シフト・休日
看護師の勉強会が休日に入るとき。出席の扱いと休みの数の確かめ方
更新 2026年10月23日読むのに約6分
休みの日に勉強会が入ると、体は休まらないまま次の勤務が来ます。出席の扱い・休日の数・時間の記録の3つに分けると、何が重いのかと、誰に何を聞けばよいかが見えてきます。
休みの日の勉強会、予定を見るだけで肩が重くなるよね。
休みの日の勉強会が重いのは、時間のせいだけではない
夜勤明けの翌日の午後に、病棟の勉強会がある。担当になっているので、前日の夜に資料の最終確認もした。休日のはずなのに、半日ぶんが仕事で埋まっている。こうした場面で感じる重さは、一つではなく、いくつかが重なっています。
- 時間:集合から終わりまでの拘束時間。移動の時間も入る
- 準備:資料づくり、症例のまとめ、持ち帰りの作業
- 休み:休日が実質なくなり、体を回復させる日がない
- 気持ち:断れない空気や、欠席したときの評価への不安
重さの正体を分けると、相談の相手と進め方も分かれます。時間と休みは、法令と勤務先の規則に照らして確かめる話です。準備と気持ちは、職場の運用や話し合いで変えていく話になります。
委員会や研修レポートそのものを軽くする手順は、委員会・研修レポートの負担を軽くする整理のしかたに書きました。この記事は、休日に当たったときの見分け方と確かめ方に絞ります。
出席が決まっているのか、任意なのか。見分ける3つの手がかり
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」は、労働時間を、使用者の指揮命令下に置かれている時間と説明しています。使用者の明示または黙示の指示で業務に従事する時間は、労働時間に当たります。参加が業務上義務づけられている研修や教育訓練の受講、使用者の指示で業務に必要な学習をしていた時間は、労働時間として扱わなければならないとされています。
指示が文書ではなく、空気のことも多いはずです。厚生労働省が訪問介護事業向けに出した文書には、使用者の明示的な指示がなくても、欠席すると就業規則上の制裁などの不利益がある場合や、内容と業務の関連が強く、参加しないと本人の業務に具体的に支障が出るなど、実質的に出席の強制があると認められる場合は、労働時間に該当すると書かれています。看護職向けの文書ではありませんが、考え方の参考になります。
実際に見分けるときの手がかりは、次の3つです。
- 指示の出し方:「全員参加」「出席必須」と、通知や共有の場で伝えられているか。口頭だけか、文書か
- 欠席したときの扱い:理由書や補講を求められるか、評価や配置に響くと言われたことがあるか
- 内容と業務の近さ:自部署の手順や、院内で全員が受ける必須の内容か。個人の関心に応じた学びか
出席が義務に近い場合
指示があり、欠席すると不利益があるなら、労働時間として扱われる考え方があります。休日なら、休日に働いたことになるかが次の論点です。
自由参加の場合
参加が任意で、欠席しても不利益がなく、業務との結びつきも弱いなら、労働時間に当たらないことがあります。ただし、実態で見られます。
自由参加の整理は、医師の研鑽に関する通達の考え方に近いものです。ただし、この通達は医師を対象にしていて、看護師にそのまま当てはまるものではありません。「勉強会は残業代が出る」「出ない」と一言で決まる話ではなく、指示や不利益の有無といった実態で見られます。
「任意」と言われても、断れる空気じゃないことってあるよね。
そんなときは、言葉より実際の様子を、メモしておこう。
気をつけたいのは、任意と言われていても実際は断れない場面です。言葉と実態がずれているときは、実態のほうを記録に残します。誰が、いつ、どんな言い方で伝えたか。欠席した人がどうなったか。次の見出しの記録の取り方につながります。
休日に当たるとき、休みの数と代わりの休みを確かめる
労働基準法35条は、使用者は毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないと定めています。4週間を通じて4日以上の休日を与える使用者には、この規定は適用されません。休日は、原則として午前0時から午後12時までの暦日で与えるもので、一部でも労働させれば休日を与えたことにはならない、と厚生労働省の「確かめよう労働条件」は説明しています。
看護の職場は、交替制の勤務表で休日が決まります。厚生労働省のモデル就業規則の解説には、就業規則等に定められて制度として運用されていること、各番方の交替が規則的に定められ、勤務割表などでその都度設定されるものではないこと、この2つの要件を満たせば、休日は暦日でなく継続した24時間でよいという扱いが載っています。自分の職場がこれに当たるかは職場ごとに違うので、就業規則と勤務の組み方で確かめます。
休日の勉強会が労働時間に当たる場合、その日が法定休日なら、休日労働の割増賃金(通常の賃金の3割5分以上)が関わります。時間外労働は2割5分以上です。どちらも政令が定める最低の率です。3割5分の定めは、法定休日の労働にかかるものです。法定休日以外の休み(所定休日)の勤務は休日労働には当たりませんが、労働基準法32条の週40時間を超えた部分は時間外労働となり、2割5分以上がかかります。所定休日の勤務に独自の割増を付けているかは、勤務先の賃金規程で確かめます。休日と割増の早見表は、年末年始・連休の勤務の記事にもあります。
休日が潰れたとき、もう一つ聞きたいのが、代わりの休みの扱いです。名前のよく似た2つがあります。
- 振替休日:休日と勤務日を、事前に入れ替える。休日労働にならず、休日手当は要らない。ただし、翌週に振り替えて週40時間を超えた部分には、時間外の割増が要る
- 代休:休日に働いたあとで、代わりの休みを与える。休日労働をしたことは変わらないので、休日手当が必要
モデル就業規則の解説によると、振替休日は、就業規則に規程があること、振替休日が特定されていること、4週4日の休日が確保される範囲でできるだけ近い日であること、前日までに通知されていること、が要件です。「あとで休みを付ける」と口頭で言われただけの場合は、振替なのか代休なのかを、聞いて確かめます。
記録して、聞いて、減らす。順番を決める
確かめる順番を決めておくと、全部を一度にやらずに済みます。出席の扱い、休みの数、時間の記録、賃金や代わりの休みの聞き取り、それでも進まないときの相談。この5つです。
- 出席の扱い義務か任意か
- 休みの数週1回・4週4日
- 時間を記録開始・終了・内容
- 扱いを聞く振替か代休か
- 窓口へ話が進まないとき
全部を一度にしなくていいよ。1つずつ、順番にね。
労働時間の記録について、ガイドラインは、始業・終業の時刻の確認と記録は、使用者の現認か、タイムカードなどの客観的な記録によるのが原則と述べています。自己申告の場合も、申告できる時間外労働の時間数に上限を設けるなど、適正な申告を妨げる措置をしてはならないとされています。休日の勉強会の時間が、勤怠の記録に載る形になっているかを、まず見ます。
自分用の記録も役に立ちます。厚生労働省は、労働相談のときに、労働契約書、出退勤時間、残業時間の記録、給与明細を持参すると話が進みやすいと案内しています。日付、開始と終了の時刻、内容、誰の指示か、の4つを、メモか現在地ログに残しておきます。
◯月◯日の勉強会は、出席が必須でしょうか。休日にあたるので、勤務時間として扱われるのか、代わりの休みがあるのかを教えてください。
師長や上司に、扱いを聞く例
扱いが分かったうえで負担を減らしたいときの提案の材料は、3つあります。回数(毎月から隔月へ)、時間(勤務時間内に組み込む)、役割(担当を順番に回す)です。録画や資料の共有で、休日に来られない人も学べる形にできないかも、相談できます。変えられるかどうかは、職場ごとに違います。
- 経験が浅い時期:出席が評価につながると感じやすい。先輩に、過去の出席の扱いを聞く
- 担当や講師を任される時期:準備が重くなる。準備を勤務時間内に入れられるかを聞く
- 家庭の予定がある場合:休日の預け先と重なる。日程の候補を複数出せないかを聞く
話し合いで進まないときは、都道府県労働局などに置かれた総合労働相談コーナーが使えます。予約不要・無料で、平日の日中に面談か電話で対応しています。夜間や休日に、労働時間や休日の扱いを相談したいときは、厚生労働省の委託事業の労働条件相談「ほっとライン」(0120-811-610)があります。月〜金曜は17〜22時、土日祝日は9〜21時で、12月29日〜1月3日は休みです。無料で、匿名でも相談できますが、職場への指導はできません。どの窓口を選ぶかは、労働相談の窓口の選び方にまとめています。
勉強会のほかに、早出や遅出で休憩が取りにくい悩みは、早出・遅出がつらいときで扱っています。休日そのものが少ないと感じるときは、休日が少ないときの見方も使えます。
全部を一度に変えなくて大丈夫。まずは、記録の1行目から始めよう。
よくある質問
休日の勉強会に、出席しなければなりませんか?
出席が業務上義務づけられているかどうかは、指示の出し方や欠席したときの扱いなど、実態で見られます。まず上司に出席の扱いを確かめ、言われた内容を記録に残してください。話し合いで進まないときは、総合労働相談コーナーが使えます。
休日の勉強会に、手当は出ますか?
労働時間に当たるかどうかと、その日が法定休日かどうかで変わります。法定休日の労働なら、3割5分以上の割増が関わります。代わりの休みが振替か代休かでも扱いが違うため、賃金規程と就業規則で確かめてください。
勉強会の準備を、家でするのは労働時間ですか?
使用者の指示で業務に必要な学習をしていた時間は、労働時間として扱うとガイドラインにあります。自主的な学びか、指示によるものかは実態で見られます。指示の言葉と、かかった時間を記録しておくと、あとで確かめやすくなります。
出典・参考(公的な情報)
- 労働基準法 第22条・第32条・第35条・第37条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 時間外・休日労働と割増賃金(確かめよう労働条件)(厚生労働省)
- 過重労働の防止(確かめよう労働条件)(厚生労働省)
- モデル就業規則(令和7年12月版)(厚生労働省)
- 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(大阪労働局(厚生労働省))
- 訪問介護事業向けの文書(待機時間・研修時間の考え方)(厚生労働省)
- 総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)
- 労働条件相談「ほっとライン」(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。