夜勤の続け方
看護師の夜勤はいつまで?年代別に、続けられる体力の見立て方
更新 2026年10月23日読むのに約7分
「夜勤はいつまでできるのか」と考え始めるのは、体の変化や家庭の事情が重なる時期です。この記事では、年齢で線を引かず、回数・間隔・休息のどこが重くなったかで見立てる方法を、年代・立場別に整理します。
夜勤明けの帰り道に、ふと「いつまでできるかな」って思うこと、あるよね。
年齢の数字より、いまの勤務の重さを見ていこう。
年齢の前に、見立てに使う4つのものさし
「何歳まで夜勤ができるか」について、年齢で上限を決めた制度や基準は、確認できた範囲では見当たりません。日本看護協会が2013年2月に公表した夜勤・交代制勤務のガイドラインは、勤務編成の基準を11項目で示しています。その項目は、年齢別ではなく、勤務の組み方についてです。ここでは、見立てに使いやすい4つを選びます。
- 夜勤の回数:三交代制は月8回以内を基本とし、それ以外の交代制は、労働時間などに応じた回数としています
- 勤務の間隔:勤務と勤務の間は、11時間以上あけることを提案しています
- 夜勤の連続:連続は2回までを提案しています
- 夜勤後の休息:2回連続の夜勤後は、おおむね48時間以上。1回の夜勤後も、おおむね24時間以上が望ましいとしています
これらは、日本看護協会の提案で、法律ではありません。ガイドラインの本文にも、すべてを一度に満たす必要はなく、現場の状況によって緩和された基準もある、という趣旨が書かれています。自分の職場を「違反」と決めつける道具ではなく、どこが重いかを言葉にする物差しとして使います。回数の基準の細部は、夜勤の回数の目安にまとめています。
- 直近3か月の夜勤の回数(月ごと)
- 夜勤から夜勤へ、連続した回数
- 夜勤が明けてから、次の勤務までの時間
- 夜勤明けの日と翌日に、眠れたおおよその時間
- 休日が、夜勤明けの回復だけで終わった回数
- 体の変化(気づいた日と、その内容)
数字で見えると、自分でも、相談のときにも使えるよ。
1〜3か月ほど、この6項目を書き出します。「しんどい」という感覚が、どの項目に強く出ているかが見えると、年齢の話に入る前に、調整できる点が分かります。
書き出した結果の読み方の例です。夜勤の連続が重いなら、シフトを組む段階での相談が向きます。勤務の間隔が短いのが重いなら、夜勤明けと次の勤務の並びの相談です。眠れた時間が短いなら、夜勤後の過ごし方や、仮眠の取り方を見直す段階です。体の変化が増えているなら、勤務の調整より先に、受診や産業医への相談を考えます。どれも、年齢にかかわらず、同じ手順で使えます。
シートは、いちばん重い欄が一つ見つかれば十分だよ。
20代〜30代前半:「若いから」の前に、回復の設計
夜勤に入って数年は、「若いから大丈夫」と考えて、回数が多くなりやすい時期でもあります。日本看護協会の調査事業報告(2021年度からの4か年計画)は、一定の夜勤期間を設けても、体内のリズムの乱れは小さくならず、夜勤に合わせて生活を夜型にするのは難しいとまとめ、夜勤後に十分な休息が取れる勤務とすることを、考えられる対応策に挙げています。
この報告は、特定の年齢に向けた話ではありません。体力に自信がある時期でも、回復の設計が要る、という読み方ができます。この年代で見るのは、休日が回復だけで終わっていないか、短い間隔や連続が続いていないか、です。見える化シートの「眠れた時間」と「回復で終わった休日」の欄が、最初の手がかりになります。
30代後半〜40代:家庭と並走しているとき
子育てや介護と夜勤が並走する時期は、夜勤後の休息が、家事や育児で削られがちな人もいます。この年代で見るのは、休息の予定ではなく、実際に休めた時間です。夜勤明けの日に眠れた時間と、次の勤務までの時間を、シートに書いてください。
職場の側の動きについては、日本看護協会の調査の数字があります。2024年病院看護実態調査では、調査に回答した3,417病院のうち、直近3年以内に夜勤者を確保するために「多様な夜勤の導入(回数・時間・曜日)」を実施した病院が34.2%、「夜勤専従の導入」が41.1%でした(複数回答)。これは病院が導入した割合で、看護師個人の割合ではありません。また、病院が夜勤者を確保するための策であり、個人が回数を選べることを示す数字でもありません。自分の職場にあるかどうかは、上司や師長に確かめる必要があります。
日本看護協会の2021年の提案は、2回連続で夜勤を行うと体内のリズムが夜型に固定されるといわれているため、2回連続夜勤後には、おおむね48時間以上の休息が望ましいとしています。家庭の用事が入りやすい人ほど、この休息が実際に取れているかを、書き出しで確かめる意味があります。取れていなければ、夜勤の回数より、夜勤の並べ方の相談が先になるかもしれません。
40代の「辞めたい」という気持ちそのものは、40代で辞めたいと感じるときに、夜勤による体の不調(むくみ、肌荒れなど)は、夜勤の体のつらさに任せます。
50代以降:続ける、減らす、降りるの分かれ目
50代以降は、年齢そのものより、健診の結果や更年期の症状といった「体の側の変化」が、夜勤を見直すきっかけになりやすい時期です。続ける・減らす・降りるの3つを、同じ物差し(回数・間隔・連続・休息)に、体の変化を一つ足して並べて見ます。
健診で再検査や要治療の所見が出たときは、まず受診して、夜勤のある勤務をしていることを医師に伝えます。そのうえで、職場の健診の結果は、事業者が医師の意見を聴いて措置を考える仕組みにつながります(下の「どの年代でも」の節)。所見の内容と、見える化シートの数字を一緒に持っていくと、回数や並べ方の相談が具体的になります。ほてり、眠りの浅さ、気分の波など、更年期の症状と夜勤の疲れが重なっているときの受診の目安は、更年期と仕事の記事にまとめています。どちらのせいかを自分で決めず、両方を記録して相談先に見せるほうが、話が早く進みます。
- 夜勤手当がある分、収入の見通しが立てやすい
- いまの職場・チームで働き続けられる
- 夜勤後の休息を、確保しやすくなる
- 夜勤手当の分、収入が変わることがある
どちらが正しい、ではなく、いまの暮らしに合うほうを探そう。
回数を減らす相談は、いまの職場で、まず試せます。夜勤専従という別の働き方は、夜勤専従という働き方に、夜勤そのものを降りる選択は、日勤のみで働く、看護師の選択肢を比べるにまとめています。夜勤の免除や、減らし方の相談は、夜勤の免除をお願いするときが続きです。
どの年代でも:体のサインと、制度でできること
夜勤を含む勤務には、健康診断の仕組みがあります。労働安全衛生規則45条は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者に、配置替えの際と、6か月以内ごとに1回、定期の健康診断を行うことを、事業者に求めています。
また、労働安全衛生法66条の2は、深夜業に従事する労働者のうち、回数などが厚生労働省令の要件に当たる人が、自分で受けた健康診断の結果を、事業者に提出できると定めています。要件は、労働安全衛生規則50条の2で、健診を受けた日前の6か月間を平均して、1か月あたり4回以上、深夜業に従事したことです。
健診で異常の所見があれば、事業者は医師などの意見を聴き(66条の4)、その意見を勘案して必要があるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などの措置を講ずることになっています(66条の5)。これは、労働者が夜勤を減らす権利を定めたものではなく、医師の意見を聴いて、事業者が措置を考える仕組みです。
夜勤の回数より、夜勤明けに回復できていないことが気になっています。次のシフトで、間隔や連続を見直せないでしょうか。
見える化シートの数字を添えて、上司に伝える例
体の不調が続くときは、職場の産業医や、かかりつけの医療機関に話してください。つらさが強いときは、つらいときの窓口もあります。
今日の夜勤の人も、お休みの人も、おつかれさま。続ける・降りるは、急がずに決めようね。
よくある質問
夜勤は何歳までできますか?
日本看護協会のガイドライン(2013年)の11項目も、深夜業の健診の仕組みも、年齢で線を引いていません。回数・間隔・連続・夜勤後の休息のどこが重くなったかで、見立ててください。
50代で夜勤を減らしたいと伝えるとき、何を添えればよいですか?
見える化シートの数字(連続の回数、明けから次の勤務までの時間、眠れた時間)と、健診や受診で言われたことがあれば、その内容を添えます。「つらい」だけより、どの並びを変えたいかが伝わりやすくなります。
夜勤で体調をくずしたとき、夜勤を減らしてもらえますか?
健診で異常の所見があれば、事業者が医師の意見を聴き、必要に応じて深夜業の回数の減少などの措置を講ずる仕組みがあります。個別の対応は職場によるので、産業医や上司に、数字を添えて相談してください。
出典・参考(公的な情報)
- 看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(2013年)(公益社団法人 日本看護協会)
- 就業継続が可能な看護職の働き方の提案(2021年3月)(公益社団法人 日本看護協会)
- 「頻繁な昼夜遷移が生じない交代制勤務」に関する調査事業報告(公益社団法人 日本看護協会)
- 2024年 病院看護実態調査 報告書(調査研究報告 No.101)(公益社団法人 日本看護協会)
- 労働安全衛生規則 第45条・第50条の2(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働安全衛生法 第66条の2・第66条の4・第66条の5(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。