辞めたい、の前に
看護師が辞めたい理由は5つの型に分かれる。紙に出して優先順位をつける手順
更新 2026年10月23日読むのに約5分
辞めたい理由は、頭の中にあるうちは、ひとかたまりに重く感じられます。紙に出して、5つの型に分けると、次に確かめることが見えてきます。
頭の中のもやもやを、紙に出してみようか。
きれいに書かなくて、いいからね。
辞めたい理由は、5つの型のどれかに寄りやすい
辞めたい、辞めようか迷う、という気持ちは、言葉にしにくいものです。ただ、理由を分けていくと、次の5つのどれかに近いことが多いです。
- 人間関係:先輩・同僚・患者さんとの関わり
- 勤務・夜勤:回数、連続、勤務時間、休みの取りやすさ
- 給与・待遇:収入、手当、福利厚生
- キャリア:学べるか、先の見通しがあるか
- 責任の重さ:急変、判断、ミスへの不安
複数に当てはまっても、問題ありません。最初に、一番近いものを1つだけ選びます。型に分ける意味は、答えを出すことではなく、「何がつらいのか」をひとことで言える状態にすることです。当てはまらない理由があれば、6つ目として書き足してください。
一つに決めきれないときは、順番だけつけておくと進みます。1番、2番、3番と書いて、1番に印をつけます。順番は、あとで入れ替えても問題ありません。
型ごとの「確かめ方」
選んだ型によって、最初に確かめることが違います。ここでは、型ごとに最初の一歩だけを書きます。
人間関係は、特定の人・場面に偏っているかを見ます。偏っているなら、話し方や配置の調整で変わる余地があります。具体的な悩みは、先輩の指導がきついときや、お局さんとの付き合い方で触れています。いじめ・嫌がらせ・パワハラは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や総合労働相談コーナーに相談できます。記録の残し方から窓口までの順番は、パワハラ相談の5つの手順にまとめています。
勤務・夜勤は、回数・連続・夜勤明けのどこが重いかを分けます。夜勤が中心なら、夜勤が理由で辞めたいときで、道の分け方を扱っています。目安として、日本看護協会のガイドライン(2013年)があります。法律ではなく提案ですが、自分の勤務表と見比べる物差しになります。項目は夜勤の回数の整え方にあります。
給与・待遇は、何に不満があるのかを分けます。基本給なのか、手当なのか、休みの取りやすさなのか。比べる相手によって感じ方が変わるので、事実を書き出します。明細と規程で何が足りないのかを確かめる順番は、看護師が給料で辞めたいときの記事にまとめています。明細で、割増がどう反映されているかを見ると、不満が基本給なのか、割増なのかを分けやすくなります。休みや休憩が取れないことが不満なら、休日が少ない・有給が取れないときの記事で、確かめる順番を見られます。
キャリアは、学びたいことと、いまの環境でできることを並べます。ずれがあるなら、担当や研修、異動の相談が先です。いったん離れて学び直す道を考えるなら、復職までの流れをブランクがある看護師の記事で先に見ておけます。
責任の重さは、場面を絞ります。急変対応、夜勤中の判断、ミスへの不安など。支えが足りない場面があるなら、教育や体制の面から話せます。型によって、「変わる見込み」が見えやすいもの(勤務・担当)と、見えにくいもの(職場の雰囲気や方針)があることも、意識してみてください。
例:「夜勤が重い」と書いた人が、よく見ると、「夜勤の連続のあとに、上司に相談しにくい」ことがつらかった、という場合があります。型は勤務でも、本当の理由は人間関係かもしれません。型は入口にして、場面まで掘ると、理由が具体的になります。
例:理由に、「夜勤が月9回で連続も多い(勤務)」「先輩に質問しにくい(人間関係)」「学べる機会が少ない(キャリア)」と書いたとします。〇・△・×をつけると、勤務は△(夜勤が減れば続けたい)、人間関係は〇(教育担当が変われば違う)、キャリアは×(変わる見込みが見えない)となりました。この場合、先に確かめるのは、勤務と人間関係の二つです。キャリアの×は、すぐ辞める理由とは決めず、「いまの環境では見えにくい」という事実として残しておきます。
もう一つ、紙に出すときのコツは、理由の横に「いつから」を書き足すことです。入職したときからなのか、異動や担当替えのあとからなのか、人が減った月からなのか。始まりが分かると、型よりも前に、何が引き金だったのかが見えます。引き金が条件の変化(人員、担当、勤務表)なら、条件を戻せるかを先に聞いてみる価値があります。
型ごとに見てきたね。ここで少し休んで、気になったところにだけ戻ろうか。
紙に出して、優先順位をつける
手を動かすのがつらいときは、スマホのメモに、単語だけ並べる方法もあります。「夜勤」「先輩」「給料」のように一語ずつ書いて、あとから並べ替えます。誰が悪いかを決めようとせず、何が起きているかだけを、事実で短く書きます。
- 勤務・夜勤:連続のあとがつらい → △
- 人間関係:相談しにくい人がいる → ×
- 給与・待遇:休みが取りにくい → △
- いちばん近いもの:勤務・夜勤
- 話せる人:同期のひとり
例だから、自分の言葉に書き換えてね。
〇や△が多いなら、変える余地があるかもしれません。×が多いなら、環境を変える段階に近いのかもしれません。結果は、決めるためではなく、次に何を確かめるかを見つけるためのものです。続けて書くと、気持ちの波も見えてきます。毎日の気持ちを残したい方は、現在地ログが使えます。
〇・△・×は、気分でつけて問題ありません。迷う項目は△にします。△が多いのは、迷っているという事実なので、そのまま受け止めます。見比べるときは、ゆっくり読みます。同じ言葉が何度も出てくる、一番最後に書いた理由が実は本音だった、ということもあります。目立つ言葉に、線を引いてみてください。
辞めたくない理由も、並べてみてください。患者さんとの関わり、同僚、慣れた環境。思ったより多く出てくる人もいます。理由が複数あるときは、「一番しんどいもの」と「一番変えやすいもの」を選び、変えやすいものから試すと、変わったかどうかが早く分かります。
迷う気持ちは、迷ったままで置いておく
整理しても、迷いが残ることはあります。辞めたい気持ちと、続けたい気持ちが、両方ある。それは自然なことで、どちらかを無理に消す必要はありません。迷っている間は、「いまは整理中」と決めておくと、少し楽になります。
辞める方向が見えてきたら、退職の申入れの期限と、就業規則の退職の定めを、あわせて確かめます。何か月前に伝えるかの考え方は、看護師の退職の時期の記事にまとめています。
話す相手に合わせて、伝える範囲を決めます。家族には生活の面を、上司には勤務や担当の面を、同期には気持ちの面を、というように相手に合わせると、伝わりやすくなります。全部を一度に話さなくてよいです。
辞めたい気持ちは本当にあります。ただ、続けられるかもしれない部分も残っているので、先に整理してから決めたいです。
迷っている状態を、そのまま言葉にした例
書いた紙は、一晩おいて、翌日に読み返してみてください。時間をおくと、事実と感情が分かれて見えることがあります。理由の型が日によって変わるなら、いまは全体として疲れているのかもしれません。眠れない、食べられないなどが続く場合は、つらいときの窓口に話してください。
迷っている気持ちも、そのまま書いていいんだよ。ゆっくり、自分のペースでね。
よくある質問
理由がたくさんあって、1つに絞れません。
絞れないときは、「これが変わったら、続けられる」と思うものを、1つだけ選んでみてください。理由が重なっているのは、自然なことです。
辞める理由を、職場にどう伝えればよいですか?
細かく説明しなくても進められます。伝え方は、[看護師の退職の伝え方と、順番](/taishoku-tsutaekata/)を参考にしてください。
辞めたい理由がはっきりしないときは?
理由が見つからないこと自体が、疲れのサインかもしれません。理由探しを急がず、休むことを先にしてください。
出典・参考(公的な情報)
- 総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)
- 看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(2013年2月)(公益社団法人 日本看護協会)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。