職場を知る
看護師のICUの仕事。きついと言われる理由と、向き不向きの見方
更新 2026年10月23日読むのに約6分
ICUは、「きつい」と言われやすい一方で、やりがいを語る人も多い職場です。この記事では、仕事の中身と、きついと言われる理由の内訳、向き不向きの見方を整理します。
ICUと聞くと、身構える人も多いよね。
「きつい」の中身を、ていねいに分けて見ていこう。
ICUは、どんな場所か
ICU(集中治療室)は、病状が重く、状態が短い時間で変わりやすい患者さんを、集中して観察し、管理する場所です。手術のあとの患者さん、急な病気で重い状態になった患者さん、呼吸や循環を機械で支える必要のある患者さんなどが入ります。どんな患者さんが多いかは、病院の特徴や、ICUの種類(外科系・内科系・救急系など)で違います。
状態が落ち着けば、一般の病棟へ移ります。ICUの看護は、状態の重い時期に、変化を早く見つけ、医師や多職種につないでいく役割です。人員の配置は、一般の病棟より手厚く決められています。厚生労働省の令和8年度診療報酬改定の説明資料では、特定集中治療室管理料1〜3の看護配置は、いずれも「看護師2対1」と示されています。患者さん2人に対して看護師1人という人数比の基準です。配置基準の数え方の全体は、看護師の配置基準で整理しています。自分の病院のICUがどの管理料を届け出ているかは、見学や面接で聞けます。
| 比べる点 | ICU(一般的な傾向) | 一般病棟(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| 患者さんの状態 | 重く、短い時間で変わりやすい | ICUより安定している人が多い |
| 観察のしかた | モニターを使い、こまめに見る | 決められた時刻や、必要なときに見ることが中心(モニターを使う人もいる) |
| 使う機器 | 人工呼吸器、モニター、薬を持続で入れるポンプなど | 病棟の機器。ICUほど多くない |
| 受け持つ人数 | 少なめ(病院で違う) | ICUより多いことが多い |
| 家族への関わり | 状況が急に変わるため、説明の場面を支える | 経過に沿って、退院の準備まで支える |
一般的な傾向です。配置や機器は病院で違うため、見学で確かめてください。
ここは目安として見て、自分の病院で確かめよう。
ICUの看護師は、何をしているか
ICUの看護師の仕事を、よくある例で挙げます。実際の範囲は、病院やICUの種類で違います。
- 継続した観察と、変化に気づいたときの報告
- 人工呼吸器や、薬を持続で入れるポンプなどの管理(医師の指示のもとで)
- 痛みや苦痛の確認と、安楽を保つケア
- 体位の変更、清潔のケア、感染を防ぐ手順の実施
- 早い時期の離床やリハビリの、他職種との連携
- 家族への関わりと、面会の調整
- 急に状態が変わったときの、チームでの対応
診療の補助にあたる処置は、医師の指示のもとで行います。ICUでは、変化に気づいたときに、何を・どれだけ急いで伝えるかを、短い言葉に整理する力が大事になります。
勤務の流れを、日勤の一例で挙げます。始まりは申し送りで、担当する患者さんの状態、使っている機器や点滴の内容を引き継ぎます。そのあと、ベッドサイドで、機器の設定や点滴の経路を確かめます。日中は、検査、処置、リハビリ、家族の面会が入り、そのつど観察の結果を医師や他職種に伝えます。終わりに記録をまとめ、次の勤務者に引き継ぎます。時刻や分担は、病院で違います。
- 入室重い状態で入る
- 集中した観察と治療チームで支える
- 状態が安定回復の見通し
- 一般病棟へ引き継ぎ
ICUは、回復までの途中の、大事な通り道だね。
ICUは、機械と数字だけの職場、というわけでもなさそうだね。
次は、「きつい」と言われる理由を見てみよう。
「きつい」の中身は、4つに分けると見えてくる
ICUが「きつい」と言われるとき、その中身は人によって違います。分けて見ると、自分が負担に感じそうな部分と、そうでない部分が見えてきます。
一つ目は、緊張が続くことです。状態が変わりやすい患者さんを続けて見るため、気が抜けにくい時間が長くなります。受け持つ人数が少なめでも、ひとりに向ける注意の量は多くなります。
二つ目は、覚えることが多いことです。機器、薬、病気の知識など、入職してしばらくは学ぶ量が多くなります。教育の体制があるかどうかが、負担の大きさを左右します。教育体制の見方は、新卒の就職先の選び方と教育体制の見方にあります。
三つ目は、重い場面が近いことです。看取りの場面、治療の方針に関わる話し合い、家族の悲しみや不安に向き合う場面があります。ここで気持ちを切り替える方法や、話せる場があるかどうかが、続けやすさに関わります。
四つ目は、夜勤の緊張です。夜間も観察は続き、重い状態の患者さんが入室することもあります。夜勤の回数や仮眠の取り方は職場で違います。自分の回数を数字で記録して比べる方法は、夜勤の回数を数字で記録する方法にまとめています。
ICUでは、医師、臨床工学技士、薬剤師、理学療法士など、多くの職種が近い距離で動きます。看護師は、患者さんの変化を最初に見つけやすい立場なので、報告の言葉を整える場面が増えます。誰に、どの順番で、どんな言葉で伝えるかが身につくと、報告への不安が小さくなる、という人もいます。ただ、身につくまでの時間は人によって違うため、教える人が付く期間の長さは、確かめておきたい点です。
向き不向きの見方と、入る前に聞くこと
向きやすいかもしれない人
細かい変化に気づくのが好きな人。学び続けることを苦にしにくい人。状況を短い言葉で報告できる人。気持ちの切り替え方を持っている人。
合いにくいかもしれない人
同じ患者さんと、時間をかけて話す関わりを大事にしたい人。機器や数値を扱うことに強い苦手意識がある人。重い場面が続くと、回復に時間がかかる人。
上の分け方は、目安にすぎません。慣れて、向き不向きの感じ方が変わる人もいます。もう一つ、向き不向きを左右するのが、ICUの種類です。同じICUでも、どんな患者さんが多いかで、1日の動き方が変わることがあります。
- 手術後の患者さんが多いICU:予定の手術が終わる時間に合わせて入室が続き、午後から夕方に動きが集まることがあります
- 救急から入る患者さんが多いICU:入室の時刻が読みにくく、夜間の入室に備える場面が増えることがあります
- 内科系の重い病気の患者さんが多いICU:入室の期間が長くなることがあり、家族と関わる時間が増えることがあります
どの種類かは、病院の特徴で決まります。手術の多い病院か、救命救急センターがあるか、を手がかりに、見学や面接で「入室する患者さんは、どこから来る人が多いですか」と聞くと、1日の動き方が想像しやすくなります。
集中的なケアを扱う職場は、ほかにもあります。救急の看護師の仕事や、循環器の看護師の仕事と並べると、違いが見えやすくなります。診療科の選び方は診療科の選び方にあります。
ICUは、患者さんの状態や感染を防ぐ事情から、見学できる範囲が限られることがあります。中に入れないときは、面接で、勤務の流れ、人員の配置、教育の体制を、できるだけ具体的に聞きます。教える人が付く期間、夜勤の人数、急に状態が変わったときに応援を呼べる体制は、働く人の安心感に関わる点です。
いまの職場にいながら、向き不向きの見当をつける方法もあります。状態の変化に気づいた場面、報告した場面、急な対応に加わった場面を、最近のものから3つ書き出します。そのとき、張りつめた感じと、手応えの感じのどちらが強かったかを振り返ると、ICUでの感じ方を想像する材料になります。
分けて見ると、「きつい」の形が少し見えてきたね。
気になる所があったら、見学で聞く質問にしていこう。
よくある質問
ICUは、新卒でも配属されますか?
新卒を受け入れる職場もありますが、病棟の経験を前提にする職場もあります。教育の体制と、最初の数か月の流れを、応募前に確かめてください。
ICUの看護師は、夜勤が多いですか?
病院や勤務の形で違います。いまの回数を[夜勤の回数を数字で記録する方法](/yakin-kaisuu/)で書き出し、求人票と面接で聞いた回数と見比べてください。
ICUがきついと感じたら、異動できますか?
職場で違います。異動の希望を出せるか、どの時期に聞いてもらえるかは、[異動の希望の出し方](/idou-kibou/)も参考に、上司や人事に確かめてください。
出典・参考(公的な情報)
- 令和8年度診療報酬改定の概要 3.急性期・高度急性期入院医療(31頁:救命救急入院料等の主な施設基準)(厚生労働省)
- 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第7号、10月7日訂正後。別添4 第2)(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月24日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。