新人・1年目
新人看護師が辞めたいとき。新卒1年目のつらさの分け方と次の一歩
更新 2026年10月23日読むのに約8分
新人のころの「辞めたい」は、ひとつの理由というより、時期・場面・体調・人のつらさが重なって大きく見えていることが多いです。この記事では、重なりをほどく順番と、今週できること、悩みごとに次に読む記事を案内します。
新人の「辞めたい」は、4つのつらさが重なって大きくなる
看護師になって最初の1年は、覚える量、生活のリズム、人とのつき合いが、いっぺんに入れ替わる時期です。そのなかで出てくる「辞めたい」は、一つの原因から来ているとは限りません。いくつかのつらさが重なり、全体がひとかたまりの重さに見えている場合があります。
重なりは、次の4つに分けるとほどきやすくなります。どれが一番重いかで、先に手をつける所と、話す相手が変わります。
- 時期のつらさ:入職直後の緊張、3か月目ごろの疲れ、夜勤の始まり、独り立ちの前後など、その時期だから重くなっているもの
- 場面のつらさ:ミス、覚えられない処置、記録、報告、急変の対応など、特定の仕事の場面に結びついたもの
- 体調のつらさ:眠れない、食べられない、休日も疲れが抜けないなど、体に出ているもの
- 人のつらさ:先輩に聞けない、同期が辞めていく、配属が希望と違った、家族に言えないなど、人との関係に結びついたもの
数字も一つの手がかりになります。日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」では、2024年度の新卒採用者の離職率は8.4%でした(回答した3,435病院の集計)。全国のすべての病院の値ではなく、離職には転職も含まれます。
同じ調査で、新卒採用者が辞めた理由を、病院の看護管理者が5つまで選んだ結果(回答993病院)は次のとおりです。本人に尋ねた数字ではない点に、注意が要ります。
- 健康上の理由(精神的疾患):54.6%
- 自分の看護職員としての適性への不安:46.6%
- 自分の看護実践能力への不安:44.2%
- 上司・同僚との人間関係:27.0%
- 他施設への関心・転職:23.0%
- 夜勤の負担が大きい:3.8%
上位には、体と心の調子、それに「向いていないのでは」「できていないのでは」という不安が並びます。新人の抱えるこうした悩みが、ひとりだけのものではないと読む材料にはなります。一方で、管理者の見方の集計なので、本人が一番重く感じていた理由とずれることもあります。数字の読み方は看護師の離職率の数字と読み方にまとめています。
最初に、体のサインを生活の事実で確かめる
4つのうち、先に確かめたいのは体調です。疲れがたまっているときは、場面のつらさも人のつらさも、実際より重く見えやすくなります。体が限界に近いまま、辞めるか続けるかを考え続けると、考えること自体が疲れを増やします。
確かめ方は、気持ちを点数にするより、生活の事実を書くほうが向いています。夜勤のある週とない週で、差が出るかも見ておきます。
書き出してみて、休日には軽くなるなら、疲れの比重が大きいのかもしれません。休みを守る工夫から始める余地があります。休日も平日と同じ重さが続く、出勤前の涙が毎日のようにある、といった状態なら、整理より先に体を守る順番に切り替えます。5〜6月に崩れやすい調子の整え方は新人の五月病。5〜6月の過ごし方、勤務中や帰り道に涙が出るときは新人が泣いてしまうときに書いています。
職場の中にも、体の相談先があります。労働安全衛生法13条と施行令5条により、常時50人以上の労働者がいる事業場は、産業医を選任することになっています。産業医は働く人の健康管理を担う医師で、治療をする主治医とは役割が違います。相談の窓口がどこにあるかは、看護部や人事に聞くと分かります。
職場の外では、厚生労働省の「こころの耳」に、働く人向けの電話相談があります(0120-565-455、フリーダイヤル)。受付は平日17時〜22時(受付は21時50分まで)と、土日10時〜16時(受付は15時50分まで)で、祝日・振替休日・年末年始(12月29日〜1月3日)は休みです。番号を非通知にした電話は受けていません。夜中も含めて話したいときは、#いのちSOS(0120-061-338)と、よりそいホットライン(0120-279-338)が24時間受けています。番号と時間は、2026年10月に厚生労働省のページで確かめたものです。
時期・場面・人ごとに、次に読む記事
体調の確認が済んだら、残りの3つのうち、一番重いものから見ていきます。このサイトには、新人期の悩みを一つずつ扱った記事があります。全部を読む必要はなく、いまの自分に近い1本を選ぶための案内です。迷ったら、下の表で一番近い行を先に選びます。
時期のつらさが重いなら、流れの中の位置を知ると、少し見通しが立ちます。最初の3か月の揺れは新人看護師が3か月目に辞めたいと思ったとき、夜勤が始まる前の不安は新人の夜勤はいつから?、ひとりで受け持つ日が近い怖さは新卒看護師の独り立ちが怖いときにあります。1年全体の月ごとの流れは新卒1年目の流れと、つまずきやすい時期で見渡せます。入職前の人は入職前3か月の準備カレンダー、学生のうちから辞めたい気持ちがある人は看護学生が辞めたいと思ったときが近い記事です。
場面のつらさが重いなら、その場面の型を一つ持つと、同じ場面が少し軽くなります。ミスのあとの報告と立て直しは新人のミス。報告のしかたと気持ちの立て直し、教わったことが残らないときは新人が覚えられないとき、業務の順番に迷う日は優先順位のつけ方とメモの型、言葉に詰まる報告は新人の報告のしかた、勤務後の勉強の順番は新人は何を勉強するかが入口です。
人のつらさが重いなら、相手との距離の取り方を変える方法があります。先輩に声をかけにくいときは新人が先輩に聞くコツ、ほめられず自信が持てないときは新人が自信を持てないとき、同期が辞めて揺れるときは同期が辞めていくとき、配属が希望と違ったときは配属が希望と違ったとき、家族に打ち明けたいときは親に辞めたいと話すときを読んでみてください。
| 重いつらさ | よく出る言葉 | 最初に確かめること |
|---|---|---|
| 時期 | 3か月目から急にしんどい | 研修の区切りや受け持ちの増え方と重なっていないか |
| 時期 | 夜勤が始まるのが怖い | 夜勤に入る時期と、最初の数回の組み方 |
| 場面 | ミスをして眠れない | 報告が済んでいるか、同じ場面の手順を確かめたか |
| 場面 | 何度聞いても覚えられない | メモの取り方と、聞き直す相手が決まっているか |
| 人 | 先輩が怖くて聞けない | 聞く時間帯と、聞き方の型を変えられるか |
| 人 | 同期がもう辞めた | 自分の理由と同期の理由を分けて書けるか |
| 体調 | 休日も涙が出る | 眠り・食事・休日の回復を3日分書いたか |
いちばん近い行を選んだら、上の段落の記事を1本だけ開いてね。
人のつらさの中には、指導の厳しさとして片づけにくいものもあります。人格を否定する言葉や、長い時間の叱責が続くときは、パワハラ相談の5つの手順で、記録の残し方と窓口を確かめられます。線引きは個別に判断されるため、自分だけで結論を出さなくて済みます。
記事がたくさん並んだけど、今夜読むのは1本だけでいいからね。
続けるか動くかの前に、体・場面・相談・仕組みの順で確かめる
体調と、一番重いつらさが見えてきたら、分かれ道を考える段階に入ります。新人の場合、道は大きく3つです。今の職場で教わり方や勤務を調整しながら続ける道、看護師のまま別の職場に移る道、看護の仕事からいったん離れて休む道です。
どの道を選ぶにしても、手前で踏んでおきたい順番があります。順番を飛ばすと、決めたあとで「あれを試していなかった」と迷いが戻りやすくなります。
- 体を守る眠る・食べる・受診
- 場面を絞る一番重い場面を1つ
- ひとりに話す教育担当・同期・窓口
- 仕組みを聞く面談・受け持ち・夜勤
順番どおりに進まない日は、ひとつ前に戻ればいいよ。
4つ目の「仕組みを聞く」は、今の職場で何が変えられるかを確かめる段階です。教育担当との面談の間隔、受け持ちの人数の増え方、夜勤に入る時期の見通しなどは、施設によって決め方が違います。聞いてみないと分からないことが多く、聞いた結果、続ける理由が見つかることもあれば、職場を変える理由がはっきりすることもあります。
急変があった日の記録だけが、どうしても時間内に終わりません。続けたいと思っているので、記録の進め方を一度いっしょに見ていただけますか。
教育担当に、場面を絞って相談する言い方の例
職場を変える道を考えるなら、1年目で動く場合の見られ方や、準備の順番を看護師1年目で転職しても大丈夫?で確かめられます。新卒で入った職場が合わなかったことと、看護の仕事が合わないことは、分けて考えられます。
いったん離れる道は、看護師をやめることと同じではありません。休んで体調を戻してから、別の形で戻る人もいます。戻るときの段取りは看護師の復職は何から始める?にあります。辞めると決めたときの伝え方は看護師の退職の伝え方と、順番に、続ける・変える・辞めるのどれに近いかを問いで見分ける方法は看護師1年目で辞めたいときの見分け方にまとめました。
反対に、順番を待たずに動いたほうがよい場面もあります。体調が日に日に崩れていく、強い叱責が続いて職場の中に話せる人がいない、といったときは、休むことや、外の窓口に話すことを先にしてください。順番は、元気を保つための道具で、我慢を続ける理由ではありません。
今週できることと、新人がよく抱える迷い
分かれ道を決めるのは、今週でなくて済みます。今週は、次の小さな3つから、できそうなものを選びます。
書いたものは、結論を出す材料というより、相談するときに見せる下書きです。書きためる場所に迷うときは、現在地ログも使えます。日付が並ぶと、夜勤明けだけ重い、週の後半に崩れる、といった波が見えてきます。
新人がよく抱える迷いの一つ目は、「同期はできているのに、自分だけできない」という感覚です。同期とは配属も、教わる相手も、受け持つ患者さんも違うため、同じ物差しでは測りにくいものです。比べるなら、入職した月にはできなかったことで、いまはできることを一つ探すほうが、手応えを拾いやすくなります。
二つ目は、「最低でも1年は続けたほうがいい」と言われて揺れる迷いです。続けた期間の意味は、人によって違います。何か月続けたかだけで正解は決まらず、体調を確かめたか、話して試したかのほうが、判断の材料になります。
三つ目は、「ここで辞めたら、看護師に向いていないことになる」という迷いです。今の職場の今の時期がつらいことと、看護という仕事そのものが合わないことは、別の問いです。向いているかどうかの整理は看護師に向いてないと感じるときの、理由の分け方と合う場の探し方で扱っています。
ここまで目を通せたのは、自分のことを大事に考えられている証拠だよ。
今夜は、体のサインをひとつ書いたら、早めに眠ろうね。
よくある質問
新卒の看護師が辞めたいと思うのは、甘えなのでしょうか?
甘えと決めつける根拠はありません。日本看護協会の2025年の調査でも、新卒採用者が辞めた理由として、看護管理者は体調や、適性・能力への不安を多く挙げています。まず体調を確かめ、つらさを4つに分けてみてください。
新人看護師の離職率は、どのくらいですか?
日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」では、2024年度の新卒採用者の離職率は8.4%でした。回答した病院の集計で、転職も含みます。全国の値ではない点に注意が要ります。
職場の人にも家族にも話せないときは、どこに話せますか?
厚生労働省の「こころの耳」に、働く人向けの電話相談(0120-565-455、平日の夕方から夜と土日)があります。夜中も含めて話したいときは、#いのちSOS(0120-061-338)が24時間受けています。番号と受付時間の一覧は、本文の注意書きにある窓口のページに載せています。
出典・参考(公的な情報)
- 2025年 病院看護実態調査 報告書(日本看護協会調査研究報告 No.102)(公益社団法人 日本看護協会)
- 働く人の「こころの耳電話相談」(こころの耳(厚生労働省))
- 電話相談窓口(まもろうよ こころ)(厚生労働省)
- 労働安全衛生法 第13条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働安全衛生法施行令 第5条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
つぎに読む
この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。