派遣の疑問
看護師の派遣で夜勤・クリニックは選べる?ボーナス・ブランクも回答
更新 2026年10月23日読むのに約6分
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派遣なら、夜勤だけ、クリニックだけと、条件を自由に選べると思われがちです。この記事では、よくある疑問を一つずつ取り上げ、条文で決まっていることと、派遣会社に確かめることを分けて答えます。
病院やクリニックへの派遣には、実は決まりがあるんだよ。
疑問1:派遣なら、病院でもクリニックでも働ける?
結論から言うと、病院・診療所(一部の施設内の診療所を除く)・助産所・介護老人保健施設・介護医療院・医療を受ける人の居宅での看護師の派遣は、原則として禁止です(労働者派遣法4条、施行令2条)。例外は、紹介予定派遣、産前産後休業・育児休業・介護休業などの代替、へき地の病院等(令和3年4月から)の3つだけです。条文の詳しい読み方と3年ルールは看護師の派遣という働き方にまとめているので、ここでは求人を見たときに迷いやすい点に絞って答えます。
「クリニック」の派遣求人を見つけたら、3つの例外のどれに当たる募集かを、派遣会社に聞きます。産休・育休の代替なら、休む人がいる期間とその人の業務に限られるので、「いつまで」「誰の代わりか」が書面に出てくるはずです。へき地は省令で定める市町村に限られ、「地方だから」という理由だけでは当てはまりません。どれにも当たらない説明しか返ってこないときは、応募の前に都道府県労働局に確かめるほうが安全です。
クリニックで週に数日だけ働きたい、という希望なら、派遣にこだわらない選び方もあります。クリニックが直接雇う非常勤やパートは、派遣ではないので、この禁止とは別の枠組みです。契約書の見方は非常勤・契約社員の違いで扱っています。
| 職場 | 看護師の派遣(施行令2条) | 確かめること |
|---|---|---|
| 病院 | 原則禁止。例外あり | 産休・育休代替、紹介予定派遣、へき地のどれか |
| 診療所(クリニック) | 原則禁止。例外あり(一部の施設内診療所は除く) | 同じ。施設内の診療所かどうか |
| 助産所 | 原則禁止 | 例外の対象か |
| 介護老人保健施設・介護医療院 | 原則禁止 | 例外の対象か |
| 利用者の居宅(訪問看護) | 条文上は禁止の側に含まれる | 事業所ごとの可否を派遣会社・労働局へ |
| 特別養護老人ホームなどの社会福祉施設 | この条文の禁止リストにはない | 施設の形(施設全体が診療所等でないか) |
| 健診センター・企業・学校など | この条文の禁止リストにはない | 個別の可否を派遣会社へ |
禁止リストに載っていない場所でも、派遣できるとは限りません。個別の可否は派遣会社・労働局で確かめます。
「条文に書かれていない」と「できる」は、同じ意味じゃないんだね。
求人の職場が表のどの行か分かれば、聞くことも決まるね。
次は、紹介予定派遣の中身を見ていくよ。
疑問2:紹介予定派遣なら、病院で働ける? 期間と直接雇用への切り替え
紹介予定派遣は、派遣の開始前か開始後に、派遣会社が派遣先との直接雇用をあっせんすることを予定した派遣です。病院でも、この形なら例外として派遣で働けます。厚生労働省の説明では、派遣期間中にお互いを見極められ、直接雇用につながりやすい仕組みとされています。
- 期間:同じ派遣労働者について、6か月を超えて派遣することはできない
- 事前の選考:通常の派遣と違い、派遣の前の面接や履歴書の送付ができる
- 求人条件:派遣の開始前や期間中に、直接雇用後の条件が示される
- 雇われなかったとき:派遣先は、派遣会社の求めに応じて理由を書面などで示し、派遣会社は本人の求めに応じて、その理由を書面で伝える
- 雇われたあと:派遣先は、紹介予定派遣で雇い入れた人に試用期間を設けないようにする
実際に聞いておきたいのは、直接雇用になったときの雇用形態(常勤か非常勤か)、給与、夜勤の有無が、派遣中の条件とどう変わるかです。派遣中の時給が高く見えても、直接雇用後は月給と賞与の形に変わるので、年額に直して並べます。6か月の間に合わないと感じたら、直接雇用に進まない選択もあります。
疑問3:夜勤は? ボーナスは? ブランクは?
夜勤について。派遣の禁止は、働く場所と業務で線を引いていて、夜勤かどうかでは線を引いていません。そのため、例外にあたる場合を除くと、「病院の夜勤だけを派遣で」という形は取れません。派遣で夜勤の求人が出やすいのは、禁止リストにない特別養護老人ホームなどの施設です。施設の夜勤は、看護職が少ない人数で入る形もあるので、夜間に医師へ連絡する手順と、相談できる看護職がオンコールでいるかを聞きます。午後10時から午前5時の深夜労働には25%以上の割増賃金が必要です(労働基準法37条)。回数の記録のつけ方は夜勤の回数が多いと感じたときの記録と伝え方で扱っています。
ボーナスについて。派遣の待遇は、派遣会社が「派遣先均等・均衡方式」(派遣先の正職員との均等・均衡で決める)か「労使協定方式」(派遣会社の労使協定で決める)のどちらかで決めます。どちらの方式かで、説明を求められる中身が変わります。厚生労働省の案内では、賞与・退職手当の目的が派遣労働者にも当てはまるのに、職務の違いに応じた均衡のとれた支給をしない場合は、不合理と認められる可能性があるとされています。2026年10月1日からは、待遇の相違の内容や理由の説明を求められる旨を、雇入れ時や派遣時に明示することになりました。契約前に、方式と、賞与・交通費・退職金にあたるものの有無を書面で確かめます。
ブランクについて。ブランクがある人への研修や最初の同行は、法律で決まったものではなく、派遣会社と派遣先の運用です。へき地の例外では、通知が、事前研修(最低6時間以上が望ましい)を受けた看護師等を派遣するよう、派遣元に求めています。それ以外の派遣では、研修の有無と、初日に誰が業務を教えるかを、面談で聞く項目に入れておきます。派遣の前に手技を確かめ直したいときは、ナースセンターなどの無料の研修を使う方法もあり、看護師の復職支援研修にまとめています。
疑問4:3年で終わる? 単発の派遣は?
同じ職場の同じ課で、同じ人が派遣で働けるのは3年までです(派遣元は35条の3、派遣先は40条の3)。これとは別に、派遣先の事業所単位の期間制限(40条の2)もあり、過半数労働組合などの意見を聴けば延長できます。無期雇用の派遣労働者、満60歳以上の人、産休・育休・介護休業の代替などは、3年の制限の例外です。
派遣という働き方の全体像は、看護師の派遣という働き方で扱っています。日々または30日以内の期間で雇う日雇い派遣は、原則として禁止で、看護師の例外は限られます(35条の4)。くわしくは看護師の単発・スポットの働き方で比べています。
例外のどれに当たるかを聞くだけで、募集の見え方が変わってくるよ。
よくある質問
派遣の求人に病院名が載っていたら、そのまま応募してよいですか?
まず、産休・育休などの代替、紹介予定派遣、へき地のどれに当たる募集かを、派遣会社に書面で確かめてください。当てはまるか迷うときは、都道府県労働局にも確かめられます。
紹介予定派遣なら、病院で働けますか?
紹介予定派遣は、病院等での看護師の派遣の禁止の、例外の一つです。同じ人を6か月を超えて派遣することはできず、その間に直接雇用に進むかを決めます。雇われなかったときは、求めれば理由を書面で示してもらえます。
准看護師でも、派遣で働けますか?
へき地の例外には、看護師と准看護師の業務が含まれます。一方、日雇い派遣の例外業務は、保健師助産師看護師法5条の看護師の業務で、准看護師(6条)は入っていません。
出典・参考(公的な情報)
- 労働者派遣法 第4条・第35条の3・第35条の4・第40条の2・第40条の3(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働者派遣法施行令 第2条・第4条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働者派遣法施行規則 第1条・第28条の2・第28条の3・第33条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働者派遣法施行令の一部を改正する政令の公布について(医政発0302第14号ほか、令和3年3月2日)(厚生労働省)
- 紹介予定派遣とは(派遣元指針・派遣先指針の留意点)(厚生労働省)
- 派遣労働者の同一労働同一賃金 改正ポイントのご案内(令和8年10月1日施行)(厚生労働省・都道府県労働局)
- 労働基準法 第9条・第14条・第15条・第37条・第38条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 厚生労働省関係の主な制度変更(令和8年10月)について(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。