、この4つを見ると整理しやすいよ。
病床の種類と、病棟ごとの機能の区分
病院の中は、病床の種類で分かれます。医療法7条2項は、精神病床・感染症病床・結核病床・療養病床・一般病床の5つを定めています。療養病床は、主として長期にわたり療養が必要な患者さんのための病床です。一般病床は、精神・感染症・結核・療養のどれにも当てはまらない病床です。
もう一つの見方が、病床の機能の区分です。療養病床または一般病床を持つ病院や診療所は、病床の機能を都道府県に報告する決まりがあります(医療法30条の13)。2026年10月1日からは、病院ごとの「医療機関機能」もあわせて報告する形になりました。病床の機能の区分は、医療法施行規則30条の33の2の5第2項で、次の4つです。
- 高度急性期機能:急性期の患者さんに、診療の密度が特に高い医療を提供する
- 急性期機能:急性期の患者さんに、状態の早期の安定に向けた医療を提供する
- 包括期機能:治療と入院早期からのリハビリ、早期の在宅復帰に向けた管理や支援を一体的に行う。急性期を経過した患者さんの在宅復帰に向けた医療・リハビリも含む
- 慢性期機能:長期にわたり療養が必要な患者さんを入院させる
以前の区分は「高度急性期・急性期・回復期・慢性期」でした。令和7年12月に成立した改正医療法等により、2026年(令和8年)10月1日から、従来の「回復期機能」に、高齢者などの急性期の患者さんに治療と早期のリハビリを行って在宅復帰をめざす機能を合わせて、「包括期機能」と位置づけられました(千葉県の会議資料による厚生労働省の説明)。古い解説や求人票で病床機能として「回復期」と書かれていれば、いまの区分では包括期に含まれると読み替えます。
ここで大事なのは、病院全体が1つの機能に当てはまるとは限らないことです。機能は、病棟(病床)ごとに報告されます。同じ病院の中に、急性期の病棟と、慢性期の病棟がある場合もあります。急性期・慢性期の違いは、急性期と慢性期の違いで、働き方の面から扱います。
ここまでが、病院の中身を見る目安だよ。
大学病院・総合病院は、法令上の用語ではない
「大学病院」は、法令上の用語ではありません。医療法には、高度の医療を提供する病院を厚生労働大臣が承認する「特定機能病院」(4条の2)という制度があります。ただし、大学病院がすべて特定機能病院とは限らないため、大学病院という名前だけで、特定機能病院かどうかを決めることはできません。
もう一つ、「地域医療支援病院」(4条)があります。国、都道府県、市町村、社会医療法人などが開設する病院で、他の病院や診療所から紹介された患者さんへの医療、救急医療を提供する能力、地域の医療従事者への研修を行う能力などの要件を満たし、都道府県知事の承認を得たものです。2026年7月末の概数で、719施設です。
特定機能病院
高度の医療の提供・技術の開発や評価・研修・安全の確保などの能力を持つ病院として、厚生労働大臣の承認を受けたものです。
地域医療支援病院
紹介された患者さんへの医療や救急医療、地域の医療従事者への研修を行う能力を持つ病院として、都道府県知事の承認を受けたものです。
総合病院、市民病院、中央病院といった呼び名は、施設の名前として使われています。名前から、規模や機能、働き方が決まるとは限りません。見学や面接では、名前ではなく、病棟の構成と、病床の数を聞きます。大学病院で働くことについては、大学病院の看護師で扱います。
規模で、見学のとき聞くことが変わる
規模は、床の数で見ます。20床の病院から、数百床の病院まで、同じ「病院」に含まれます。規模の違いで、働き方も変わりますが、ここで数字を決めて断定することはできません。見学では、次のことを聞きます。
- 病棟はいくつあり、診療科が混ざる病棟はあるか
- 部署の異動は、どの範囲で、どのくらいの間隔で行われるか
- 教育は、部署ごとに行われるか、病院全体で行われるか
- 夜勤の人数と、病棟ごとの患者さんの数
- 看護の部門の相談の窓口は、どこにあるか
小規模の病院では、病棟が少なく、1人が受け持つ範囲が広くなりやすいかどうかを、聞いて確かめます。大きな病院では、部署が多く、専門性を深めやすいかどうかを聞きます。どちらが合うかは、人によって違います。見学での確かめ方は、診療科の選び方にも載せています。
| 手がかり | 確かめられること | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 床の数 | 病院か診療所かの分かれ目(20床) | 病床数は、何床ですか |
| 病床の種類 | 一般・療養・精神などの種類 | 病棟は、どの種類ですか |
| 病棟の機能 | 高度急性期・急性期・包括期・慢性期 | 病棟ごとの機能は何ですか |
| 承認の有無 | 特定機能病院・地域医療支援病院 | 承認を受けていますか |
| 呼び名 | 名前では、規模や機能は決まらない | 病棟の構成を教えてください |
2026年10月時点の医療法・施行規則にもとづく整理。実際の区分は、各病院の案内で確かめてください。
聞くことは、この表をそのまま使えるよ。
看護師全体で見ると、令和6(2024)年末の就業場所は、病院が895,944人で、全体の65.7%にあたります(衛生行政報告例)。診療所は194,665人、訪問看護ステーションは91,022人、介護保険施設等は107,984人でした。病院が多数派ですが、病院以外にも、約9万人から約19万人の働く場があります。
病院の看護職員の数の標準は、別の基準です。医療法の標準と、診療報酬の「7対1」「10対1」の違いは、配置基準とはで整理しました。病院の種類を知ったあとは、看護師の仕事内容で、1日の流れを見てください。
名前から決めつけないで見られたら、もう半分できているよ。
気になる病院が決まったら、病棟のことを聞いてみよう。
よくある質問
病院とクリニックの違いは、何ですか?
医療法では、20人以上の入院施設を持つものが病院、入院施設がないか19人以下のものが診療所です。クリニックは法律用語ではなく、条文では診療所にあたります。
大学病院は、特定機能病院ですか?
大学病院は法令上の用語ではなく、特定機能病院は厚生労働大臣の承認を受けた病院です。名前だけでは決められないため、公式の案内や求人先に確かめてください。
病院の「急性期」「慢性期」は、病院ごとに決まっていますか?
機能は、病院全体ではなく、病棟(病床)ごとに都道府県へ報告されます。同じ病院に、急性期の病棟と慢性期の病棟がある場合もあります。
出典・参考(公的な情報)
- 医療法 第1条の5・第4条・第4条の2・第7条・第30条の13(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 医療法施行規則 第30条の33の2の5 第2項(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 新たな地域医療構想に基づく医療機関機能報告及び病床機能報告について(令和8年8月27日 会議資料)(千葉県 健康福祉部医療整備課)
- 医療施設動態調査(令和8(2026)年7月末概数)(厚生労働省)
- 令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。