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不調のサインと受診

看護師が通院しながら働く段取り。受診から職場への伝え方まで5つの手順

更新 2026年10月23日読むのに約6分

通院したほうがいいかもしれないと思っても、勤務表を前にすると、いつ行けるのかが見えずに止まってしまいます。通える日を先に出し、職場に伝える範囲を決めるという順で、5つの手順にまとめました。

病院に行こうと思えたこと、それだけでも大きな一歩だよ。

手順1・2 通える日を、勤務表から先に出す

受診を考えるとき、症状を細かく整理してから動こうとすると、なかなか始まりません。先に確かめるのは、勤務表のほうです。次の5つが、この記事の手順の全体です。

通院と勤務を両立させる5つの手順
  1. 通える日を出す勤務表と診療時間
  2. 受診先を選ぶ相談の入口も含めて
  3. 伝える範囲を決める先に自分で
  4. 調整を相談する夜勤・日程
  5. 経過を見直す続け方を調整

全部を一度にやらなくて、だいじょうぶだよ。

手順1は、勤務表を開いて、通えそうな日と時間帯を出すことです。夜勤明けの日、夜勤の前日、連続勤務の最終日は、疲れやすく予定を入れにくい日として、先に外しておく人が多い日です(人によって違うので、自分の勤務に合わせて決めます)。残った日の中から、病院の診療時間が合う日を探します。診療の受付時間や休診日は、医療機関のサイトや電話で確かめます。

手順2は、受診先の選び方です。国立精神・神経医療研究センターのこころの情報サイトは、気分の落ち込みや日常生活への大きな支障が続く場合の相談先として、総合病院の精神科、心療内科、精神科クリニックなどを挙げています。かかりつけの内科医や、保健所・精神保健福祉センターも利用できるとされています。

保健所と精神保健福祉センターは、行政の窓口です。e-ヘルスネットによると、精神保健福祉センターは都道府県(指定都市)の精神保健福祉の技術的中核機関で、精神保健福祉相談を行います。保健所は地域の中心的な行政機関で、相談と訪問指導を行います。費用や電話番号は、お住まいの地域のページで確かめます。精神保健福祉センターの相談は「複雑困難なもの」を扱う、とe-ヘルスネットにあるため、最初の窓口としては、保健所やこころの耳の相談、かかりつけ医から始める道もあります。

今週のうちに、手順1だけやる

手順3 職場に伝える範囲を、先に自分で決める

通院が決まったら、職場にどこまで伝えるかを決めます。ここで迷う人は多く、伝える・伝えないの二択にしてしまうと、動けなくなります。伝える範囲は、段階に分けて考えられます。

通院の予定だけ伝える

「通院で、この日の午後は出られない」という日程の調整だけを伝えます。理由は、聞かれたときに決めます。

事情まで伝える

通院の理由や、勤務での困りごとも伝えます。夜勤の入り方など、勤務の調整まで相談したいときに向きます。

どこまで伝える必要があるのかは、職場の就業規則や、休暇の扱いによって変わります。通院の日を有給休暇にするのか、病気休暇などの特別な休暇があるのかも、職場ごとに違います。まず就業規則を読み、休暇・欠勤・休職の定めを確認します。分からないときは、都道府県労働局などにある総合労働相談コーナーが、あらゆる分野の労働問題を無料で受け付けています(平日の日中のみ)。

産業医がいる職場なら、産業医も勤務の調整の相談先になります。治療を担う主治医とは役割が違い、話した内容が職場にどう伝わるかは先に確かめます。仕組みはストレスチェックの記事にまとめました。

厚生労働省は、治療と仕事の両立について、『治療と就業の両立支援指針』(令和8年(2026年)厚生労働省告示第28号、2026年2月10日付)を示しています。令和8年度から、両立支援は事業主の努力義務とされました(労働施策総合推進法の改正による)。これは事業主の側の話で、労働者が配慮を請求できる権利と書かれているわけではありません。相談先として、都道府県の産業保健総合支援センターに、治療と仕事の両立の専門の相談員がおり、事業者等からの相談を受けたり、労働者と事業者の調整を支援したりする、とページにあります。事業者向けの窓口として案内されており、個人の看護師が直接使えるかどうかは確かめられていないため、勤め先や窓口で確認してください。

通院が必要になりそうで、月に2回ほど、午後に外来へ行きたいと考えています。夜勤の日と重ならないよう、勤務の組み方を相談できますか。

上司に、日程の調整から切り出す例

予約の電話って、勤務の合間だと気が引けるよね。

かける時間を決めたら、まず一息ついてからにしよう。

手順4 通院が続くあいだの調整と、お金の確認

通院が始まったら、続けられる形に調整します。見るのは、通院日の前後の勤務です。日本看護協会の『看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン』(2013年)は、勤務と勤務の間隔を11時間以上あけることなどを提案しています。法律ではなく職能団体の提案ですが、通院日の前後に間隔を空けてもらえないかと相談するときの、目安になります。数字を含む項目は、夜勤の回数を数字で伝える方法にあります。

お金の面では、傷病手当金は、療養のため労務に服することができないときの給付です(健康保険法99条1項)。働きながら通院している間は、基本的に対象ではありません。また、報酬を受けられる間は支給されず、受けられる報酬が手当金より少ないときは差額が支給されます(同法108条1項)。休業が必要になったときの傷病手当金とお金の流れは、休職中の過ごし方とお金の記事にまとめています。

通院の医療費には、自立支援医療(精神通院医療)という制度があります。厚生労働省の案内によると、うつ病などの気分障害や不安障害を含む精神疾患で、通院による治療を続ける必要がある人が対象です。認められると、通院の医療費の自己負担が、医療保険の3割から原則1割に軽くなり、1か月の負担には世帯の所得に応じた上限があります。申請は住んでいる市町村の担当窓口で、医師の診断書などが要ります。使えるのは都道府県・指定都市が指定した「指定自立支援医療機関」に限られるため、通院先が当たるかを受付で聞いておきます。受給者証の有効期間は原則1年です。

受診前に書いておくメモ(例)
  • 困っていること:眠れない日が週に何日か
  • いつごろから:おおよその時期
  • 勤務の状況:夜勤の回数、休みの取れ方
  • 通える日:第2・4木曜の午後など
  • 聞きたいこと:仕事を続けながらの通院の進め方

聞かれることは病院ごとに違うけど、書いておくと話しやすいよ。

つまずきやすい場面と、手順5の見直し

手順が分かっても、実際には、いくつかの場面で止まりやすくなります。止まったときの、小さな一手を並べます。

  • 予約の電話ができない:窓口や病院のウェブ予約がないか調べる。日中が難しければ、夜や土日に使えるこころの耳のSNS相談に、予約の前の気持ちを話してみる
  • 夜勤明けに通院の予約を入れてしまった:予約を変えられるか電話で聞く。変えられないなら、夜勤前後の勤務を調整できないか、上司に早めに聞く
  • 通院していることを知られたくない:伝える範囲を、先に自分で考えておく。日程の調整だけを伝え、事情は聞かれたときに考える、という始め方もある(どこまで伝える必要があるかは、職場の定めによる)
  • 通院が続かなくなった:続かなくなったこと自体を、次の予約のときに話す。責めるより、続けやすい日程を探し直す

手順5は、経過の見直しです。通院を始めて数週間たったら、勤務との両立がどのくらい負担か、書き出します。睡眠の状況は、厚生労働省の睡眠ガイド2023が、症状が続き日中の生活に影響しているときは速やかに医師に相談するとしている点が、一つの目安です。負担が大きいときは、勤務の調整や、休職の検討を、主治医と産業医に相談します。

話を聞いてもらうだけの相談の選択肢は、カウンセリングの記事にあります。気分の落ち込みが続くときは、憂うつ・孤独がつらい日の記事も読めます。ほかの窓口は、つらいときの窓口にあります。

通いながら働くのは、二つのことを同時に抱えているのと同じだよ。

今日は、勤務表を開けたら、それで十分だからね。

よくある質問

通院していることを、職場に伝える必要はありますか?

どこまで伝える必要があるかは、職場の就業規則や、休暇の扱いによって変わります。日程の調整だけを伝え、事情は聞かれたときに考える、という始め方もあります。迷うときは、就業規則を読んだうえで、総合労働相談コーナーで確かめられます。

夜勤をしながら、通院できますか?

夜勤明けや夜勤の前日を外して、通える日を勤務表から探します。日程の調整が必要なときは、上司に早めに相談します。日本看護協会のガイドラインは、勤務の間隔を11時間以上あけることを提案しています。

通院日を、職場にどう伝えればよいですか?

勤務表が作られる前に、「月に2回ほど、午後に通院の予定があります」と、日程の形で伝えると、組み込んでもらいやすくなります。理由まで話すかどうかは、自分で先に決めておきます。医療費が心配なときは、自立支援医療(精神通院医療)の対象になるかを、市町村の窓口で確かめられます。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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