年収・給与水準
男性看護師の年収は、女性とどう違うか。年齢・経験年数別の数字
更新 2026年10月23日読むのに約6分
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男性と女性で、看護師の給与の平均は違うのか。令和7年賃金構造基本統計調査の男女別の数字を、年齢・経験年数ごとに並べ、差が見える場所と、数字からは言えないことを分けて整理します。
こんにちは。男性看護師さんの数字を、いっしょに見ていこうね。
平均の数字は、見方に気をつけると、ぐっと分かりやすくなるよ。
男女の全体の平均から見る(令和7年)
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査は、民営事業所(10人以上)で働く一般労働者の看護師について、令和7年6月分の給与と、前年1年間の賞与を、男女別に公表しています。看護師全体の労働者数は推計で903,060人。うち男性が104,670人、女性が798,400人で、男性は約11.6%にあたります(筆者計算)。
- 男性:平均39.1歳、勤続9.1年。きまって支給する現金給与額38万5,600円、所定内給与額34万4,300円、年間賞与89万2,800円
- 女性:平均42.5歳、勤続9.8年。きまって支給する現金給与額36万3,300円、所定内給与額33万1,800円、年間賞与85万1,600円
月額×12+賞与で計算すると、男性が約552.0万円、女性が約521.1万円です。この計算は筆者によるもので、公式の年収ではありません。差は約31万円ですが、男性のほうが平均年齢が約3.4歳若い点にも、目を向けておきます。
きまって支給する現金給与額には、時間外手当・深夜勤務手当・休日出勤手当・宿日直手当・交替手当にあたる超過労働給与額が含まれ、所定内給与額には含まれません。男女の差2万2,300円を、この2つに分けると、所定内給与額の差が1万2,500円、超過労働給与額の差が9,800円です(筆者計算)。差の半分強は所定内給与額の側にあります。どの手当が差を作っているかは、この統計からは分かりません。
| 年齢階級 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 31万6,900円 | 32万3,500円 |
| 25〜29歳 | 35万2,100円 | 35万1,900円 |
| 30〜34歳 | 36万1,400円 | 34万4,600円 |
| 35〜39歳 | 40万400円 | 34万9,400円 |
| 40〜44歳 | 41万2,700円 | 36万9,800円 |
| 45〜49歳 | 42万6,200円 | 38万1,600円 |
| 50〜54歳 | 42万200円 | 39万2,600円 |
| 55〜59歳 | 40万9,000円 | 39万2,000円 |
令和7年賃金構造基本統計調査・看護師・民営事業所10人以上の一般労働者・令和7年6月分のきまって支給する現金給与額。階級ごとに人数が違い、標本の小さい階級は数字がぶれやすくなります。
20代はほぼ同じで、30代後半から開いているね。
年齢階級別では、差が見える年代と見えない年代がある
表のとおり、20〜24歳(男性31万6,900円、女性32万3,500円)はむしろ女性がわずかに高く、25〜29歳(35万2,100円、35万1,900円)はほぼ同じ水準です。差が目に見えて出るのは30代後半からで、35〜39歳では男性40万400円に対して女性34万9,400円と、5万1,000円の差があります。40〜44歳は4万2,900円、45〜49歳は4万4,600円、50〜54歳は2万7,600円、55〜59歳は1万7,000円の差です(いずれも筆者計算)。
賞与も、同じ傾向です。20〜24歳の年間賞与は、男性48万5,400円、女性53万4,900円で、女性のほうが高くなっています。30〜34歳では男性78万8,500円、女性72万3,800円と男性が上回り、35〜39歳は男性102万9,600円、女性84万100円、40〜44歳は男性105万8,600円、女性97万5,000円です。
もう一つ、人数の違いにも目を向けます。55〜59歳の男性は推計5,390人、女性は82,640人です。人数が少ない階級は、調査の標本が小さく、数字がぶれやすいと調査の注意書きにも書かれています。階級ごとの差の大きさを、そのまま「この年代では男性が高い」と読み切らないほうが安全です。また、これは年代ごとの平均を並べたもので、同じ人が将来たどる道筋を示すものではありません。
20代は並んでいて、30代後半から開くんだね。
経験年数で見ると、5〜9年の階級から差が見え、15年以上で広がる
同じ調査の経験年数階級別の表(所定内給与額/年間賞与)では、次のようになります。「0年」は経験が1年未満の階級です。
- 0年:男性28万1,500円/20万1,800円、女性27万7,600円/10万500円
- 1〜4年:男性30万8,000円/77万1,000円、女性30万4,200円/77万9,800円
- 5〜9年:男性32万7,600円/83万2,400円、女性31万2,600円/79万6,200円
- 10〜14年:男性34万1,100円/92万7,200円、女性32万3,800円/79万1,500円
- 15年以上:男性38万3,700円/109万5,500円、女性35万6,000円/99万8,700円
1〜4年までは、男女でほぼ同じで、賞与はむしろ女性がわずかに高くなっています。所定内給与額の差は、5〜9年で1万5,000円、10〜14年で1万7,300円、15年以上で2万7,700円と広がります(筆者計算)。賞与は、10〜14年で男性92万7,200円、女性79万1,500円と、13万5,700円の差です。人数は、10〜14年が男性16,480人、女性89,510人で、男性のほうが少ない分、数字の揺れも大きくなります。
経験年数ごとの平均を、年次のことばで読み替える方法は経験年数別の年収の目安に、年代ごとの並びは年代別の年収にまとめています。
差の理由は、統計から読めない。役職者を除いても差は残る
役職者を除いた表(令和7年・第3表)では、看護師の男性は、きまって支給する現金給与額37万1,000円、所定内給与額32万9,100円、年間賞与84万5,400円(89,080人)。女性は35万1,000円、31万9,500円、80万1,100円(696,760人)です。役職者を除くと、きまって支給する額の差は2万円(全体では2万2,300円)、所定内給与額の差は9,600円、賞与の差は4万4,300円になります(筆者計算)。役職者の影響が一部あるとしても、差がなくなるわけではありません。
統計から読めるのは、男女の平均に差があるという事実までです。年齢、勤続、役職、夜勤や時間外の回数、勤め先の規模や種類といった条件が重なっている可能性はありますが、どれがどれだけ差を作っているかは、この統計では分けられません。「男性だから高い」「女性だから低い」とは言えません。
人数の面では、厚生労働省の令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)で、令和6年末に就業していた男性の看護師は118,068人、看護師全体の8.7%でした(平成26年は73,968人、6.8%)。前の段落の約11.6%と違うのは、こちらが就業している看護師全体の人数で、賃金構造基本統計調査は民営の10人以上の事業所の一般労働者を推計した数字だからです。調査によって対象が違います。
自分の年収を考えるときに、男女の平均より見ておくこと
平均の差よりも、自分の給与が何でできているかのほうが、判断の材料になります。基本給、夜勤や時間外などの手当、賞与、昇給の4つに分けて見ると、どこに差がありそうかが見えてきます。日本看護協会の「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」(回答した病院と会員の集計で、全国の代表値ではありません)では、年齢や勤続年数に基づく昇給が「ある」病院は75.0%、人事評価に基づく昇給が「ある」病院は43.4%でした。昇給の決め方は、職場で違います。
賃金表がある病院は75.0%で、そのうち公開しているのは54.0%でした。賃金表や昇給の定めは、就業規則や賃金規程に書かれていることが多いため、見られるかどうかを、人事の窓口で確かめられます。総支給から手取りに直す計算は、手取りと給与明細の見方も参考になります。全体の平均の位置づけは看護師の平均年収にまとめています。
男女の平均より、自分の明細を知ることが、いちばんの武器だよ。
書き出せた項目から、少しずつ進めていこう。
よくある質問
男性看護師の平均年収は、いくらですか?
令和7年賃金構造基本統計調査(民営事業所10人以上)の、男性の看護師のきまって支給する現金給与額38万5,600円と賞与89万2,800円から、約552万円と計算できます(筆者計算で、公式の年収ではありません)。個人にそのまま当てはまる数字ではありません。
男性のほうが年収が高いのは、なぜですか?
統計には、理由が書かれていません。年齢・勤続・役職・夜勤や時間外の回数・勤め先の規模などの違いが重なっている可能性はありますが、どれが影響しているかは、この統計では分けて読めません。
20代でも、男女で差がありますか?
令和7年の統計では、20〜24歳と25〜29歳は、きまって支給する現金給与額がほぼ同水準でした。差が目立つのは30代後半からです。標本の小さい階級もあるため、断定はできません。
出典・参考(公的な情報)
- 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況(厚生労働省)
- 令和7年賃金構造基本統計調査(職種)第1表 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat(厚生労働省の調査))
- 同 第3表 役職者を除く(職種小分類、性別)(e-Stat(厚生労働省の調査))
- 同 第7表 職種(小分類)、性、年齢階級別(e-Stat(厚生労働省の調査))
- 同 第14表 職種(小分類)、性、経験年数階級別(e-Stat(厚生労働省の調査))
- 令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況(結果の概要)(厚生労働省)
- 2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書(公益社団法人 日本看護協会)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。