転職後のつまずき
看護師が転職後に辞めたいとき、動く前に確かめる7つのこと
更新 2026年10月23日読むのに約6分
入ってみたら、思っていた職場と違った。そう気づいた日から、毎朝の出勤が重くなることがあります。この記事では、辞めると決める前に確かめる7つのことを、チェックリストの形で順に並べます。
入ってみたら、思っていた職場と違った。そんな朝が続いているんだね。
決める前に、いまの気持ちを、ひとつずつ机に並べてみようか。
まず、「合わない」を3つの引き出しに分ける
転職先が合わないと感じるとき、頭の中は「全部だめ」という一つの塊になりやすいものです。慣れない場所で気を張り続けていると、小さな違和感も大きく見えます。まずは、その塊をほぐす作業から始めます。
ほぐすときは、「合わない」を次の3つの引き出しに分けます。
- 仕事の進め方:手順、物品の場所、記録の書き方、勤務の組み方が、前の職場と違って戸惑っている
- 人:質問しづらい、教え方が合わない、相談できる人が見当たらない
- 条件:夜勤の回数や残業、休みの取りやすさが、求人票や面接で聞いた話と違う
3つは、動き方がそれぞれ違います。「進め方」は、時間と慣れで軽くなることがある引き出しです。「人」は、話す相手や頼る順番を変えると、動くことがあります。「条件」は、事実を書き出したうえで、職場に確かめられます。一番重い引き出しが分かると、次に確かめることが絞れます。「人」の引き出しが重いときの考え方は職場に合わないと感じたときの記事に、転職先がクリニックで、病院との違いに戸惑っているときはクリニックを辞めたいときの記事に分けて書いています。
書き出すときは、気持ちより場面を書きます。いつ、誰が、何をしたか。どのくらいの頻度か。そのとき自分がどう感じたか。それぞれを一行ずつにします。下のメモは、入職後の1週間分を書き出した例です。
- ○月○日|朝の申し送りで、手順が前の職場と違い、手が止まった(進め方)
- ○月○日|質問したら「あとで」と言われ、そのままになった(人)
- 今週の残業は週に○回、夜勤は月に○回の予定(条件)
- 一番重い引き出し:○○
- 休日に軽くなったか:○/×
全部書かなくていいよ。重かった場面から、3つでじゅうぶん。
ぐるぐるしている話は、紙に出すと、少しだけ軽くなるよ。
入職からの日数で、見え方が変わることがある
同じ「合わない」でも、入職してすぐと、数か月たってからでは、中身が違うことがあります。日数に決まった正解はありません。いま自分がどのあたりにいるかを確かめる目安として、3つの時期に分けてみます。
- 入職から数週間:手順、人の名前、物の場所を覚えている最中です。合わなさの一部は、「まだ知らない」ことから来ています。この時期の辞めたい気持ちは、疲れの影響を大きく受けていることがあります。
- 入職から数か月:仕事は回り始めたのに、違和感が残る時期です。残る違和感は、手順よりも、人や条件に近いことがあります。
- 半年以降:続けるか動くかを、事実で考えやすい時期です。書き出した場面の数と頻度が、そのまま材料になります。
ただし、入職の初日から眠れない、出勤前に動悸がする、といった状態があるときは、日数を待たずに、休息と相談を先にします。この点は、最後の節で触れます。
もう一つ、この時期に出やすいのが、「前の職場のほうがよかった」という気持ちです。前の職場がすべてよかったわけではなく、慣れていた分、楽に感じているだけかもしれません。比べるなら、前の職場でよかった点を、次の職場の条件に直して書き出します。たとえば「質問しやすかった」は、「質問する時間が決まっている職場」という条件になります。
職場の中で、一度だけ試せること
辞める前に、職場の中で一度だけ、動かしてみる選択肢があります。「一度だけ」と決めるのは、何度も試して消耗するのを避けるためです。
相手は、教育担当か、直属の上司が考えやすいです。書き出した場面のうち、1つか2つを、具体的に伝えます。「合わない」とまとめずに、「申し送りの手順が前の職場と違い、どこまで自分で判断してよいか迷っている」のように、場面と困りごとを分けます。
希望も、小さく具体的にします。「確認の時間を、週に一度もらえますか」「しばらく同じ先輩と組めますか」「夜勤に入る前に、見学の日をもらえますか」といった形です。大きな要望より、返事のしやすい要望のほうが、話が前に進みます。
職場の中で試すこと
担当、組む相手、確認の時間、勤務表の希望など、話し合いで動かせるところ。入職して間もない時期に向きます。
外へ出る選択
求人票と実際の条件の食い違いや、職場の体質が合わないと分かったとき。次の職場で譲れない条件を、先に言葉にしておきます。
話してみて変わったなら、続ける選択肢が増えます。変わらなかった、または話せる相手がいなかったという事実は、外へ出る判断の材料になります。どちらの結果でも、書き出した記録は役に立ちます。話しにくい職場では、短いメッセージや、人事・総務の窓口を使う形もあります。話す時期を決めかねているなら、入職から一定の日数で見直す日を先に置く方法を、入職初日から3か月までの過ごし方にまとめています。
- 書き出す場面を3つ
- 休日に確かめる同じ重さか
- 一度だけ話す教育担当か上司
- 外の選択を調べる条件を言葉に
順番は入れ替えてもいいよ。1段だけで止まっても、ちゃんと前に進んでるよ。
辞めると決めるなら、先に整えておく実務
動く方向に傾いたら、気持ちが落ち着いているうちに、実務を先に整えておくと、あとの負担が軽くなります。次の項目のうち、できるところから進めます。
書類:雇用契約書(労働条件通知書)、就業規則、求人票の控えを、手元に出します。求人票と実際の条件が違うと感じたときは、どこがどう違うかを、日付つきで並べておきます。書面と違う点は、まず人事や上司に「契約書ではこうなっていますが」と事実で確かめ、それでも解消しないときに外の相談先を考えます。
退職の伝え方:意思が固まったら、退職の伝え方と順番を見ながら、伝える順番を決めます。就業規則に、退職の手続きの定めがあるかも、先に確認します。
職務経歴書:在籍した期間が短くても、事実はそのまま書きます。担当した業務と、短い期間で離れる理由を、事実どうしで並べます。組み立てには、職務経歴書ツールが使えます。面接での話し方は、面接での退職理由の話し方に整理しています。
次の職場選び:同じことを繰り返さないために、今回合わなかった条件を、3つだけ言葉にします。優先順位の付け方は、迷う・不安なときの条件の優先順位で扱っています。
探す時期:在職のまま次を探すか、休んでから探すかは、体調と家計の両方で決めます。在職中なら、平日の夜や休日に応募と面接を入れられるかを先に見ておきます。
つらさが重いときは、判断より休息を先にする
出勤前に吐き気や動悸がする、眠れない日が続く、休日も職場のことが頭から離れない。そんな状態が続くときは、辞めるかどうかの整理を、少しあとにします。先にするのは、休むことと、話す相手を確保することです。
転職直後は、休みを取りにくいと感じる人もいます。休暇の取り方は、勤め先の就業規則で確認できます。確認する元気がないときは、「休みの取り方を教えてください」と、一言だけ尋ねる形で済ませます。
辞めるかどうかは、休んだあとでも決められます。今日できることは、書き出したメモを閉じて、早く眠ることかもしれません。合わなかったという事実は、次の職場を選ぶ材料として、あとからでも使えます。
通い続けてきたことも、ちゃんと数えていいんだよ。休むのも、立派な選択だからね。
よくある質問
転職したばかりで辞めたいと思うのは、早すぎますか?
日数だけで答えは出せません。入職からの期間、つらさの重さ、休日に軽くなるかを合わせて見ます。眠れない日が続くときは、日数を待たずに、休息と相談を先にしてください。
前の職場に戻りたいと思うのは、おかしいことですか?
慣れた場所に戻りたくなるのは、自然な気持ちです。戻れるかどうかは前の職場の事情にもよります。戻りたい理由を、「質問しやすかった」のような条件に直して書き出すと、次の職場選びに使えます。
短い期間で辞めたことは、次の面接でどう話せばよいですか?
事実を短く伝え、そこから確かめたことと、次に大事にしたい条件へつなげます。職場の中で一度話してみた経過があれば、それも事実として添えられます。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。