職場を知る
訪問看護師の1日の流れ。訪問件数・移動・記録の時間配分の例
更新 2026年10月23日読むのに約7分
この記事には広告(PR)を含みます。転職サービスは、順位を付けず、同じ書式で並べています。
訪問看護の1日は、訪問の時間より、移動と記録の時間の組み方で大きく変わります。時刻つきの例と、1件の長さを決める報酬の時間区分、夜間の連絡の仕組みを順に整理します。
朝いちばんの訪問先って、想像するだけで眠くなっちゃうな。
まずは、1日の時間割を見てみよう。
時刻つきで見る、訪問看護師の1日の例
訪問看護ステーションで日勤として働く看護師の1日を、時刻つきで並べてみます。これは一例で、公的な統計の平均ではありません。営業時間、地域の広さ、利用者さんの状態、記録の方法で、時刻も件数も変わります。
一例です。職場によって違い、統計にもとづく数字ではありません。
訪問のあいだの移動と記録も、1日の大事な時間だよ。
朝は、その日の訪問先の確認から始まります。前日の夜に利用者さんや家族から連絡がなかったか、予定の変更がないかを共有し、訪問に持っていく物品や書類をそろえます。訪問先では、観察、処置、入浴やリハビリの手伝い、家族への説明などを行い、終わったら次の家へ移動します。昼休みや訪問の合間に、記録を少しずつ進める人もいます。
この例の4件の中身を、仮に並べてみます。午前の1件目は、退院したばかりの人の家で、体の様子と薬の飲み方を確かめる訪問。2件目は、自宅の浴室での入浴の手伝いと皮膚の観察。午後の1件目は、床ずれの処置と、介護する家族への方法の説明。2件目は、在宅で最期を過ごしたい人の痛みの様子を見て、家族の不安を聞く訪問。同じ1日でも、訪問ごとに求められる力が変わるのが、訪問看護の特徴です。
パートや短時間で働く場合は、午前だけ2件、午後だけ2件といった組み方もあります。子どもの送り迎えの時間に合わせて訪問を組めるかは、ステーションの人数と、利用者さんが希望する時間帯しだいです。
夕方は、記録の仕上げと連絡の時間です。主治医への報告書や、ケアマネジャーとの連絡、翌日の予定の調整を行います。病棟では同じ建物の中で済む記録と連絡が、訪問看護では「戻ってから」になりやすいのが、最初に戸惑いやすい点です。記録を訪問先でタブレットに入力するステーションでは、夕方の時間が短くなります。
1件の長さは、報酬の時間区分が目安になる
訪問1件の長さには、制度の目安があります。介護保険の訪問看護費は、訪問の時間で区分が分かれていて、厚生労働省の「介護報酬の算定構造」(令和8年6月改定時点)では、訪問看護ステーションの場合、20分未満が314単位、30分未満が471単位、30分以上1時間未満が823単位、1時間以上1時間30分未満が1,128単位です。20分未満は、週に1回以上、20分以上の看護師などの訪問を行っている場合に算定できる区分です。
利用者さんごとに、計画でどの区分の訪問をするかが決まるので、看護師の1日の件数は、受け持つ訪問の長さと移動時間の足し算で決まります。たとえば1時間の訪問を4件、移動を1回20〜30分とすると、訪問と移動だけで約6時間になり、残りが記録と打ち合わせの時間です。30分の訪問が多い日は、件数が増えて移動の回数も増えます。件数だけを比べず、1件の長さと移動の距離を合わせて聞くと、1日の重さが見えます。
介護保険の訪問看護費には、夜間・早朝の訪問は25%、深夜の訪問は50%を加える決まりもあります。医療保険で訪問する利用者さんは、訪問看護療養費という別の算定方法になります。1日の中に、介護保険と医療保険の利用者さんが混ざるのは珍しくなく、書類や報告の流れが一部違うので、入ってから先輩と確かめながら慣れていきます。
病棟で培った観察の目が、そのまま玄関先でも役に立つんだよ。
移動・記録・予定外の連絡をどうさばくか
移動の手段は、車、自転車、バイクなど地域で違います。雨や雪の日の運転、駐車の場所、山間部での長い移動など、病棟にはなかった負担が出ます。移動距離が長い地域では、1日の件数を少なめに組むステーションもあります。
予定どおりに進まない日もあります。訪問先で状態が変わっていて時間が延びる、家族から相談が入る、次の家に遅れるといった場面です。こうした日に、事務所の誰に電話で相談できるか、次の利用者さんへの遅れの連絡を誰がするかが決まっているステーションほど、1人で抱える負担が軽くなります。
- 予定外の連絡が入ったとき、事務所の誰が受けて、誰に回すのか
- 訪問の途中で判断に迷ったとき、電話で相談できる人がいるか
- 予定が押したとき、次の利用者さんへの連絡を誰がするか
- 1人で抱えた出来事を、その日のうちに話せる場があるか
新しく入った人が1人で回り始めるまでには、先輩に同行して利用者さんと家の様子を知る期間を設けるステーションがあります。期間の長さや、その間の受け持ちは事業所で違うので、面接で具体的に聞いておきたい点です。
夜間・休日の連絡は、加算の仕組みとつながっている
夜間や休日の電話当番(オンコール)は、制度の加算とつながっています。医療保険では、利用者さんや家族からの連絡に24時間対応できる体制を届け出たステーションが、利用者さんの同意を得て、24時間対応体制加算(月1回)を算定できます。介護保険にも、緊急時訪問看護加算という同じ考え方の加算があります。こうした体制をとるステーションでは、看護師が交代で電話を持ち、必要なら夜間に訪問します。
つまり、オンコールの回数は「ステーションが24時間の体制をとっているか」と「何人で当番を回しているか」で決まります。待機の時間が労働時間にあたるか、手当はどう決まるかは、訪問看護のオンコールの記事で詳しく整理しています。
訪問看護の制度や向き不向きの全体は、訪問看護への転職にまとめています。きつさの中身は訪問看護はきつい?で、夜勤のない働き方と比べたいときは夜勤のない働き方も読めます。
1日の時間割が見えたら、見学で聞くことも決まるね。
件数と移動と記録、3つをセットで聞いてみよう。
よくある質問
訪問看護師の1日の訪問件数は、何件くらいですか?
公的な統計の平均はありませんが、件数は、訪問1件の長さ(介護保険では30分未満、30分以上1時間未満などの区分)と移動時間の足し算で決まります。この記事の例では午前2件・午後2件です。見学では、件数と一緒に1件の長さと移動の距離を聞くと比べやすくなります。
訪問看護の仕事は、訪問以外に何がありますか?
朝の打ち合わせ、移動、記録、訪問看護計画書の作成や見直し、主治医への定期的な報告、ケアマネジャーとの連絡などがあります。夕方は記録と翌日の準備の時間になりやすいです。
訪問看護は、夜間の呼び出しがありますか?
24時間対応の体制を届け出ているステーションでは、看護師が交代で電話当番を持ち、必要なら夜間に訪問します。体制の有無と当番の回数は事業所で違うので、面接で聞いてください。待機の扱いは[訪問看護のオンコールの記事](/houmon-oncall/)にまとめています。
出典・参考(公的な情報)
- 介護保険法 第8条・第70条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 保健師助産師看護師法 第5条・第37条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 訪問看護 参考資料(令和5年5月18日 意見交換 資料2参考)(厚生労働省)
- 介護報酬の算定構造(令和8年6月改定箇所)(厚生労働省)
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(令和8年改正 新旧対照)(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
つぎに読む
この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。